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タイムリミット温泉紀行 Baños del Inca





2016/2/20


何度もここ、カハマルカから脱出しようとしたが、うまくいかない。
天気が悪かったり、起きる時間が遅かったり、パッキングを忘れていたり。


長く同じ場所にいると出ていくのが億劫になってしまうようだ。

人はこれを、沈没という。



さて、なかなか出発できないので、本当はホテルをひきはらい荷物を全部持って訪れるはずだった温泉地にこのさい行ってみようということになった。

荷物をホテルに置き、自転車とサブバックのみで出発。



温泉があるのはここから10kmほど離れた町、Baños del Inca(バニョスデルインカ)。
意味はまさしく、「インカの温泉」である。


道はなだらかで走りやすく、自転車専用道路まである。
天気もよく、なかなかすてきなサイクリングとなった。




バニョスデルインカに入り昼食をとる。

温泉はどこか探してみると、すぐに見つけた。
大きな看板が立てられているのは、やはりここの一番の目玉だからなのだろう。





温泉の種類もなんだか豊富そうだ。



とりあえず一番安い、普通そうなものを選んでみた。


敷地内へ入ると、広い中庭に多くの観光客。




そして目の前に現れるは、まさしく温泉。






煮え立っている。




下は緑色で、硫黄がくっついたのかぼこぼことした岩状になっている。


まさかここに入るわけではない。
話によると、この湯は熱湯らしく、入ると火傷は必至。
警備員さんは立っているものの、柵もないのに危なくないのか。



看板の指示通りに進むと、小屋があった。

待合所は少し日本の銭湯を思わせる雰囲気。
みんなで壁際のベンチに座り、順番を待つ。


係員に呼ばれた。



    ↑浴槽はすべて個室。掃除のためのほうきが並んでいる


入ってみると、意外と大きい。




浴槽はこんな感じで、本当に小型の銭湯という出で立ちだ。
写真では見えていないところに、服を脱いだりものを置いたりする小さなスペースがある。




じゃあ、水を入れてみますね。



栓をひねると一気にお湯が出てくる。


ってかこれ、お湯っていうか熱湯なんですけど!!!
熱いの!!


隣の栓で水が出るらしいんだけど、その量がホントに心もとない。
チョロチョロとしか出ないの。

僧侶の修行を思わせるお湯の量に全然ついてけてない。


    ↑熱湯ばかりがたまっていく恐怖


しょうがないので、お湯を出しては止め、出しては止めして温度を調節。

一定の間隔でリズミカルに栓をひねっていくうちに、なんだかちょっとノッてきた。
電車のブレーキを操作している気分だ。
イェイイェイと栓の開け閉めを繰り返した。


そんな風に体でロックを奏でながら約10分、ようやくお湯がたまってきたので、いざ入浴。






ふぅ~~。



いつぶりかわからないくらいの風呂はなかなか気持ちいいが、結構深いのでなんだかすごくプール感が出てしまっている。
ゆっくりつかるというよりは、ちょっとしたアトラクション。


一人でバシャバシャ遊んでいるうちに、ドアの外から係員が

「あと5分です」

の合図。





え”!!
早くね?




ちょっと待って。
そうか、これ制限時間があるんだ。


なんかさ、たしかに悪い予感はしていたんだよね。
浴室の看板に20minutos(分)とか30minutosとかっていう不穏な文字が見えてはいた。
でも見なかったことにしておいた。


だってねだってね、
まず、この浴室に入ってからすぐにお腹が痛くなってきて、トイレに行ったんですよ。
そしたら紙がなくて係員に紙をもらって用をたして――

それでまずタイムロス。


そして、さっき栓をイェイイェイしている間にね、メガネをね、落としてしまって。
フレームが壊れているせいで、レンズがどっかに飛んでいってしまったんです。

探してもなかったのでどうやら湯船のなかに落としたらしい。
透明だから全然見つからないの。

結局ベンチの下にあったんですけど。

それで10分くらいロスしたかな。



だから10分も入っていられなかった。


温泉に来た意味とは・・・




外に出たら、霧かと思うほどの煙が立ち上る。




中庭を散歩してみる。



温泉の噴水。

だからそれ、危なくないの?
熱湯ですよね?
風で飛んでこない?



小さな博物館があったので覗いてみる。
郷土料理やこのあたりの見どころの説明が写真とともに書かれていた。


    ↑発掘された人骨まである


20ソル(700円)でマッサージを受けられると書いてあったが、さすがにもう疲れてしまってそのまま帰ることにした。

慌ただしくも、よくわからない温泉めぐりとなった。



もっと端折ろうとしたのですが、このエピソードはちょっとおもしろかったので、いつものように詳しく書いてしまいました。
つぎから短くなる予定。

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