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昼下がり、ガソリンスタンドのスタッフと音楽を語らう Nazca


「はい、もうお終いだよー。場所あけてー」

観測塔の管理人が戻ってきて、朝5時ごろに起こされる。
外はまだ薄暗い。

眠気を引きずりながら寝袋とエアーマットを片づける。
邪魔にならないように気持ち急ぎつつ。


お腹が空いたので、一度前の村に戻ることにしよう。

それなら昨日のうちに戻ってもよかったのだが、
ナスカの地上絵に囲まれて野宿する
という魅力が、街中に泊まる利便性よりも上回ったのだった。

結果、星もきれいだったし、満足満足。



    ↑砂漠の朝焼け。気温差でできた低く筋をひく雲が美しい


    ↑だいぶ明るくなってきた。日が岩山を赤く染める


エルインヘニオという昨日立ちよった村に出戻り。

朝食は思ったより高くなかったので助かった。
昨日チェックしたときは、どの料理もとても高かったのだ。
だから昨日の夕食はコーヒーのみだった。

食堂のおばちゃんは朝早いのにニコニコと仕事に取り組んでいて関心してしまう。
仕事熱心なんだなぁ。


ここからまもなくナスカの町に着く。
さっさと行ってしまおう。




 Bienvenidos a Nazca(ようこそナスカへ)


と書かれた門をくぐり、すぐそこにあったガソリンスタンドに入って休憩。
店で飲み物やアイスなどを買って食べる飲む。


休憩しながら、対応してくれたガソリンスタンドのスタッフと話をする。
そんなことをしているうちに、数か月前からここの手伝いをしているというアントニオと打ち解け、仲良くなった。
レストランに誘われ、そこでレモネードをもらう。


ラテンアメリカでは音楽の話を吹っかけられることも多い。
ここでも音楽の話題になった。

自分はわりと音楽が好きで、よくこちらの流行り曲なんかを聴いていたりもするので、この話はかなり盛り上がった。

ノートパソコンでyoutubeにつなぎ、色々な音楽をかけ始めるアントニオ。
パソコンを貸してくれたので、好きなラテン曲や洋楽、そして日本の曲をかけてアントニオの反応を見てみることに。


UNISON SQUARE GARDENの『シュガーソングとビターステップ』と東京事変の『OSCA』の反応がとてもよかった。
『シュガーソングとビターステップ』はコロンビア人にも一度聞かせたことがあり、そのときも反応がよかったので自信はあったのだが、東京事変も喜んでもらえたことに驚いた。
少し古めな感じに作られた曲で、歌い方ともにアクの強い独特な曲だからだ。

異文化で好きなものを共有できているという一体感がうれしい。


今回の結果から、ラテンのセンス的には、もしかしたらドラムが重要なのかもしれないと予想。
どちらも打ち込みではなく立体的な演奏をしているという共通点があり、その中でも刻みに合わせて体を揺らしていたからだ。
こちらはダンス文化が根強いので、リズムに非常に敏感なのかもしれない。

宇多田ヒカルの『traveling』とGiovancaの『On My Way』は残念ながらそこまで反応がなかった。


レゲエは好きかどうか見たかったのでMatisyahuの『King Without a Crown』もかけたかったのだが、時間いっぱい。終了。

ここでお別れとなった。

 


ここからナスカの中心部はすぐだという話を聞き、自転車はフルスロットル。

こうして寄り道をしながら、ナスカの町に入っていったのである。


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ナスカの地上絵に囲まれて寝る



さあ!
ついに今日は“ナスカの地上絵”を見られるぞ。


意気揚々と出発。

今日中に次のナスカの町まで行きたいので、朝早く出るつもりだった。

でもね、ホテルの寝心地がよすぎて。
さすが、高い部屋。

出発は昼になりました。


まわりは砂から礫砂漠と変化し、石や岩が散らばるゴツゴツした平原のなかを走る。
さすがこのあたりは観光バスも多いのか、ときどき小さな村や店が出てくる。
休憩ポイントにできるからこれは便利。



    ↑れきれきしてきた道。するどい影の入った岩山がカッコいい


    ↑これ、スターバックスのパクリだよね・・・


    ↑通りすがりの村。小さなところだったけど、家並みがなかなかきれい


    ↑前まではサラサラの砂だったのに、景色が一変してる


    ↑遠くにオアシスが見えますね。こういうの気になる


El Ingenio(エルインヘニオ)という村に到着。



料理は高かったのでコーヒーを飲んで休憩する。

そこでアメリカ人らしき集団に声をかけられたので、地上絵のことを聞いてみた。
すると、こちらのスペイン語が片言なせいで一切耳を傾けようとせず、スペイン語も英語もまったくできないと決めつけてバカにしてくる。

