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しかしまだアレキパにいる。


暗い話になるので、そういうのが苦手な方はこの記事はパスしてください。





月日は過ぎ去り、ようやっとアレキパの日本人宿から出てきた。


結局いつものように自分が怒って出てきたんですけどね。
手伝いのおばさんに悪口言われ続けたのが最終的なきっかけで。
日本人宿に来るとこういう結果になるのはわかっていたのだけども。
ひとえに風の前の塵に同じ。


いやー、やっぱりもっと早く出てくるべきだった。
山とか登ってる場合じゃなかった。

あれは本当に無駄だったと思う。
お金も時間も気分もすべて台なしになった。

やらないことよりもやったことのほうが後悔する。
そして記憶に残りやすいから長引く。

これは人によるのだろうけど、自分の場合はそんなパターンが多い。


それよりなにより一番悔しいのは、本当にムカついて我慢できなくなりコーヒーをかけるときのこと。
すこし遠くからコーヒーカップを振ってしまったので霧状になり、うまくおばさんにかけられなかったのだ。
ちゃんと近づいて頭からドバっと降らせればよかった。

これでは気が収まらない。
ちゃんとかけておけばスッキリしていたのに。



サンドラ一家は自分にとてもよくしてくれた。
特にサンドラさんは自分の親戚だと言ってかわいがってくれた。
でも彼女はそのおばさんが言っている陰口を聞かされた時、一緒になって笑っていたのを知っている。

自分が怒ったときにはなだめてくれたが、すごくおびえていた。
今頃、厄介な自分がやっと去っていってホッとしているんじゃないだろうか。


仲良くしてくれた兄弟たちに別れを告げることができなかった。
彼らはなんとなく信頼することができた。
また会いたいけど、おそらくずっと同じ部屋ですごしていて、毎日話しかけてみたりちょっかいを出していたので、さすがにそろそろ煙たがっていたころだろう。



しかしこれで、やっと解放された。

日本人たちの知ったかぶりを聞かされることもなく、彼らに陰口を叩かれたり悪口を言い合うのを耳にすることもなく、南京虫やノミやよくわからない細長い虫に体を吸われることもない

これ以上あそこにいたら暴れていただろうから、勢いに任せて出てきてよかったと思う。


※虫に体を吸われる
山登りから帰ってきてから部屋が下二人の兄弟と一緒に移動になり、彼らと同じ部屋になったのだが、その部屋にだけ虫がいて退治したり刺されたりの格闘を日夜繰り広げていた。よほど血がおいしかったのか、狙われるのは自分だけであった。倒した虫の数推定15匹。



今、一人の時間がたっぷり持てるようになった。

人あたり時のイライラやうつ状態や運気の下降は、一人になることで回復できることを経験上わかっている。
これからきっとうまくいくはずである。


やはり、自分は人間と触れては生きていけないんだと思う。


※人あたり
大勢の人がいる場所に入ったり多くの人と触れ合ったりすることで気分が悪くなること。「食あたり」から取った著者の造語であり、おそらく正しい日本語ではないのでは、と予測している。
本来の使い方は「あの人は人当たりがいい」(印象がいい)など。



さて、これからどうするか。
そこが問題だ。


今、この山岳地帯は雨期に入ってしまっている。

1月になってから毎日 雨、あめ、アメ。

自転車乗りにとっては非常につらいところである。
ホント山とか行ってる場合じゃなかった。


戻って海沿いを走りたいが、ここまできてそれもちょっとなぁ。
ということで、空の様子をうかがいながら、ボリビア方面へと行きたいと思っている。


マチュピチュがあるクスコにも行ってみたい気持ちは少しあったが、さすがに遠い。
現在南へ向かっているのだが、クスコ行きは標高の高い山のなかを一度北へ戻らないといけないのだ。

それに今は雨期で景色もそんなに見えそうにないし、クスコは人が多いし、物価は高いし、日本からでも安いツアーとかありそうだし、みんな行ってるし・・・・・

そして一番の理由は、滞在日数がかなりヤバいということ。



そんなわけで、クスコもといマチュピチュは今回の旅行では無視。
途中ちょっと寄り道しながら先を急ぐことにする予定だ。



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