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雪山と都市 Cayanbe





さあ、居心地のよかった場所を抜け出して今日も元気に走ろうか!



と、いきたいところなのだが、この日はちょっと体調が悪い。


「せっかくネットが繋がってるんだしもったいないから」と遅くまでパソコンをいじっていたのがいけなかったか。

つまり寝不足ってこと。



今日出て行くと決めたからにはそれを守る、変なところで頑固な自分。
いつもなら次の日に延ばすので、これはただの気まぐれです。





横手に見えていた高い山を半周グルッとまわる形で進んでいく。

山のふもとには湖が見えてなかなかきれいな場所だ。




三層の色に分かれた山。



それが、ほら、




四層に。




山が重なって一つに見えたのだった。
横から見るとこんな感じ。





ここから地味にキツいのぼりが続いていく。


距離的にはそんなにないのだけど、この体調でこの坂を乗り越えるのはかなりキツかった。



徐々に気温が下がってくる。
砂埃が喉に絡み付き、喉が痛い。


腹を減らし脚をガクガクいわせながら一歩一歩前進するが、進むごとに体の調子が悪くなる。


なんだか様子が変だ。

体のあちこちがピチピチチクチクした痛みが生じているし、頭がクラクラしてボーッとしてくる。



もしかして、高山病?





    ↑タンブルウィードのように転がるダンボール


    ↑タンブルウィード(西部劇によくある転がる枯れ草)





こんなところで苦戦するとは思わなかったが、なんとか坂のてっぺんに来ることができた。

カフェがあったのですぐさま入り、あったかいコーヒーを注文する。


カフェのおじさんにこの辺にホテルはないか聞いてみるが、あと20kmは進まないとないらしい。


都合のいいことにここはちょうど分岐点の真ん中であり、レストランや小さなスーパーがひしめき合っている。

ここでキャンプをしようか。

 
    ↑モハンダ湖のずっと右横にある分かれ道のところが現在地



テントを張るところを探していると、小スーパーの入口で食料品を販売していた男が、

「ここの道(上の地図でいうところの右側の道)を行くとciudad(都市)があるからそこにホテルがあるよ。15分で着くから」

と教えてくれる。


15分では絶対に着かないだろうとは思ったが、体調も芳しくないしここはホテルに行くべきだという判断で、まもなく夕暮れになるこの時間にもかかわらず直進することになった。


そうすると、なんと!




雪山!!!



しかもわりと低いところにある!
そんなに高いところまで登ってきていたのか。


たしかに上着を着ないとすこし寒いけど、まさか雪が見られるなんて思ってもみなかった。



約2年ぶりに見た雪。
触ってみたい。


自分は冬が好きで、
真っ白に染まった雪原や木についた霜柱、電灯に照らされた大粒の雪の降る景色を眺めるのがとても好きなのだ。


もちろん現在いるところには雪のひと片もなく、真直でみることはできない。




そんな景色を眺めながら、その都市とやらまで一気にくだり下りる。



    ↑ちょっと霞んでいて見にくいが、奥に町とデコボコした山が見える



    ↑にょろにょろした妙な形が奥まで続いていて不思議な光景だった


看板には

 Cayanbe(カジャンベ) 5km

と書かれていた。


この調子なら30分ほどで着くことができるだろう。



町に着く頃には夕焼けになり、商店街へと入ったときには真っ暗になっていた。




たしかに先ほどの男が”都市”と言うだけあり、規模がかなり大きい。

そんなところでホテルを探してみるも、どこも$20と猛烈に高い。

こう中途半端に大きなところだと宿が少ないために価格競争が起こらず、全体的に高くなっているのかもしれない。



ワゴンで串焼きを売っているおばあさんに安宿の場所を聞いてみる。


「安い宿かい? うーんとね、安いのはないね。$8かぁ、$10くらいしかないよ。ほら、そこの道を真っすぐ行って左に曲がれば4ブロック先にあるから」


と教えてもらったので、広場と教会を通り越してそのまま真っすぐ。


いくらか行くと右手の道にhostalの文字が見えた。
おばあさんに教えてもらったところとは違うが、ちょっとよってみよう。



そのホテルは$12。

値段は安くないが、$20よりはマシだろう。
なによりもう疲れてクタクタなので、早く荷物を置きたい。


「自転車が置けるように広い部屋にしとくから」

ニヤッとした笑顔とともに鍵を渡される。


部屋に入ってみると、
これがめちゃくちゃ広い




写真じゃわかりづらいかもしれませんが、ものっそい広い部屋でした。
端から端まで普通の歩幅で10歩くらい歩けるほど。

トイレのほうからちょっと下水っぽい臭いがのぼってくるが、まあ慣れれば平気。



スーパーで飲み物などを買いにいって、この日は寝ることにした。



    ↑買い物帰りに撮った、ライトアップされた教会



    ↑帽子が車にたくさん乗っかって売られている。ぬいぐるみが占拠しているみたいでかわいかった



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