目の前でほかのペルー人に道を聞き、お前らの言語能力が低いせいでこちらの言葉が聞き取れないのだというところをまざまざと見せつけておいた。

まったく、これだからアメリカ人は嫌いだ。


ペルー人のおばちゃんの話だと、もうすぐさきに博物館と高見やぐらのようなものがあるという。
全然そんな雰囲気じゃないのに、半信半疑で先へ。

坂をのぼってあいかわらずの砂利の景色を走ると、
あった。



どの地上絵がどのポイントにあるかという地図が張ってあったので見てみる。


おかしい。
ここはかなり終わりのほうに位置している。

あれ? もしかして・・・・・



この高台を管理しているおじさんに話を聞いた。

「絵はもっと前からあるよ。パルパにもうひとつmirador(ミラドール、観測塔)があるんだよ」




パルパ。

それは今日出てきた町






マジでか。


じゃあ、
さっき通った



ここでも、



ここでも、

昨日通った



ここからも、もしかしたら見ることができたかもしれないのか・・・

いやわかんないけど。


そういえば、パルパの看板にlinea(line=ライン のスペイン語)と書かれているのがチラチラ見えていた。
でも”ナスカの”地上絵っていうくらいだから、ナスカの町の近くだとおもーじゃん。


名前に騙された。
タイトル詐欺だ。


ショックを受けつつも、ここでも一部見れることを確認。
しかしこの台にのぼるには、お金がかかるらしい。
3ソル(105円)。

ここでも金を取るのか。
昔の人のものなのに・・・・・


とりあえずその場からどうにか見えないか試してみる。



うーん。
奥に薄っすらと。
見えるような見えないような。



あ、こっちはよく見えるね。
でも何だかよくわからない。



自転車を置いている駐車場方面。
写真に写っていないけど、両端に簡易トイレが設置してあります。
親切。

まあ、地上からじゃよく見えないね。
やっぱりね。


で、
悩んで悩んで、
結果、料金を支払ってのぼることにした。


この階段がね、風は強いし揺れるしでものすごく怖いの。

そしてのぼった頂上はさらに怖い。
なんか脆そうだしカメラ落っことしそう。

そんなところから決死の覚悟で撮った映像がこちらです。





おおー!

なんかそれっぽい。
今調べたけど、これは木らしいです。




写真じゃ見えにくいけど、この中央あたりにある横に流れている線が道路でぶった切れているのね。

これ、トカゲなんだって。
尻尾が道路でぶった切れてんの。

・・・あの、狙ってやりました? これ。



このにょろにょろみたいなやつがトカゲの足。
肉眼ではわりとよく見える。



これは手を万歳しているみたいなやつ。



南側はなんにもないね。



自転車側にもなにか見えるけど、よくわからない。


有名な鳥の絵や猿の絵はもっと奥にあるので、セスナに乗らないと見えないとのこと。


それにしても、この辺は風がものすごく強くて砂煙も強烈そうなのに、よくここまではっきりと線が残っているものだ。
普通砂がかぶったり削れたりして消えてしまうと思うのだが。
スタッフが定期的に掃いたりしているのだろうか。

過去よりも現代の神秘に思考がいってしまうのであった。



さて、もうすぐ日が暮れる。

この先20~30kmでナスカの町に着くけど、その間には全然なんにもない無人地帯らしい。
この辺は保護されているのでキャンプも許されないと、お土産売りのおばちゃん。

さっきの村に戻ってもいいけど、ちょっと試しにここでキャンプできないか聞いてみた。



「ダメだ」と言われる。
潔く一言、「No」。


ダメ? なんで? ほらそこの駐車場だよ。トイレの横の。敷地内に入らないよ。この先なんにもないんでしょ? じゃあキャンプできるとこってここしかないじゃない


ぐいぐい押してみると、観測塔のチケット売りをしている小柄な管理人に
「絶対に柵の外に出るなよ!」
と釘を打たれ、そして特別に許可をもらうことに成功した。

本当はあまり喜ばしくない行為みたいなので、皆さん気を付けてください。


暗くなりかけている中、そこでお土産販売している人たちの片づけをなぜか手伝う。
そのうちの一人がライト代わりにスマホを貸してくれ、天体観測アプリをつけてくれた。



スマホをぐるりぐるり回して南十字星や金星、木星などを見上げながら、彼らのためにライティングやグラスを箱にしまう作業を続けていると、チケット売りの管理人が帰り際に「小屋のなかに泊まってもいい」とスペースを提供してくれた。

