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1日めいっぱい走るということは Vila vila




いいベッドでゆっくり休めるというのは罪なもので、この日も11時すぎに起きてしまった。
完全に寝坊だ。

正直に白状すると、本当は朝6時ごろに目が覚めたのだが、2度寝してしまったのだ。


昨日洗った洗濯物が全然乾いていないので自転車にしばりつけ、鍵を置いてホテルを出た。

町の食堂で朝食、もしくは昼食をすませて、今日も荒野へ。





おそらくここから国境までの距離は600kmほどだろう。
滞在できる日数は残り10日。

つまり、1日60km走れば間に合う計算になる。

ただし、それだと毎日走りっぱなしで休みの日がなくなり、さらにゆっくり観光はできなくなる。

だから、できれば1日70kmは走っておきたいところだ。



とにかく自転車をこぎつづけ、すこしでも前へ。

いつもなら降りて歩く坂も、今日は立ちこぎで頑張る。
無理な力をいれているせいでギアが定期的に大きな音をたてて外れるが、そんなの気にしない。

急がなくては。



まわりの写真を撮っている余裕もなく、村を見てまわる時間もない。

カメラには、次の村までの距離が書かれている看板と、距離の書かれた距離標のみの写真がおさめられた。
走った時速を計算するためである。


    ↑Estaban Arce「エスタバンアルセ」というのもカッコいい名前の村だなぁ
 


    ↑けっこう大きな村もあるがスルーしなければいけないのが寂しい



    ↑ボリビアには歩道橋がたくさんあるのだが、これは崩れたのだろうか。柱が倒れていた



Konani コナニというゲーム会社のような名前の町に入った。
町といっても数ブロックしかないところなのだが、泊まるところやレストランがいくつか見られる。

もし時間があれば、この日はここで泊ることだろう。

しかし今日は違う。
まだ50km少々しか走っていないのだ。
時刻もまだ3時半。
もっと進まなくてはならない。

簡単な食事をして先へすすんだ。



これは道中で見つけた川のあとだが、白いのは塩だろうか。



もしそうならウユニ塩湖も近いのだなと感じさせられる。

しかしなぜ塩が出るのだろう?
不思議だ。



そろそろ体力が尽きてきて、のぼりの坂がきつい。
脚と肩が痛み出した。
スピードが一気に落ちる。

「つぎの村まであと10km」
と書かれた看板を見るたびに

今日はそこで終わろう!

と思うのだが、そこに着いてしまうともうちょっと行けそうな気がして通り過ぎる、
を数回繰り返す。



あたりはすでに暗くなってきた。
幸運にも途中からくだり坂も増えて体力はすこし回復したが、そろそろ限界みたいだ。


今日はここ



Vila Vila ビラビラという変な名前の村で休むことにする。


あと2時間早く出ていれば、もっと大きな Caracollo カラコジョという町に着くことができたのに。
悔しい気持ちでいっぱいだったが、今考えていてもしょうがない。


料金所(ここは一応ハイウェイなのだ)にくっついたその村はとても小さく、食堂なんてものはない。

犬がたくさん走っていて、"喧嘩による叫び"と"仲裁による吠え"を繰り返していた。


店は2つあるが、置いてある商品は少なかった。

どちらも行ってみたが、片方は人の話を聞かない人で、もう片方は耳が聞こえなくて話が通じなかったので何も買わずに出ていった。



そういえばボリビアに入ってから、また言葉が聞き取れなくなった。

かなりの訛りがあり、単語と単語を繋げてササっとしゃべってしまうので、全然聞き取れないのだ。
さらに聞きなれない言葉も使うので、全然わからない。

せっかくペルーの早口もなんとかなってきたところなのに、これでまたふりだしに戻った。

チリは聞き取りやすい発音であることを願うばかりだ。





村の奥にある少年たちがサッカーをしている広場か、それとも村の広場か、どっちで寝ようか考える。
サッカーを見ている兄弟に、ここではヘビなどは出ないし安全だと言われた。

コンクリートよりも土のほうがやわらかく寝心地はいい。
ただ、広場には屋根と柵がついているところがあり、そこならば夜露にも犬にも守られることだろう。

広場にテントを張ることにした。



今日たくさん走ってとても疲れた。
それでわかったことは、ただただ走るだけというのはつまらないということだ。

ゆっくり色々な村や町を見て、その大地を堪能して、そうやって進んでいきたい。
そうでなければ、なんだか意味がないような気がする。
やっぱり自分にはのんびりと旅行するのがいいのだということを再確認した。



テントの入口はずいぶん前から壊れていて閉まらなく、そこから入ってくる空気が冷たい。
できるだけ暖まるように縮こまって寝袋にもぐりこんだ。


テントの中で本を何冊か読みながら、日本に帰ったらどうやってまた資金を稼ぐかという議題がなんとなく頭をよぎり、疲れた頭脳が自動的に構想を練り出して読書の邪魔をしてくる。

合計150ページか200ページほど読んだところで0時を過ぎていることに気づき寝ようとした。

だけど、なんだか眠れなかった。


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