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アマゾン先住民による医療儀式・アヤワスカの体験レポート


先に言っておきます。

怪しい話です!



ペルーのアマゾン地域にあるサンフランシスコ村にて、アヤワスカというものを体験したばかりなので、そのレポートをここに書いておきたいと思います。


サンフランシスコ村まではペルーの首都リマからバスで約20時間かけてPucallpa(プカルパ)まで行き、そこから車もしくは船で30分ほど乗り継いで入ります。

観光客も多いため、プカルパで「サンフランシスコに行きたい」と言えば連れて行ってくれるはずです。


ほかにもコロンビアやエクアドル、ブラジルなどで同じような興味深い体験ができる場所があるようです。
日本人宿の情報ノートに行き方や感想が書かれていることも多いので、興味のある人は覗いてみてください。



アヤワスカ体験



今回はわかりやすいように、

1、アヤワスカの概要
2、儀式中の外からの変化
3、儀式中の内からの変化
4、受けてみての感想と考察

に分けて綴っていきます。
2と3では互いの時系列がわかるように数字を割り当てています。


1、アヤワスカとは


アヤワスカというのは、アマゾン川流域にある植物のこと。
アマゾン川上流の先住民族がこの汁を発酵させたり煮詰めたりし、セレモニーと呼ばれる儀式に使う。
基本的にこのセレモニーは医療として行われるらしく、自我を一時的に崩壊させ深層心理を覗き、自分自身と向き合わせることによって精神疾患を改善させる効果があるのだそう。
麻薬と違い中毒性や禁断症状はないとされている。

セレモニーは夜間行われ、薬を配合しているシャーマンが取り仕切る。
シャーマンは夜通し「イカロス」と呼ばれる歌を歌い続けることにより、アヤワスカの効果を増幅させる。


2、セレモニー中の外側から見る変化


シャーマンに招き入れられた場所は、広い縁側のようになっているセレモニー場。
そこに巨大な蚊帳が張られていました。

下には布団が敷かれ、そばには吐しゃ物を受け止めるバケツ、それからペットボトルに入ったアヤワスカの濃い液体が一本置いてあります。

トイレットペーパーやタオル、夜の寒さ対策などは各自で持参。

昼食以降は食事をしてはいけない決まりです。
かなりお腹がすいていました。


金属でできた深めのエッグカップのような入れ物にアヤワスカを並々注いでもらい、それを飲み干します。


  ↑これをもっと大きくして怪しい模様を描いた感じのカップ


これがものすごく不味いという話だったので不安だったのですが、
意外とそうでもない。

なんか、酸っぱくて苦くてなにかが腐ったような味がするのですが、思ったほどひどくない。
まわりは「不味い不味い」言ってましたが、自分は割と大丈夫でした。

ちなみにこのときは、シャーマンの奥さん(シャーマニズム研究家)と、一緒に来ていた日本人2人、合わせて4人でやりました。


飲んだらあとは横になるだけです。




10分ほど時間がたち、目の前に細かな極彩色の模様が見え始めました。
小さなカクカクした波線が縦に流れ、それが幾重にも折り重なっています。
赤・黄色・オレンジ・緑といった蛍光カラーが細くこまかく、暗闇のなかに現れて光って見えます。




シャーマンが途切れ途切れに鼻歌を歌い始めました。
すると同時に、頭が締め付けられるような頭痛が十秒ほど続き、それから今度は喉を絞められるような感覚。
かなり苦しいです。




目の前がぐるぐると回り気持ち悪くなります。
立ちくらみや貧血のような感じです。
目をつぶって手で顔を覆い、これを乗り越えました。




シャーマンの鼻歌が妙に気になります。
耳にすごく入ってくるのです。

途中で彼のメロディがしばらく途切れてしまったとき、自分が同じメロディを口ずさんでいました。
そうしようとしたわけではなく、なぜだか自然とそうしてしまったという感覚。

勝手に出てくる頭のなかの言葉に、一々「うん・・・うん・・・」と頷きながら答えていました。




シャーマンがイカロスの歌を歌い始めました。

体が時折ビクンビクンと動きます。

なぜかものすごくおかしくなり、一人で大爆笑していました。
「ワライダケを食べた時も、こんな風なのだろうか。だとしたらこのアヤワスカも脳の神経に作用しているのかもしれない」などと考えていました。
笑いながら。