夜には警察が常時警備しているから安全だよ、と愉快そうに教えてくれたおじさん。


    ↑こんな風に寝床を作った
  
扉はないが、中はとても暖かい。
テントもいらないくらい。

ここ一帯は強風が吹いていて寒く、テントだとかなり大変な目にあっていたことだろう。


暗くて地上絵は見えない。

ただ、砂漠のなか街灯ひとつないここの空は、星や月や天の川で満たされ、ほんのり不思議な明るさが広がっていたのだった。


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ナスカの手前の町の休日、Palpa


歯を磨いて顔を洗ってから、借りた部屋を掃除しておく。
ベッドを直して。
一昨日泊めてもらったホルヘさんからもらったクッキーを朝食にした。

自転車に荷物をつみこむ。

借りた部屋を離れ外に出ると、それに気づいた見張りの犬たちはわんわん吠える。
昨日よりトゲのない吠え方になっていた。

ちょうど、ハンターっぽい風体の管理人のおじさんが出てきてくれたので、お礼を言ってこの場を去った。


大きくて清潔なベッドを貸してもらったおかげで、疲れはかなりとれている。
でもそろそろ一人でゆっくりして、のんびり寝たい。
早く町に着かないかな。



サンタクルスという小さな村で腹ごしらえ。
エナジードリンクを買って飲み、看板に従い左折。



太陽がまぶしい。

今日はやけにのどが渇くし、トイレにも行きたくなってきた。
ちょっと急ごう。


道はこのさき山を越えていく形をとっており、下り坂から村があるのを見下ろせる。
一気にすべり降りた。




道を歩いていたおばさんに質問を投げかけてみる。

「ここがPalpa(パルパ)の町ですか?」

パルパという町がこの先近くにあるということを、看板や人々の情報からわかっていた。
今日はそこで休もうと思っていたのだ。

「いいや、ここはリオグランデだよ。でもほれ、村の先の坂をのぼればすぐに着くから」

お礼に、食べきれていないホルヘさんのみかんをどうぞ。
笑顔で受け取ってくれた。


村の商店でトイレを借り、飲み物やアイスを買って少し休憩。
この村はのどかで明るく安全で、なにもないがゆっくりできそうな雰囲気だった。

けっこう気に入っていたのだが、とにかくここのところご無沙汰だったネットを繋げたい。
その一心で先へと進む。
もしいまだにパソコンが壊れていたならば、即決でここに泊まったことだろう。


きっつい坂をのぼり、途中休憩しながらオカリナを吹いたりしつつ、ようやくパルパの町までやってきた。


ホテルを探す。

なかなか見つからない。

ホテル自体はたくさんあるのだが、なぜか非常に高い。
40ソル(1400円)は当たり前。
どこもそんな感じなので、とあるホテルのオーナーにひとつ聞いてみた。


「この辺って観光客がよく来るの? どこもホテルがとても高いけど」

「いやいや、全然来ないよ。来ないから高くしないといけないんだよ。人が入れば安くできるんだけどね」


どこも同じような値段だったので、そう答えてくれたホテルに一泊することに決めた。
ここまで高いとあまり泊まりたくはないが、だいぶ疲労が蓄積しているし、そろそろお休みがほしかった。


さすが高いだけあり、ネットは快適だし、部屋には小型の冷蔵庫までついている。
シャワーは固定ではなく、日本みたいに可動式になっていた。
これらはペルーの安宿ではまあ見ない。

さすが高いだけある。
贅沢だ。


今回は観光はほとんどしない。
久しぶりの暖かいシャワーを目いっぱい浴びる。

大きな窓、ふかふかのベッド。
狭くとも豪華な部屋でゆっくり過ごした。




それが、間違いだったんだ。



じつは、
これから向かう町、ナスカ。


そこで有名なナスカの地上絵は、

すでにここから始まっていることに、

まだ気がついてはいない。


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泊めてもらおうとしたら、猟銃を持ったおじさんが来たって話


