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コンドルどころじゃなかった Madrigal その2





翌日、朝の9時くらいに起きてマドリガルを目指します。

とは言ってもそこまでの距離およそ6km。
30分ほどで着くことでしょう。



   ↑前回も載せたけどラリの村。ちゃんと電灯が設置されている


おそらくこちらだろう という方向へと進みます。
看板もなければ人に聞いたわけでもありませんが、前方に数人行き交う人も見えるし、間違っていないはず。





しかしこの道、なんだか少し変な気がします。
小川を乗り越えなければなりませんし、ゴツゴツしてて自転車ではなかなか大変です。

もしかしたらマドリガルはかなり山奥の村なのかもしれない。

そう考えれば、こんな道になるのも無理はないかもしれません。



   ↑道、合ってるよね・・・



    ↑奥の山に見える横線はコンドルの谷に続く道路


だんだん細くなっていく道を心細くなりながら歩いているうちに、ついに大きな道路に出ました。
右と左に分かれています。
とりあえず右へ。

 
    ↑大きな道。とりあえず上りのほうへと行ってみる


すると、見えた!
あれがマドリガルですね。


    ↑崖の下に見える村


そしてその先には、あれ? 門が。

 

どうやらやはり道は間違えていたようです。
この門に辿りつく道が本道であり、今さっき通ってきたのは村の牛飼いたちが使う裏道でした。

おかげで道が荒い分、ずいぶんと時間がかかってしまいました。


    ↑マドリガル到着


村に入ってすぐ、陽気なおじさんに声をかけられました。
食堂を案内してもらい、食事をしてから今度はホテル探し。

役場内に宿泊施設があり、本当は夕方から受付らしいのですが、自転車やら荷物やらがあったので先に入らせてもらいました。


    ↑Fortaleza de Chimpa(フォルタレサ デ チンパ)の看板


村人数人に聞きました。


陽気なおじさん
「フォルタレサに行くのかい? 歩いて3時間かかるね。道はまっすぐだから簡単さ」

食堂のおばさん
「自転車で来たの。じゃあフォルタレサまでは30分で行けるよ」

宿泊場所を教えてくれた学生
「ガイド付けたほうがいいんじゃないの? あの道いくつも分かれてるしちょっと危ないから・・・」







ねえ、言ってること皆バラバラなんですけど!?




共通してるのは、
コンドルが見える午前5時に出発しなさい
ということだけ。


一体だれを信じればいいんだ・・・・・


とりあえず明日の朝に山に行くことにして、村を歩き回ってみようと部屋を出ると、さっきの陽気なおじさんがたまたま通りかかりました。

牛の乳しぼりをするというのでついていくことに。
階段状になっている丘を登って、そこにいた牛の足元へ。


    ↑結構美人だった


準備を整え、おもむろに絞り始めるおじさん。


    ↑一度にぎると手を放しても止まらなくなるくらいジョバジョバ出る



    ↑ざる越しにバケツに入れる


この後、薄黄色い水溶液(レンネット?)を入れてかき混ぜていました。
チーズを作っているようです。


そこでおじさんとは別れ、少し寝ることに。
今日は睡眠時間が極端に少なかったもんね。



夜に起きて食事をしたりまた寝たり、なんやかんやあって

翌日。

 

朝5時に教会のスピーカーから流れる声で目が覚め、少し遅れた5時30分に出発。


    ↑若干明るくなってきてるけどまだ6時前


道なりに歩くと、
なんと分かれ道が。


あの学生の言い分が正しかった!!!


一番人生経験の浅い若い人が一番正しいってどうなってんの?

と思いながら、いくつかある分岐路を適当に歩いてみます。
どんどん下がっていく道に不安が隠せません。


途中、橋がかかっていたので、
  これは正解ルートだろ
と、高を括っていました。


    ↑橋がかけられてあるのでよく使われてる道なのだな、と






30分後。




















行き止まりなんですけど。



この川を渡って向こうへ行くのかな、とも考えましたが、流れが急なうえに深い。
そして川中の足場になりそうな岩もなかったので、数十分悩んだあげくあきらめて帰りました。



途中の分岐点まで戻ると牛飼いのおじさんが元気に

「おお、フォルタレサまで行くのかい。いやいや、こっちの道だよ。ここから3時間かかるし道が険しいけど歩けるのかい。ははは」

とナチュラルに煽ってきました。


こちらとしてはすでに意気消沈していて行く気もなく、適当な村人たちに嫌気もさしていたのですが、ちょっと悔しいのでためしに言われた方向へと行ってみることにしました。



獣道。

どう考えても自転車では通れない道。

というか、

もうどこが道なのかわからず、

朝露でズボンと靴が濡れます。

行けそうな方角は石壁がつづくほうと水路がつづくほうに分かれ、

水路は崖にはばまれ、

石壁は行き止まり。





どうなっとんじゃい!!!!!!!!

ムッキー!!


道もわからないしもうどうなってんのこれ。
ってか自転車で行けるって言ってた人たちは何をもってそう言っていたのか。
一本道って言ってた人たちは旅行者をはめるのが趣味なんじゃなかろうか。


遠くの山にくねくねした道とそのトップに小屋らしきものが見えるものの、そこまでの道のりがまったくわかりません。


迷っても嫌なので、もう帰ります。
苛立っているのですぐに。
即刻。


それでも一応写真は撮っとく↓














なにより、荷物を置くためにチバイに部屋を取っていること、予定より一日遅れたことにより余計に料金が発生していることに焦りを感じていました。

やっぱりダメですね。

荷物を全部持って行くか、それともひたすら金をかけて大盤振る舞いしていくか。
そのどちらかを選ぶべきでした。



帰っている途中、心の中のバーのマスターみたいな人にこのことを愚痴ったら、顔をぐっしゃぐしゃにして笑い飛ばしてくれたのでちょっとスッキリ。

・・・えっと、変なことを言っているかもしれませんが、まあ妄想みたいなもんです。


で、自転車で帰り道を走りながら大声で歌を歌っていたらもう完全にスッキリしまして。
天気もいいし、とにかく早くチバイについてホットシャワーを浴びることだけを考えていました。



    ↑帰りは上のIchupampa経由、赤い線の道をたどってきた



    ↑帰りの光景


    ↑黄色い大岩



向こうへ行って気がついたことがあります。

それは、
チバイ周辺が一番きれいだったってこと!



    ↑この辺の景色が一番好き


前々回にチラッと紹介した崖下の温泉のすぐ隣に、もっと高そうな温泉があったので橋の上から撮ってみました。
こんな感じです。



入ってる人みんなアメリカ人かヨーロッパ人っぽかったです。
高いんだろうなぁ。



結果、目的を達成することはなく無事にチバイのホテルまで帰ってくることができました。


でもやっぱり時々、辿り着けなかったことを思い出し無性に悔しくなって腹が立つんですよね。

だから、もしかしたらリベンジするかもしれません。
しないかもしれません。

そんなところで。


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