まわりに気を使ってしまい、恥ずかしさもあって、必死で笑いをこらえます。




イカロスが激しくなっていきます。

まわりがゲーゲーと吐いている音が聞こえます。
独り言をつぶやいたり、立ち上がったりしている音もします。




シャーマンが楽器を持ち出してギターやハーモニカ、パンフルートなどを演奏します。

体が音に反応し、手が勝手に上に持ちあがり、指を開いたり閉じたり。
それを不思議な気持ちで眺めます。
そのうち、横になった状態のまま体が勝手に踊りだしました。
ダンスの仕方なんて知らないはずなのに。




イカロスは最高潮に達しています。
まわりは一緒に歌を歌ったり、手拍子をしたり。
自分も気が狂ったように踊り続けました。




シャーマンの呼びかけとともに一時休息。
みんなで起き上がって会話をします。
頭はボーっとしていてフワフワしますが、このときは普通に会話ができます。

シャーマンに「もう一杯飲むか」と聞かれましたが、怖かったので断ってしまいました。
今思えば飲んでおけばよかったと後悔しています。


10

歌が再スタート。

イカロスに合わせて体が動きます。
が、途中で体の動きが止まってしまいました。
まわりもあまり盛り上がってなさそう。

1曲終わったところで今回のセレモニーは終了となりました。



3、セレモニー中の内なる変化


以下、時系列が上記の数値とリンクしています。




上と同様




自分の悪いところや悩んでいる部分、家族のことなどが次々と出てきます。
言葉と映像が頭の中でどんどん通過します。
起きながらにして、夢をはっきり見ているような感覚です。

夢を見ているときって、集中して本気でその見ているものを止めたり変えようとしない限り、どんどん映像が流れていってしまいますよね。
そんな感じ。
自動で脳が働き続けます。

自分の悪い部分や不安定なところを見て、かなり落ち込みます。




気持ち悪さで我に返ります。
頭の中で「おまえは吐かなくてもいい。吐きたいなら吐いてもいいけど」と言われ、吐くほどのものでもなかったのでそのまま横になっていました。




気持ち悪さもなくなり、気分がよくなります。
頭の中で、今度はいろいろと肯定され、褒められます。

いろいろな動物や虫になって、空を飛んだり草原を走ったり森を這ったりするイメージとともに、これまでのことや今後どうすればいいのかが言葉で聞こえてきます。
聞こえるというよりも、自分が自然にそう思ってしまっているというほうが近いかもしれません。
「その調子で行け」とかそんなことを、思おうとしてではなく思ってしまっているのです。

シャーマンの歌が止まった時、「もっと歌ってくれ」と心のなかで叫びました。
「もっともっとだ、このシャーマンは修行不足だな、自分が代わりにやってあげよう」と思い、口から自然とイカロスが出てきました。
すぐに我に返り、気恥ずかしくなって歌うのをやめました。

この時、シャーマンの心の不安な部分や現在ちょっと調子が悪いような感じがイメージとして見えたような気がしました。




なんだか楽しい気分になってきました。
念のため吐く用バケツの場所を確認しようとして手がぶつかり、「いて」と声に出してしまっただけで大爆笑。
なんなんだこれは。

頭が朦朧としています。
シャーマンの代わりに自分が歌いたい、いっそ乗っ取ってやろうと思いましたが、シャーマンから争いではなく共生の意思を感じ、そのままシャーマンに任せることにしました。




様子のおかしいまわりの人たちが異様に心配になってゆきます。
すこし上空の視点から、自分を覗いた4人の姿を見ている感覚になりました。
大丈夫か、平気か、と心の中で声をかけます。