早朝にホルヘさんがやってきて、

「昼に戻るから、昼食を食べてから出発しなさい」

というようなことを言っていたように思う。
半分眠っていたので確証は持てない。


ホルヘさんにさよならを言うためにも待っていたのだが、昼まで待っても帰ってこなかった。

これ以上待てないので、そのまま発つことになった。
残念だけど、このままじゃもう一泊することになる。

すぐ先にホテルを見つけ、昨日は農家の家に泊まらなくてもよかったことを知る。
迷惑をかけてしまった。
教えてくれたらよかったのにね。この先にホテルがあるよって。



途中、ポツンと建っていた食堂で目玉焼きの昼食。
そこの男の子が物欲しげな目をしていたので、ホルヘさんからもらったオレンジをわけてあげた。

人からもらったものをあげるのはあんまり褒められたことじゃないのかもしれないが、自分のものを分けてあげて喜んでもらえるのは悪い気はしない。



30kmほど走ったところで、向かいから赤いチャリダーがやってきた。
手を振ると、たいそう笑顔でこちらのほうへ向かってきてくれた。



ドイツ人だという彼は英語がペラペラだ。
英会話もそこまで得意ではないが、使う機会があまりないためなおさら言葉が出てこないのがむずがゆい。

ちょっと世間話。
彼の情報によると、この先30km先まで町はないらしい。


あれ?
さっきの食堂では、「あと1時間くらいで次の町へ着くよ」って言われたんだけどな。


しかし、現地の人はちゃんと地理を理解していない人も多い。

もしも読者の皆さんが、突然道ばたで出会った旅行者に、
「4つ先の駅まで自転車でどのくらいですか?」
と聞かれたとします。

正確な距離数や時間を答えるのって難しいでしょう?

つまり、実際に走って見てきた人のほうが正しい可能性が高いのだ。


しかし、人間そう賢くなることは難しいもので・・・・・




また食堂があったので、もう一度情報を仕入れてみる。


家の修繕をしているおじさんたちは、次のPalpa(パルパ)まで25km以上あるしそこまで何もないからここで泊まれば? と言う。

食堂の親子は、あと30分くらいで着くからすぐ近くだ、と言う。


さて、どちらを信じるか。


人数差でも人間性でも話の内容でも、完全におじさんたちのほうが正しいように見える。
しかし、人は都合のいい情報を信じたくなるものだ。

現在もう日暮れ近く。
食堂の人たちはなんだか感じが悪く、ここには泊まりたくない。


しばらくどうするか迷っていると、おじさんたちの一人が「7km先にも同じような食堂があるよ」と発言した。
隣のおじさんが「本当か?」とか言ってるので信憑性に欠けるが、もうそれに賭ける。
そこまで走ろう。


    ↑ドイツ人のサイクリストやおじさんたちの情報が正しかった


その情報は古かったのか嘘だったのか思い違いだったのか、10km以上走っても何もない。

刻々とあたりは暗闇に沈み始める。




あたりがもう見えなくなるという時刻に、一軒の大きな家が建っているのを発見。

小さいプランテーションかなにかだろうか。
犬が3匹吠えながらこちらに向かってくる。
家は明かりがない。


この情報でわかることは、
飼い犬がいるのはつまり、人がいる可能性が高いということ。


入り口付近で立ち、様子見。
犬に吠えられながら、徐々に敷地内に入ってみる。

すると暗い家の入口から男がひとり、外に出てきた。
手には猟銃。
なにか大きな声でこちらに叫んでいるが、そのスペイン語はわからない。
おそらく「それ以上入ると撃つぞ」というようなことを言っているのだろう。

今はかなり切羽詰まっているので、こちとらそれどころではない。
銃口を上げているため、撃つ気はなさそうだ。


「ここでキャンプしたいのだけど」

「だめだ」

「なんで?」

「禁止されているから」

「でもこのへんってきけんでしょ?」

「まあ危険だな」

「ここならあんぜんだよね。テントもってるよ。そこらへんでいい。わたしはキャンプするひつようがあります」

こちらがつたない言葉で話している途中で、どこかに電話をかけ出す狩人風のおじさん。


そして、

「ついてこい」

と中へ入れてくれた。


話をすると、とても優しい猟師風のおじさん。
どうやら以前人を泊めて問題が起きたようで、それからは誰かを敷地内に入れるのが禁止されたらしい。

彼はここの警備と動物の面倒を見ているらしい。
庭に鶏などが飼われていた。


テントを張るつもりが、なんと部屋に案内してくれた。

中米で見たような長屋風のホテルみたいなところへ。
その一室を貸してくれた。

そこがなんとも素晴らしいこと!



まるでホテルのよう。

中も新品同様。
とてもきれいで部屋も広く、クローゼットまで備え付けてある。

水も電気もないということで、電池ランタンと水を大きなバケツに入れて持ってきてくれた。
それから3時間だけ発電機をつけてくれ、電気まで提供してくれる。


なんとありがたい。


申し訳程度に、イカのスーパーで安くかったので買いだめしていた好物のマーブルチョコを手にいっぱい分けてあげた。
これぐらいしかできないのが悲しい。


彼のご厚意のおかげで、この日も寒さに震えることなく夜を明かすことができた。
しかも無料で!



