※今回はいい風景がいっぱいあって写真が多いため、長いです。
チェックアウト時間は10:30。
この日起きたのは10:28。
明らかに寝坊している。
急いで仕度。
ホテルを脱出。
ああ、朝食を食べ損ねてしまった。
5ボリビアーノ(80円)無駄にした。
遅起きの自分には朝食制度なんて合わないとわかってはいたが、ボリビアのホテルで出る朝食はどんなものか興味があったのだ。
その好奇心につい負けてしまった。
今後できるだけ朝食は頼まないようにしようと心に決める。
さらに、急いでいたためにスペアのタイヤを置き忘れてしまったようだ。
アレキパでもらった品質のいいやつだったのだが、ちょっと邪魔にもなっていたので、これはまあいいか。
↑湖のあいだを走ることになる
本道に出て少し進むと警察が見張りをしていた。
ロープを張って車を一台一台止め、小さな派出所内でなにか確認をしているようである。
外で立っていた方に話しかけられ、しばらく世間話をした。
どうやら首都のラパスでは偽物の警察がいるそうで、彼らにものを盗まれないよう注意を受ける。
どれくらいの時間はなしをしただろう。
30分か1時間か。
適当なところで別れた。
その先はずっと上り坂。
まさかこんな湖に囲まれたところでここまで登らされるとは思わなかった。
登ったぶんだけ、視界も広がってゆく。
休憩をはさみながら。
いくつもの乗り合いバンや観光バスが通りすぎるなか、必死になって自転車を押して歩いた。
朝食を食べ損ねたおかげで今日はなにも口にしていない。
昨日買っておいたスニッカーズを食べて少しだけ力をつける。
↑あんな高いところで放牧している。なんだかカッコいいなぁ
↑上の地図でみるとそんなに広くないのに、実際はこんなところ↓↓
↑湖が2色にわかれている。明るいところは何だろう。日は全体的に当たってるし、浅瀬があんなに広いわけないし……
道路はところどころ穴が空いていて、そこに石を敷き詰めて修繕してある。
それ以外は、道としてとてもきれいなものだった。
貧困国だと聞いていたが、道路整備はきちんとやっているようだ。
これは自転車乗りにとって大変助かる。
湖に囲まれているだけあり、景色もきれい。
高いところまで登ると、遠くに雪山の山脈が見えた。
とくに見晴らし場での景色は素晴らしかったので見ていただきたい。
↑mirador de chissi(ミラドール・デ・チッシー)というところ
↑この左にのびる未舗装道だけど、
↑あんな高いところまである!
休憩所のような見晴らし場がいくつか丘のうえに点在しているが、さすがに自転車とこの荷物、さらに高度3800mであそこまで行くのはキツイ。
1つ目のところで妥協しよう。
坂をのぼり、そのてっぺん部分が徐々に近づいていく。
それにともない、視界に入る青空がちょっとずつ広がってきて、そしてある瞬間突然見えたのが、
この雪山!
この雪山と湖がバッと目の前にあらわれたときは、瞬間疲れをわすれ鳥肌が立ってしまった。
ちなみに振り向くと、こう。
↑地図もあったのでこの先のルートをチェックチェック!
そこから3時間ほど歩くと、アップダウンののち平坦な道になった。下りも少しずつ出てくる。
ギアのせいか、ペダルに力を入れるとリズミカルにカコンカコンと音を立てて一瞬チェーンが外れるオンボロ自転車。
この自転車で活躍できるのは、平らなところと下り道のみ。
どうやらこれで進むスピードが上がるだろう。
だんだん日が傾き始め、腹が減った。
そして疲れた。
頭がボーっとしてくる。
今日はスニッカーズとプチチョコケーキしか食べていない。
まだ町に着かないのか。
すると……
目的地ではないが、崖の下に村が見えた。
あそこで今日は休んでしまおうか。
しかし激坂が村まで伸びているのも垣間見える。
あそこまで行ってしまったら、戻るのがものすごく大変なのは目に見えて明らか。
どうするべきか。
道の整備をしている人たちに話を聞くと、あそこに食堂はないらしい。
「あと15km少々だから先に進んだほうがいいのではないか」
そのアドバイスに従って Tito Yupanqui(ティト・ジュパンキ)という名のその村はスルー。
先へ急ごう。
↑奥のほうがなんだかちょっと絵画のような色味だったので撮影
その先、下り坂を快調に飛ばしている途中、遠足だろうか学生と先生の群れが休んでいて横切るときに歓声が上がったり、民族衣装を着たおばちゃんに金をくれとたかられたりしながら先へ。
↑先ほどの湖の反対側
↑ほかの展望場所がいくつかあるが、疲れて見に行く元気がない
↑疲れすぎて、キューピーCMの"たらこの歌"の替え歌をてきとうに歌いながら走行中
空腹と疲労でフラフラしてきたころ、ようやく次の町 Tiquina(ティキナ)に着いた。
↑川をはさんでこっち側がサン・ペドロ・デ・ティキーナ、向こう側がサン・パブロ・デ・ティキーナ
ここは右と左のチチカカ湖がつながっている川のようなところで、そこを通るための渡し船が走っている。
ペルーのユングーヨで聞いた話では、天気が悪いと渦が巻き始めて危険なので運休するらしい。
それを知ってしまうと、ちょっと怖い。
↑船乗り場
↑かわいらしいデザインのイラスト
とりあえずもう遅いし、体もギシギシだ。
いちおう宿があるようなのでここで休もう。
この Alojamiento(アロハミエント)というのは、ベッドしかない簡素な部屋を貸し出している宿らしい。
さっそくボリビアの新ワードだ。
こういった国や地域をまたいでの方言にはいつも悩まされる。
ベッドしかなくて30ボリビアーノ(480円)はちょっと高い気もするが、この際しょうがない。
アロハミエントはトイレというものがなく、公共のトイレを使うのだそうだ。
「夜は閉まっているので、おしっこはこのプラスチックのばけつにして」
と言い渡される。
なるほど、そういうシステムの国もあるのだな。
これを見ると、コパカバーナは小さい町だったが、やっぱりとても発展したところだったのかもしれない。