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お釈迦様のような巨大な手が砂漠に浮かびあがる地 mano del desierto 15、チリ 2018年10月31日 この日は、ドアの激しいノックの音で始まった。ドアを開けると、ここに泊めてくれたレストランを経営しているおじさんが立っていた。促されてデジカメの時計を見ると、すでに朝の10時をまわっている。しまった、寝すごした。「疲れていたんだね」と笑いながら去っていくおじさん。顔を洗って準備をし、自転車とともに外へ出ていこうとすると、おじさんが入口の扉を開けてくれた。マノ・デル・デシエルトへ行ってからもう一度戻ってくると伝えると、彼は町に買い出しに行くからいないだろうと話したので、そのまますこしだけ会話をした。前にも自転車の旅行者が来て、ここに泊めてあげたそうだ。その人とはメールで連絡を時々とっているらしい。「大丈夫、神様が見ているから」そういって見送ってくれたおじさんは実に幸せそうな表情をしていたのだった。1時間ほど走り、マノ・デル・デシエルトへ。砂の上に巨大な手のモニュメントが建っている。 これは一体なんなのか。仏像を連想させられるが、宗教的なものなのだろうか。西遊記を思い浮かべながら、その手にハイタッチしておいた。 ↑手をかざして撮影。ほかにも同じように写真を撮る人多数 ↑裏側もある程度ちゃんと作ってある有名な場所なのか、こんな辺境なのに人が切れることなくやってくる。帰りに軽トラの人たちから「どっちに行くの? なにか必要なものはないか?」と聞かれたので、「特にないよ。ありがとう」と断っておいた。この感じだと、砂漠のなかを走っても助けてくれる人は多分にいそうだ。レストランへと戻り、昼食をとる。このさき何もない道を走るだろう。今のうちに栄養をとっておかねば。ちょうどそこで食事をしていたトラック運転手から、この先の道の情報を聞くことができた。海へとつづく道はコンクリートがつづいているがくだり坂がかなり急で危険なので気をつけるように。海沿いには一応人がいるから、水で困ることはないだろう。とのこと。一昨日のトラック運転手たちの話でも同じようなことを聞いていたので、これは信憑性があるだろう。レストランのおじさんから昨日聞いた話では、その海へ通じる道はよく知らないが、砂漠のなかを通る大きなルート5の道路はこの先しばらくくだりで、170kmほどで小さな町がある。俺はそこから来たからと言っていた。また別のルートでは、次の町までのショートカットにはなるが、上りがかなりあるらしい。総合すると、ルート5で砂漠を突っきるか、海に出るかのどちらかがよさそうだ。水に余裕がなく、ここで買うのも余分にお金がかかってしまうので、やっぱり海に向かうことにした。 店のおばさんと先ほどのトラック運転手にお礼とお別れを言い、昨日辿った道をもどっていく。交差点まで来て、左折。 そのさき右折して小さな道路へと侵入するのだが、その前にテントを張って今日の走行は終わりとすることにした。きつい坂道になるとテントを張るのが難しくなるかもしれないからだ。ガス缶を出してお湯を沸かし、インスタントラーメンとコーヒーを作る。風が強く火があおられて時間がかかった。空は星で埋め尽くされ、南十字星がこちらを見下ろしている。走ってきた坂の下を見てみると、雲が徐々に広がっているのが見えた。砂漠の気温差のせいだろうか。時おり車はくるものの、静かで誰もいない砂漠では安心して寝ることができた。 [1回]PR http://yumenosukoshiato.ichi-matsu.net/chile/manodeldesiertoお釈迦様のような巨大な手が砂漠に浮かびあがる地 mano del desierto