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先は危険らしいので、農家のおたくにお邪魔します。





イカのホテルで働く女性二人と仲良くなった。

自分はこっちではわりとモテるらしい。


ドアや窓の隙間から砂が大風に乗って入ってくる屋上。
部屋は小さく、トイレも別で冷水しか出ない。
昼は暑く夜は寒く、wi-fiは室内にギリギリ届くか届かないか。

そんなところだったが、ここをとても気に入ったのだった。
4階建て屋上からの景色はよく、遠くの砂山まで見通せる。
オカリナの練習も気持ちよくできた。

ネットの回線がもっと良ければ、生放送でその景観を披露できたのに。
残念で仕方がない。


そんなホテルともお別れだ。

昨日パンクを修理したのでタイヤの調子もまずまず。
すぐそこのガソリンスタンドで空気を満タンにしてから出発しよう。


従業員の女性に手を振り、自転車を外に出す。

都会は道も悪く人も車も多くて走りにくい。
早く外に出たい。

砂漠へと舞い戻った。







フンフンと歌なぞ歌いながらペダルをこぐ。

目の前で一台、バイクが止まり、門を開けて敷地内へと入れている。
そんな男性から呼び止められた。

「おい、どこから来たんだ? 目的地は?」

毎度聞かれる質問に定型文で答える。

「マンダリン(小さいみかん)があるんだが、持ってかないか。途中で食べるといい」

と、庭のほうに案内してくれる物静かな男性。




小さな刺又のような棒で、木の上のみかんを取ってくれたのだった。




っておじさん、これ多すぎ!!



    ↑採るのに夢中になるホルヘさん


さらにオレンジなども追加され、「さすがに重すぎて運べないから一緒に食べて」と提案する。

すると、
「昼飯はまだなのか?」
とお呼ばれを受ける。

昼ご飯を食べていなかったので、素直にありがたくいただいた。


    ↑クリーミーなスープをもらった。おいしかった


「この先はすごく危ないから気をつけろよ。泥棒や強盗が多いから」

現在は知っているパンアメリカンハイウェイで危険なのはペルー北部だけかと思っていたが、
それ以外の場所も危険なことには変わりがないらしい。

もうそろそろ日もくれる。
危ないかもしれない。
少し怖くなってきた。

この先村があるかもわからないし、ここに泊めさせてもらえないだろうか。


聞いてみると、あっさり了承。
テントを張る許可をもらった。


家の裏には広大な畑が広がっていた。
それはそれは見事な畑だった。



     奥まで伸びる均整のとれたパターン。

     次の日にはこうなります↓




    ↑よくみるとアスパラガスがひょこひょこ顔を出している


ホルヘさんと畑を見て歩いたり椅子に座って休んだりちょっと買い物に行ったりしながら、しばらく話をする。

 

彼は働きすぎで、常時ひざ下に痛みがあるらしい。
病院に行っているが、一向に治らないのだそうだ。

関節がすり減っているのだろうか。
自分に医療の知識があれば、なにか助けになるかもしれないのに。

座って休んでいるホルヘさんは膝をさすり、痛み止めにビックスベポラップを塗っていた。


※正式名称はヴィックスヴェポラップらしい。風邪をひいたときに鼻の下や喉、胸に塗ると咳や鼻水が静まる。塗るとスースーする。

ああ、せめてアンメルツヨコヨコ的な筋肉痛・関節痛の塗り薬を持ってたら少しは手助けになったかもしれないのに。
今は虫刺されの薬しかないのだ。


※アンメルツヨコヨコ。炎症を緩和させる薬で、ちょっと変わった形の容器が特徴。塗るとスースーする。



夜。
「外で寝るのは寒すぎるから小屋とベッドを貸してあげるよ。俺は別の部屋で寝るから」
とベッドを譲ってくれた。

寝るまで一緒にテレビを見る。
リマで撮った有名人の写真を見せてみると、子どもたちがすごい反応してくれた。

イカのホテルでもそうだったけど、やっぱりみんな知ってる話題があると盛り上がる。
これだけでも、リマに戻って写真を撮ってきてよかったと思った。

     
    ↑ホルヘさんの娘。親戚の子たちや雇い主の女将さんもこの小屋によく出入りしていて賑やかだった


この日は寒さに凍えることなく眠ることができた。


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オアシスといえばココ! ...らしいんだけど Huacachina




イカの町に入り、ちょっと休憩。
ゆっくりと町を歩いたり、カフェでコーヒーを飲んでみたり。

直射日光と気温差で低下した体力を回復させる。



    ↑町の中心広場


    ↑ここだけ黄色い建物で統一されている


    ↑カテドラル。とても大きい外見をしてるけど、中はそんなだった


    ↑イカのアクティビティはこんな感じらしい。砂!砂!遺跡!! 時々水中


安い食堂だと6ソル(210円)と食事代も比較的安くすませることができた。
ただ、ここは偽コインが多かった。


イカは見ての通り、砂漠に囲まれた砂の町。



    ↑ホテルから撮った写真↓




この町の隣に、「まるで映画やゲームに登場するようなオアシスの村がある」という情報を、リマでバックパッカーたちから何度となく聞かされていた。

オアシスらしいオアシス、かぁ。
ちょっと気になる。

せっかくここに滞在しているのだし、見に行ってみましょう。
 


    ↑自転車でそれらしい道を進む


オアシスの村、Huacachina(ウワカチナ / ワカチナ)まで3㎞程度。

地図を見て10㎞近くあると思っていたのだが、あっという間についてしまった。
予定より早く着くと、いつだって嬉しいものだ。


さて、オアシスだなんて、いったいどんなところだろうか。


    ↑イメージ図


    ↓現実



ここか?
木で見えないけど。

なかに入ってみよう。



あれ?
意外と普通な感じ?

