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最強装備と泥とのたたかい El Corazon 13、ペルー 2016年02月16日 こんな村とっととおさらばしてやる〜(心の叫び)とアニメの悪役のような心境で山のなかの村・ウアルガジョックを出ていこうとしたところ、ホテル清掃の女性たちにひき止められて写真撮影をせがまれてしまった。にこやかに手をふってくれる女性たち。・・・いやいやいや、だまされませんぞー。もう出ていくんだ。はやく大きな町についてネットしながらのんびりするんだい。村のはずれで食事をして出発。土と石と水で作られたダートコースをふみしめてゆく。路面は悪いが天気はいい。天気がいいと気分も晴れやか。 ↑牛が上から流れる川のようにならんで草をはんでいるのがちょっと不思議 ↑上を見ると崖がゴゴゴッとそそり立ってる気分が乗っていても、のぼり道が続いてつらい。警察官から聞いた話によると、このさき4000mアップなんでしょ?人間の住むところじゃないよね。でも、天気がいいから景色がきれいに見えてそれが励みになる。つらいけど歩くのが楽しい。そう、天気がいいから。 天気が。くずれてきた。なんでー、あんなに晴れてたのに!なんでこんなにあっという間に曇ってしまうの!?そして雨が降る。…うん、これね、知ってた。腹痛のためにコチャで逗留している間にね、なんとなく天気のローテーションが見えてきたんですよ。朝は晴れて、昼の11時から遅くて13時くらいには雨が降る。そこから雨が止むかは運次第。そして夜にまた雨。雨期はそんな感じの天気らしい。今日はあんなに晴れてたけどね、雨降るのは読めてた。だからといってどうすることもできない。ああ。もうだめだ。とりあえずレインジャケットとレインパンツを着よう。何ヶ月ぶりの出動だろう、このレインマンたちは。すごく久しぶりに出したなこれ。 ↑このあたりから池がたくさん増える。雲の位置に手が届きそうちょうど現れた小屋の屋根に隠れて様子を見る。そして雨が弱まっているときを狙って先へ。ここで立ち止まってはダメだ。だって村からまだ10kmも進んでいないもの。道がくだりに変わった。 これ以上ゆっくりしていられない。ブレーキは利かないが、見渡しのいいここで自転車に乗り一気に距離を稼ぐ作戦にでた。事故らない可能性に賭けた。賭けには勝った。あまり車もいなかったため、道路中央を陣どって雨が強まっていくなか急いで駆けぬけた。と、目の前にガソリンスタンドの看板が。こんなところにあるなんて予想だにしていなかったが、これはラッキー。止まらない自転車をなんとか制し、ガソリンスタンド内へと避難。同時に豪雨。ガソリンスタンドにはそのスタッフらしき人と駐在の警官2人がいて、濡れて凍えている自分にハーブティや飴玉、お菓子にクラッカー、コーヒーまでご馳走してくれた。寒いだろうと毛布をくれる。なんていい人たちなんだろう。そして自転車の荷物用に大きなポリ袋までプレゼント。おお! これ欲しかったやつ!! ↑さいきょう!自転車が壊れていることを話すと、「走っている軽トラを捕まえれば町まで連れて行ってくれる」と教えてくれる。ふむふむ。今はまだ大丈夫そうだが、ピンチになったらその手でいこう。彼らと話をしながら雨が収まるのを待つが、どうにも止みそうにないので強行突破することにした。なにせ今はレイン装備。そしてポリ袋の雨避け。つまり雨にはとてつもなく強いのだ。濡れても大丈夫なので行きますよ。とりぃぁああああ! ↑美しい野原が次々とあらわれる ↑きれいな景色が出るたびに足を止めてカメラを出す。カメラを付け消し付け消ししてたらおかしくなってしまった。美しいって、罪だね甘かった。天気は晴れ、雨は止んだ。それはいいのだけど、それまでの雨で道が泥だらけになってしまっていたのだ。雨には強いが泥は想定外。タイヤが泥を飛ばす飛ばす。最終的にはこんな状態に。 ↑ヤッバイこれ。みなさんはちゃんと自転車に泥よけをつけましょうね下ってはのぼり、下ってはのぼりを繰り返す。一体どこらへんで標高がマックスになるのだろう。4000mでしょ?それって相当だよね。標高計を持っていない自分には今どのくらいの高さにいるのか知る由もない。ブレーキは壊れている、全身泥だらけ、デジカメとパソコンの調子もおかしい。そんな精神的にかなり圧迫された状況で、息急き村を目指します。暗くなる前に! どうか!!それにしても本当にこのへんは素晴らしい景観だった。写真をいっぱい撮ったので、どうぞごらんください。↓ ↑奥の景色がまたきれいなのだが、このカメラだと遠い部分がはっきり写らない。みなさんはいいカメラを買いましょうね ↑手前のタンポポがいいアクセントになってるかなと思って ↑そらにピントを合わせたらちょっち暗いね。手前に合わせると奥が白飛びしそうだったものですから ↑こういう草原好き。走り回りたい。馬に乗ってみたい ↑奥のウネウネした白い道もこういう山道ならでは ↑木の線が引かれている。奥の崖も結構見物だったけど、あんまりうまく写ってなくて残念 ↑こんな道を走っています。つらなる岩山がカッコいいEl Corazon(エルコラソン、コラソンは心・心臓の意)という小さな村に入った。本当に何の変哲もない村だが、なぜかレストランがたくさんある。おそらく5つくらいあったのではなかろうか。そのうちの一つに入り、夕食に一番安い目玉焼きを注文した。その男性店員がとてもフレンドリーで話がしやすかったので、この辺でキャンプするとしたらどこがいいかと聞いてみる。このすぐ隣にホテルが2軒あるとのこと。ええ!こんなところに!?ビックリ。だってこんな小さな村にですよ。普通は絶対にない。すぐ隣のところは部屋がないらしかったので、もう少し奥のホテルへワクワクしながら行ってみる。レストランがあり、そこがホテルも兼任しているらしい。誰もいない。子どもしかいない。その子に話しかけていると、女性が一人やってきた。彼女にここはホテルかと聞くと、ぶっきらぼうに「なんにもないよ!」と言いだした。それは部屋がないってこと?と聞くと、「部屋もなんもない」と憎らしげな顔で言う。がっかりしながら戻ろうとしたとき、その道路際に立っていた女性が叫んだ。「あの人はなんにも知らないのよ。だからホテルの人の帰りを待ってなさい。(奥に向かって)なんでアンタがそんなこと言うのよ!」というようなことを言ってくれたのだった。1時間ほど待ち、部屋を開けてくれた。小さなコテージのような可愛らしいところだった。夜にもう一度雨がふり、下は泥だらけ。そしてめっちゃくちゃ寒い。さすが標高4000mにとどく場所。ホテルが見つかって本当に助かった。 [1回]PR http://yumenosukoshiato.ichi-matsu.net/per%C3%BA/el%20corazonperu最強装備と泥とのたたかい El Corazon