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オルモスのホテルを出発する。
本当はもう一泊したかったが、煩悩に打ち勝った。
そしてここから数日間、幸か不幸かなぜかたくさんの人たちと触れ合うこととなる。
5kmほど先にあるレストランで酔っぱらいたちにからまれた。
レストラン向かいにある警察署の警官だという男にビールを飲めと押しつけられ、それを飲んだり拒否したり去ろうとしたりの攻防を20分ほどつづけたすえ、奥のほうに座っていた人から水のペットボトルを一本を授けられた。
気温の高いところで水をもらえるのは本当に助かる。
すったもんだありながら、笑顔でみんなと別れた。
そこから4時間、走り続ける。
なんの変哲もない道だが、太陽の紫外線と熱のせいで体力が急激に奪われていく。
なにもしていなくても疲れるというのは、体を動かさなくてはいけない者にとって非常につらいところだ。
こちとら背負っているザックでただでさえ消耗が激しいというのに。
少し大きめの村があったので中へ入っていき、店で飲みものを買って休憩する。
その商店で談笑していた村の人達が「食べ物はいらないか」と言ってくれる。
少し前に食べたばかりだったのでそれを断ると、じゃあこれを食べろと言って小さな青いマンゴーを3つくれた。
なぜだかみんなコロンビア並みに良くしてくれるぞ
どうしてこんなに色々くれるんだろう
と考えていたら、
そういえば今日はクリスマスだと気がついた。
この村は静かで居心地がよさそうだったのでここでキャンプしようかと思ったが、「もう少し行くとMotupe(モトゥペ)町があり、ホテルも安い」ということで今日はそこまで走ることにした。
彼らからお土産にマンゴーを3つくれたのだが、さっき食べたマンゴーの中にひとつ固いものがあり、皮をむいている間に右の親指の爪と肉の間が少しはがれてしまった。
ものすごく痛いわけじゃないが、地味ーな痛さがずっと残っている。
オルモスでは自転車修理時に左親指をすこしだけ負傷してしまっていたので、これで両親指にダメージを負ってしまった。
↑村のそばにあった看板。モトゥペには「東京」というホテルがあるらしい
20分ほどでモトゥペに到着。
村の中ではどこもビール瓶を片手に友人たちと店や家の前でゆったりしている。
さすがはクリスマスだ。
安宿の情報を聞きまわって探すがどこも休みで閉まっている。
さすがクリスマス。
3つ目でやっと開いているホテルを見つけることができた。
値段は15ソル(約525円)と破格!
ネット環境はないが、この値段ならむしろ泊まるべきだろう。
ここまで安いホテルはあまり出会えない。
これを逃さない手はない。
↑こんなホテル。入口と看板が小さくてわかりにくい
↑この町は宿がハンパじゃなく多い。奥に小さく「ホテル東京」がみえる
ホテル看板に星☆が書かれているところがある。
値段やランクの指標となるミシュラン的なこのマーク。
値段は、体感的に☆が平均25〜30ソル、☆☆が40〜60ソルといったところだと思う。(2015/12現在)
20ソル以下はかなり安いが、それでwi-fiがある所はそうそうなさそうだ。
この場所を教えてくれた人のところへ行ってみると、そこでまたビールを飲まされてしまった。
ビールはあまり好きではなく、そもそもアルコールに強くないので、ビールを勧められるのは気持ちは嬉しいのだが心から喜べない自分がいる。
飲み方にこの地域のルールがあるようで、ひとつの瓶とコップを飲んでは回し飲んでは回ししながら一杯ずつ順々に飲んでいく。
飲み終えたあとは、なぜかコップについた泡を地面やら別のコップやらに捨てる。
そんな会合に巻き込まれながら、こちらが疲れていることを見抜いたのか黒いジュースとゴロゴロ肉入りエンパナーダをいただいた。
黒いジュースは、名前は忘れたが麦で作られているという。
ということはコロンビアのポニーマルタと同じようなものか。
「これを飲めば元気がつくぞ」とジェスチャーで教えてくれる。
腕をもちあげてモリモリのポーズ
ポニーマルタのときもそう言われたな。
ポニーマルタは正直あまり好きではなかったのだが、これは黒糖の味がしない分あっさりしていて飲みやすい。
これならまだ普通に飲めるかもしれない。
今度探してみようかな。
エンパナーダは砂糖がまぶしてあり生地がサクサクのパイ風で、コロンビアのもとのはこれまたちょっと違う
酔いがまわってきたので帰ろうとすると、みんなが引き止めてくる。
今日はここ店主の誕生日だという。
ケーキにろうそくをつけ、くだんのハッピーバースデーの歌を手拍子とともに皆で歌う。
最後にろうそくを消して終わり。
日本とまったく同じだ。
急いでケーキをカットして渡してくれ、そしてホテルへと返された。
翌日出発する予定だったが、ビールのせいか体がだるいのでもう一泊することにした。
宿代も値段も安いから悪いことはない。
町をブラブラ探索する。
メルカドの近くの食堂で軽く食事をし、お金を払おうとするとお釣りがないと言われる。
会計が2ソルで100ペソ札しか持ち合わせがなかったのでどうしようもなく、とりあえず店内でボーッとしていると、斜め向かいに座っていた黒人の男性が払ってくれた。
非常にありがたい。
お礼をいい握手して退店した。
昨日今日で色々世話になりすぎだな、
と少し反省しながら、コーヒーを飲んだり広場を歩いたりかき氷を食べたりしてのんびりとすごした。
↑中央広場にこんなデザインの植木があった。サボテンの植木のまわりに本物のサボテンが囲っている
↑馬の植木も見事
↑ペルーで最初に使った銀行とATMはこのbanco de la nacion(バンコ・デ・ラ・ナスィオン)とmultired(ムルティレッド)だった。
スジョ村にあったこの銀行でのドルソル両替はすんなり終わって利率もよく、ムルティレッドのATMは手数料が無料。
ちなみにATMはこちらでは
cajero (automatico)
カヘーロ(・アウトマティコ)
と呼ばれている
↑これは現在選挙に出馬しているケイコフジモリのこと。
ケイコフジモリは前大統領の日系人アルベルトフジモリの娘で、今のところ一番人気らしい。
この写真のものはプロパガンダというよりここの人達が応援しているのだろう。
他の村でもこのような政治家の名前入りの壁と頭文字をよく見る。
↑日本語が書かれていたので撮ってみた。こちらの人からはおそらく中国語と見分けがつかないと思う
一度ホテルへ帰り、休んだり屋上でこっそりオカリナの練習をして充実した時間をすごす。
夕方、なにか食べにホテルを出ようとすると、ここのホテルに住んでいるというロビーにいた医者の男性に気に入られたようで、なんと今日のホテル代を払ってくれた!
家に泊まらせてくれたりしたことは今までに少しあったが、ホテルの代金を払ってくれたのはこれが初めてだったのでびっくりした。
よくわからないが、このホテルの血縁関係者というようなことを言っていたかと思う。
その後はその人と一緒に行動することになった。
食事をごちそうしてくれ、町を歩きながら話す。
が、言葉がわからずほとんどコミュニケーションがとれない。
それでもちょっとしたジョークを交えつつ観光につきあってくれ、最後は友人の警察官の家でビールを例のごとく回し飲み。
酔った医者のフランは、自前の睨み顔をよそに音楽に合わせて陽気に踊る。
こちらも十分酔ったところでホテルへとつきそって帰してくれた。
[1回]
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