いや、水辺に行ったらすごいんだろう。
ワクワク。



・・・・・

あー。

なるほどね。

うん。


たしかにオアシスだけど。




なんかちがうんだよなー。




頑張ってそれっぽく撮ろうとしてみたけど、なんか違う。
いや、これはこれでとてもいいところだとは思うんですよ。
でも、イメージとどうも違う。

どこが違うかというと、



言葉にはうまく表せられないんだけど。



    ↑下の涼んでいるおっさんが避暑地っぽさを醸し出している




砂丘のうえから見下ろせばきっといい感じの光景なんだろうけど、間近から見たらなんか普通の水たまりだ。


まわりには観光をしにきたアメリカ人やヨーロッパ人がたくさん。



こんなオシャレなレストランまであるが、村の規模はとっても小さい。
こじんまり。
雰囲気はとてもよかった。




「ここはとても安いね」
と日本語で話しかけてきた男性。

”安い”と”暑い”を間違えたようだ。

「バギーで丘の上に行って夕日を見るプチツアーはどうだい?」
とレゲエ感満載の男性。

どんどん値下げしてくれたが、自転車があるし、夜までここにはいられない。
しばらく話をしたのち、申し訳なく断った。

申し訳ないというか、もったいないのほうが正しいかもしれない。

値段を下げてくれていたし、なにより町と砂漠を見下ろしながら沈む夕日を見るのが少しおもしろそうだと思ったからだ。



素晴らしい砂漠を眺めながら帰還。



村を見下ろせるところに坂の上に、絵になる十字架が立っていた。






いいでしょ?
暑そうでしょ?


そう、暑いです。


夜は寒いんだけどね。
今は冬だから。



イカへの帰り道にあったディスコの上に日本の国旗が。



なぜなんだ。


青い星のはイスラエルだよね?
なんか最近妙に身の回りにイスラエルの名前が現れるんだけど。
リツイートとかペルーの芸能人とかアメリカのMicrosoftのインタビュー動画とか。

なぜなんだ。


最近どんどん海外進出しているのかな。
内紛とか大変そうだけど、すごいね。

それとも戦争が嫌で外に出ていっているのかも。


そういえば昔本で、イスラエルの若い人たちは兵役を終えた後に南米やアジアに旅行に行くと書かれていた。
卒業旅行みたいなものだろうか。
町の最安宿に行くと大抵イスラエル人の集団がいて、深夜まで騒いでいるなどマナーが悪いので有名だって言っていた気がする。

その流れで海外に仕事を持つ人が増えているのかもしれない。


・・・あれ?
もしかしたら本の話はイスラエルと違ったかもしれない。
たしか中東のどっかだと思ったけど・・・・・

今は確かめようがなく、記憶があいまいなのであまりあてにしないでください。



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もうそれほど距離がないから急いでIcaに行かんとするところ


さあ、今日はいつもより長く走らなくてはならない。
できれば今日中にIca(イカ)の町まで行きたいのだ。

「長く』とは言っても、そこまでたかだか60㎞弱。
ほかのチャリダーなら毎日平気で走っている距離だろう。

大丈夫、行ける行ける。


※Ica
ペルーの海沿いの中部にある、砂漠のなかの観光街。ここは晴れが多くカラッとした気候なので、喘息の症状が出にくい、とwikipediaに書いてあった。砂が強風でバンバン飛んでくるけど、本当に大丈夫なのか? 名物は砂を使ったアトラクションと、ここのすぐ隣にあるオアシスの村、Huacachina(ウアカチナ / ワカチナ)。