全員がつながっているような感覚がして、優しい気持ちになりました。
同時に、ほかの人の心の中、彼らの弱いところが見えたような気がしました。





体は踊ったまま、頭のなかでは褒められて反省して、の繰り返し。
その時々で気分がアップダウンします。

気分が下がった時に、「音楽にあなたは愛されている」と言う言葉が聞こえてものすごく嬉しくなり、一気にノリノリになって気分はもう最高。




寝ながらのダンスも最高潮。
ものすごく楽しくて、こんなに楽しいことは今までに数回しか体験したことがないというくらい。
最高に幸せでした。

まわりも手拍子をしたり歌を歌ったりしていて、それはまるで彼らがシャーマンを支えてあげているように見えました。




歌は突然終わり、シャーマンが素の声で「ちょっと休憩しよう」とかなんとか言ったのでしょう。
そこでみんな我に返り、普通に会話ができました。

自分もこのときは体の自由が利きましたが、まだあのリズムが忘れられずに体が動いてしまいます。
時々イカロスのメロディも口から出てきます。

楽しかったので、シャーマンにもう一曲リクエスト。
「もちろん、もっとやるよ」の言葉が嬉しかった。


10

リクエストに答えてもう一曲。

しかし途中から「すべて勘違い」という言葉が聞こえ、もしかしたら今までこのセレモニーで見たものも全部勘違いだったのかもしれないと思って気分が白けてしまいました。

その後すぐにシャーマンは歌をやめ、「アヤワスカの効果が切れたから今日はこれで終了」と言って家に戻ってしまいました。

みんなでまた少し会話をしてから、その場で眠りました。

自分はまだまだ踊り足りなくてまたリクエストしましたが、これ以上やらないのはわかっていました。
もう一杯飲めばやってくれたのもわかっていました。



4、感想と考察


やってみての感想です。



色々な言葉が頭のなかで響くのですが、それは普段自分が感じていることや考えていることが大半でした。

アヤワスカの説明の欄でも述べましたが、やはりこれは外の力ではなく自分自身から出てきているものなんだということが分かりました。


つまり、お告げや未来が見えるというようなものではなく、

心の奥底では自分はどうしたいのか
どうしてそうなっているのか

などがわかるようになっています。


気分がハイになる効果もあるので、それも合わせて精神からくる病が緩和されるというのもうなずけると思いました。



今回は1回しかやらなかったのですが、本来は3回はやることを推奨されています。
そうしないとただの体験止まりで終わってしまい、もっと深くはわからないらしいんですね。
初めての人はこういうトリップ経験すら見れない人も多いということでした。

だから今回は浅いところまでしか見えていなかった、という可能性もあります。



この体験がもし、人生観に対する自分の考えを強く表に押し出しただけだったとしたら、
そこで褒められたことはただの自分自身への肯定というだけであり、客観的に見て得られたものではありません。

自分が普段そうだと思っていたことをもう一度、確かにそうだと振り返っただけです。
なのであまり真に受けすぎるのもどうかと思いました。



ただ、もしこれがそれだけではなかったとしたら。
もしなにか神がかり的な内容が含まれていたのだとしたら。



自分の場合は
「今まで生きてきた生き方すべてが正しい」
「悩みなんて本当は何もない」
と頭のなかで言われました。


それ以外にも色々と得られるものがあったのですが、
それらを信じるかどうか。


シャーマンにも
「彼はなにを悩んでいるのかわからない」
と言われました。

「悩みがあった気がしたけど、(アヤワスカの中では)何にもなかった」
と言ったら、
「じゃあ、いいじゃん」
とあっけらかんと答え、あの独特の笑みを浮かべながら、
「今日は俺が昼食を作ってあげるよ。俺ぁシェフだから」
と陽気にダンスしていました。



変な話ですが、自分は時々人の心がなんとなく読めます。

そのときの状況や相手の状態、使った言葉や微妙な表情の変化などを、相手の性格や癖などを考慮して導き出すのです。
つまり心理学的なものです。
自分に関してのことだと被害妄想がわき起こり、確立がかなり下がってしまうのですが。


で、そのシャーマンは全然心を読めませんでした。
いつも陽気に鼻歌を歌ったり踊ったりしている彼の心を読むことができませんでした。


あのような立ち振る舞いだと考えを読み取られにくいのか。
ああいうタイプの人はいつも何を考えているのか。


これは、これからの人生のちょっと面白い議題になりそうです。


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