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野山へ出て行く…キト脱出 12、エクアドル 2015年09月29日 気がつくとキトには11日間も滞在していた。 最初は印象がわるかったキトも、いまではいいところかもしれないと思えるようになってきたが、しかしそろそろ出発しなくては。 さきにお金を払ってしまわないと、これまたダラダラ出発が延期してしまうと思ったので、前日に宿の支払いをすませる。 つぎの日は10時すぎに起きてしまい、あわてて支度。 そしてオーナーのホセにさよならを言う。 「ああ、じゃあ」 というそっけない言葉がかえってきてそれっきり。 ほかの人にはもっと手厚くさようならを言っていたのに。 まああまり話はしなかったし嫌われていたのだな、とちょっとがっかりしながら出口へ。 いざ戸外へ!というときになってホセがこちらを呼び止めた。 出口ふきんに置いた自転車が心配だったが、なんだろうと戻ってみる。 すると、 $6足りないから出せ、と言うではないか。 ここで色々と手違いがあったことが発覚。 まず、泊まっていた部屋は$5ではなく正式には$6なのだそう。 そして昨日、11日分ではなく間違えて12日間分払ってしまっていた。 この2つの間違いで事件はおおきくふくれあがる。 ここについた当初、ホセにいくらか確認したときには$5と言っていた。 しかしいま従業員が言うには、いままで泊まっていた部屋は$6でもっとせまい部屋が$5なのだという。 いやそれなら窓なんていらなかったのに。 ていうか、$5って言ったんだから$5で済ませよ。 ここで従業員は、 「じゃあ足りない$6はおまけして払わなくていいことにする」 という妥協案を守備表示で召喚。 しかし自分としては、1日多く払ってしまったのだからその分を返してほしい。 1年以上前にニカラグアでぼったくられ、なにも言えずに支払ってしまったことをいまでも悔いているのだ。 だっておかしいでしょ。 「こちらは$6の損失、あなたは$5の損失ってことで」 っていう大岡越前の三方一両損みたいなこと言ってっけども! なんでこちらが$5多く払わなくてはいけないんですかねぇ。 もちろん間違えて多く払ってしまった自分の過失もあるが、それでそのまま返さなかったら横領でしょ? ちょうどそばにいた韓国人が仲裁にはいってくれたが、こちらは一向に引かず。 「ぼくたちも$6で払ってるし、$6安くなったと思えばちょうどいい手の打ち所なんじゃない?」 と言うが、 「だってホセが$5って言ってたし!」を攻撃表示で召喚、速攻魔法[増殖]で量産しつづける。 ホセの件では従業員は丁寧にあやまってくれたが、ホセはあいかわらず自分に非はないの一点張り。 いやべつに謝って欲しいわけじゃない。 $5返せって言ってんの! 結局、「今回だけだからね」と$5返してもらい、代わりにこのホテルを宣伝しておいてほしいと、ここのホテルの案内が書かれたちいさな紙を3枚渡された。 …って、だれがするかボケェ!!!! と、そのときは思ったのだが、最後まで丁寧な口調でつきあってくれたその従業員のためにやってあげることにした。 自分から宣伝はしない。 ただ、その紙をどこかに置いてきてあげよう。 これでこの旅のミニ目的がまたひとつできあがった。 一つ、ブラジルのベレンまで本を届ける 一つ、パンフをどこかに置いてくる こちらはすぐに達成できそうだ。 階段まで見にきたホセを軽くにらんで、ホテルから去っていった。 心のなかは大層ブルー。 足どりが重い。 これからしばらくは大人しくしておこう。 あんな無茶をしたんだから、きっとなにか代わりに悪いことが起こるだろうなぁ、と考えながら進んでいくと、メガネが割れていることに気がついた。 まあこれくらいならべつに。 メガネがなかったら生きていけないわけでもないし。 ちょうど眼鏡屋のよこを通ったので、そこで応急処置をしてもらった。 ボンドのようなものでフレームとレンズをくっつけてくれた。 しかも無償で。 「お金はいいから。旅行を楽しむんじゃぞ」 やっぱりここは嫌いになれないんだよなぁ。 キトを出て南へいく道を事前に調べていたはいたのだが、都会の道路は複雑でよくわからず結局勘をたよりに進む。 どうやらハイウェイとは違う道路に出たようだ。 道が徐々にせまくなっていった。 ホテルの件をひきずっているため、なかなか進む気にはなれない。 進めど進めど町がとぎれない。 切ない感じの歌を口ずさんで気やすめ程度に自分をなぐさめながら歩いた。 そろそろ夕方だし街中でキャンプはあまりしたくないので、目についたホテルに何度か入ってみるが、 $25、 $12、 ネットはなし。 高い。 トボトボと進んではT字路にぶちあたり、左へ右へと方向転換。 するとこんな景色が。 高い山がそびえたっているのが見える。 それもくっきりと。 上のほうは岩壁になっている。 その右側には雪がかかった高山。 火山なのか、てっぺんから煙がすこし出ている。 目のまえの巨大な自然がはげましてくれているような気がして、すこしずつ元気をとりもどしてきた。 と、走る意欲がわいたところで時刻は5時。 タイムオーバー。 もうすこし走っていいホテルがなかったら適当にキャンプしよう。 そう考えながらあと一息、あと一息と前進する。 いつの間にかハイウェイへ戻ってきていたのだが、ここからの風景がとてもきれいだったので写真を撮りまくった。 ↑すでに日が暮れかけている ↑下り坂の目の前に現れるごつごつした山。岩肌が夕日に照らしだされてより立体的になる ↑遠くまで円形の町はつづいてゆく ↑墓場と山脈。光が強くて緑がビビッドに ↑山の左側は荒野がひろがる ↑空色と雲のコンビネーションもすばらしい ↑山の低層は表面がボコボコしてジオラマのようなちょっと不思議な形をしている。右下の林もノスタルジックでいい雰囲気 Tanbillo(タンビージョ)という小さな村に入り、ここにホテルがあるということでそちらへ。 値段は$10。 wi-fiもあるしかなりきれいなところだが、それ以上にスタッフたちがとても元気で温かい。 この村の人たちはみなこのどこの馬とも知れぬ外国人に優しくしてくれる。 それが嬉しかった。 久しぶりに熱いシャワーを浴びて、異臭のしない清潔なベッドで寝ることができた。 それにしてもスクレの毛布はなぜあんなに変なにおいがしたのだろうか。 あんまり悪く言いたかないのだけれど、あれは本当に不思議だ。 魔法陣グルグルという漫画で、主人公2人に変なおやじがくさい毛布をかけるシーンがあって、それを読んだ当時は毛布にくさいもなにもないだろうと思っていたのだが、 いやあったわ。 くさい毛布が。 本当に存在していた。 [1回]PR http://yumenosukoshiato.ichi-matsu.net/ecuador/%E3%82%AD%E3%83%88%E3%82%92%E5%87%BA%E3%82%8Btanbillo野山へ出て行く…キト脱出