旅行者には不評らしい砂漠地帯。
なぜなら、いつまでたっても景色が変わらず、つまらないかららしい。

でも自分は結構好き。
砂丘の形や遠くに見える砂を被った山を眺めるのは、今のところ楽しめている。






白い砂漠のなかに、一部緑の畑が現れたりすると、自然の豊かさや大地の力強さを感じられる。















枯れ草が広がり、荒野のような様相になっているのもカッコいい。



そんな砂漠で、こんな光景が見えたので驚いた。



地面に転がる、赤い宝玉。

太陽の光を照り返す赤い色は、白い世界でひときわ目立つ。



トマトなのか玉ねぎなのかわからなかったが、おもいろい光景だった。



使われていないガソリンスタンド風の建物の向かいで休憩。
オカリナを練習していると、近くに住んでいるというおじさんがオレンジの入ったビニール袋を持ってきてくれた。

この前ももらったが、このあたりはオレンジがよく取れるのだろうか。

最初、強盗かなにかだったらどうしようかと思ったが、優しい人でよかった。



昼過ぎに料金所に到着。

そう、忘れてはいけない。
ここはハイウェイなのだ。

ペルーでも自転車は無料で通れるので素通りする。

料金所の何がいいって、まずは次の町までの看板がある確率が高いこと。
人に聞くよりも信用性が高い情報が手に入るので、その日の走行予定が立てやすい。

そしてなにより、料金所付近には小さな商店やスタンド、食堂がある可能性があること。
道中で手軽に水を買い足したり腹を満たすのに適している。

問題は料金が町より高いことか。


そんな食堂で料理を注文。
昼食セットは8ソル(280円)だが、一品なら6ソル(210円)でいいと言ってくれた。
ちなみに、町の食堂ではスープもついて6ソルほどで食べられる。

これがね、とてもおいしかった。
さすが高いだけある。

  


薄味のソースはすりおろしたリンゴかなにかが入っているのか、フルーティなさわやかさのなかに軽い酸味があり、さっぱりしている。
ベイクドポテトともマッチしている。

店員に名前を聞くと、almendrado de pamita(アルメンドラード・デ・パミータ)と言っていた。
検索してみると、almendrado de pollo(ポジョ、意味:鶏肉)もしくはpollo almendradoでヒット。

almendraはアーモンドのことらしい。
アーモンドが入っているのか。

とてもおいしかったので、オススメです。



さて、55㎞走り、やっとイカに着いた。



賑わう商店街に入るが、まだイカではなくその手前の町らしい。

さっきの看板は”県”の話だったのかな。
イカ県に入りましたよ~、っていう。


ちょっと気になる小さな教会があったので、自転車を壁に立てかけフラッとのぞき見。


    ↑巨大なステンドグラス



   ↑その上の丸い空間には天井絵

日本にもこんなステンドグラスがある建物が増えたらいいのに。

地震があるから難しいんだろうけど。


そんなことをしていると、
ついに、というべきか、
後部の荷物を引っかけていたところが裂けた。


   ↑カラビナで留めていたところがビリッとね

そろそろ怪しいなーと思っていたんですよね。

応急処置でカラビナを付けたのがパナマシティに入った時。
結構もったほうでしょう。

両方破れて荷物がなくなってしまわなくてよかった。


もう一度、オペのお時間です。

助手、メス。
ハイ。


    ↑腹部を切り開く

で、こう。


    ↑セピア調になったのは演出ではなく、光の関係でたまたまです


直った!


と言っていいのかどうかわからないが、これで頑張ってもらおう。
落とさないようにね。


そんなこんなで、ついにイカに入った。



    ↑空手、忍術、柔術、ジム・・・・・忍術!?


ホテルを探してみるが、どこも高い。
安くて35ソルでwi-fiはなし。
通常料金で40~50ソルだと。

む、無理だ・・・


何件も顔を出し、ようやく中心部に近めのホテルに決まった。
30ソル(1050円)でシャワートイレ別、しかもシャワーは水のみらしいが、まあしょうがない。

その後町を歩いてわかったが、もっと奥に行けばもう少し安くてもっといい部屋で、しかも近くにショッピングモールがあるようなところがあるみたいだ。

しかし住めば都と言ったところか。
結構ここが気に入ってしまった。



    ↑学校かどこかの壁にイラストを描く人たち。ホテル探しの途中で見つけた


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ペルー焼きそば ~ Icaへ向けて砂漠を走る


チンチャの町を出発する前に、載せ忘れた写真を一枚。



こちらはチンチャではポピュラーな料理なんだそうな。
名前は忘れてしまったが、なんか普通な名前だった気がする。
焼き麺みたいな。

見た目通りの焼きそばである。
焼きそばというよりも、新潟のイタリアンに近いかもしれない。
パサパサ感とか、麺自体が薄味なところとかが似ていると思う。


   参考、イタリアン

画像:wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/5b/Italian(2)_(Mikazuki),_Japanese_local_fast_food.jpg より



さて、食中毒は治ったようだが、日にちがそれほど経っていないので、完治したかどうかはわからない。

腹の調子を心配しつつの走行になった。


町を出る途中、犬が一匹ひき殺されて死んでいく様を、すぐそばで目撃してしまった。

体が痙攣しながらフルフルと天を仰ぐ犬。
それから救急車のサイレンにも似た叫びをあげる。
心配して近寄ろうとするほかの犬たち。
しかし犬の飼い主がそれを許さない。

・・・・・うむ、幸先が悪いな。


いや、
きっと魂になったこの犬もこちらに気づいて、楽しそうに並走してくれるはずだ。

ね。
一緒に楽しく走ろうね。






あれ?

それって、
動物霊に憑かれるってこと?


あー、
それはちょっと・・・


まあいいけどさ、
なんかピンチになったときは協力してね?

あと、走行中にほかの犬たちがこちらを追いかけないように威嚇もしくは説得をよろしく。

肩が重くなるとか、そういうのはノーサンキュー。
自分の足で走ってください。



町を抜け出し、ひきつづき進行開始。


    ↑いい感じの風車と畑。ペルーじゃないみたい



    ↑砂漠はつづく。いい天気だから暖かいしカラッとしていていいね。砂が目や荷物に入って来なければもっといいのにね


今日はあまり走れなかったが、無理もしたくないしこの辺でいいか。
ホテルがあったのでそこに泊まることにした。


ハイウェイから外れホテルの奥側の道路を歩いてみると、そこそこの規模の村になっていた。

広場でタープの下に立っているおばさんに、
「この風船を盗みたいんだけど、取ってくれない?」
などと笑顔で言われる。

治安はよくないようだ。


ここの小さなスーパーで、エナジードリンクのVoltが少し安く売っていたのでまとめ買いをする。
まとめ買いと言ってもたかだか2個だけであるが、あまり買いだめはしない自分にとっては衝動買いに等しい。


ホテルは値段が安いわりにいい部屋で、ゆっくり休むことができた。

しかしここで大変なことに気がつく。


あれ?

ない。

カナダで買ってからずっと愛用していたレーサーパンツがない!


通りで自転車に乗ってる感じがいつもと違うわけだ。

それにしてもおかしい。
今日、宿を出る前にしっかりと忘れ物がないか室内をチェックしたのに。

どこか見逃していたのか。




・・・まあいっか。
あれも結構古くなっててクッション性も少なくなってきてたし。

そのうちまた新しいのを買おう。

いやー最近はなんか集中力にかけているな。
年かな。


※レーサーパンツ
またはレーシングパンツ。自転車用の短めのスパッツのこと。股と尻部分にクッションがついている。著者はこの記事を書くまでこの名称を知らず、たんにスパッツと呼んでいた。




翌日、
村のちょっと先にピスコという大きな町があることが判明。


えー!
ここで泊まればよかった!!


寄って行こうかすごく迷った。

迷ったけど、
きっと大したものはないのに無駄に物価が高いんだろうな
と思ったので見て見ぬふりをすることにした。



    ↑とりあえず次に目指しているIca(イカ)まで60㎞。近いといえば近いのだが、すでに昼なので今日中に着くのは厳しい


しばらく走ると、Paracas(パラカス)という観光地へと続く分かれ道についた。


人に話を聞くと、

「ここを右に曲がって10㎞くらい行くと着くよ。え、いや、すごく小さいとこだけど海があるしおいしい海鮮料理とかかわいい女とかいっぱいあるぜ。25ソルでホットシャワーがついてる安いホテル知ってっけど行くかい?」

とのこと。


10㎞、か。

そこまで遠くはないけど、明日のことを考えるとなぁ。
ここからイカまで約60㎞。
パラカスに泊まるとなると、明日70㎞走らなくてはいけない。
そうなると、朝早く起きないといけなくなるわけで。

しかし、この先にはおそらく町がない。
googleマップを見た限りでは、イカまで延々と砂漠の道がつづくのだ。
休憩地点はないと考えたほうがいい。

となると、ここでホテルを見つけて今日は泊まったほうがいいだろう。


ハイウェイの交通整理をしていた警察に尋ね、安いホテルを紹介してもらう。
が、イマイチ。

部屋は広いがあまり設備もなく、これで30ソル(1050円)は高いかな。
いいとは言い難い。


ほかにないか探すと、あと一つだけホテルがあった。

料金を聞くと、トイレシャワー(冷水)室が別の部屋で35ソル(1225円)、一緒だと50ソル(1750円)なんだそうな。
しかしwi-fiがついてるらしい。

恐ろしく値は張るが、一応部屋を見せてもらう。
すると、
「この部屋はすごく狭いから30ソルでもいいよ」
と別の部屋を紹介してくれた。

それならまあいいか。
wi-fiを使うのに2ソルかかるのだが、その分回線の調子はこの辺では珍しくすこぶるよかった。

悪ガキがいて少し厄介だったが、いいところを見つけたと思う。


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