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Cuenca滞在記その2「Cajasとのたたかい」 12、エクアドル 2015年11月30日 ◎自然公園との対峙 クエンカから太平洋へ出ていく途中の道、アンデス山中にはParque Nacional El Cajas カハスという国立自然公園がある。 もともとペルーへ行くときに立ちよるつもりだったのだが、時間があいたので今のうちに行っておいて今後のルートを少し変えよう。 そうと決まったらまずは下調べ。 インフォメーションセンターで情報を聞いてみると、バスは片道$2で30km先だという。 高!! バス代他より高くね!?気のせい? 30kmか。 山の上にある公園なので、30kmずっとのぼり坂だとすると自転車ではいけなくもないがかなりキツいはずだ。 最近は雨も増えてきているし、屋根のないところであまり時間をかけたくはないというのが本心だ。 よし、バスで行こう。 地図をもらったのでバス停の場所もわかった。 天気予報では明日とあさっては晴れとなっている。 よっしゃ、さっそく明日出発だ! となったその日の夜、食中毒のような症状に見舞われ、嘔吐と下痢の連鎖。 翌日も腹が治らず、トイレになんども駆けこむ始末。 マイ・トイレットペーパー買ったからね。 ホテルに備えついているにもかかわらず。 使いすぎて。 今までこのブログを見てくれた読者がいれば、ちょっと最近からだ壊しすぎだと気づくはず。 もうホント、体調不良とかさ、もういいってば! って 怒鳴り込みにいきたいんだけど、これって誰に怒鳴ればいいわけ? …え?自分に? みんなちょっと待って。 みんなの言いたいことはわかる。 自己管理がどうのとか自分の体調くらいこうのとか言うんでしょ。 もう耳にタコ。 だってねだってね、聞いて聞いて。 ここは山の上、クエンカ。 昼は20℃をこす暑さなのに夜はこごえるほど寒い。 しかもこのホテルは壁が隙間だらけで毛布も少なくなおさら寒い。(※後日追加の毛布をもってきてくれた) それで一度だけかるい鼻風邪を引いて、そのせいで少し高山病になったりしたわけですよ。 呼吸がしにくくなって。 でね、体の節々はビリビリ痛いし頭痛はするしで、 これはマズいと、 これはご自愛くださいと、 ちゃんと体調管理につとめてこの高山病を自力で治したんですよ! すごくないですか? 山を降りないと治らないと言われる高山病を! まあ高山病じゃなくて硬いベッドのせいで体中が痛かった可能性もなくはないんですけどね。そして頭痛は寝不足か風邪という説もなきにしもあらず。 わざわざ隣の広場を渡り歩いていた行商人からコカ茶のティーバックまで買って。(この時はまだ飲んでない) そんな苦労と達成。 そして数日後にこれ。食中毒。 こんなに体に気を使ってこれって、もう手の施しようがないよね。 もうどうしたらいいの。 ってかどうしてくれるの。 ホントにもう、しょうのないやつだ。 前にもらっていた腹の薬と生理食塩水のはたらきによりこの症状は1日で回復。 次の日は様子を見て、その翌日にカハス国立公園へと出発することになったのだった。 ◎自然公園の蹂躙 朝早く起きて身支度をする。 すぐに出発。 時間がない。 なんとか迷うことなくバスターミナルへついた時刻は8:27。 バス発車まであと3分しかない。 ほうぼうにバスのありかを聞き回ると、黒人のひょろっとしたおじさんが案内してくれる。 まず10セント払ってバス停内へ入らなくてはいけないそうだ。 コインを出すのに手間取っているとおじさんがかわりに払ってくれる。 ものすごくあせっているおじさん。 それにつられてあせるふりをする自分。内心別のバスでもいいかなとか思ってる。 おじさんはわざわざ10セントかかる中側まで入ってきてくれてバスを教えてくれた。 親切だ。 もう数十秒で出発するバスのなかへ。 すべりこみセーフ。 バスは赤い瓦とレンガの町を抜け、山を登っていく。 景色はかなりきれいだったが、やはりこの道を自転車で行くのは大変だろう。 険しいのぼりと途中の悪路。 一人サイクリストががんばっていたのが窓から見えたが、明らかに辛そうだった。 1時間強でカハス公園の拠点へ到着。 ↑小屋がありちょっした施設がそなえついている 時間がなく急いで来たために腹が減っていたので、そこにあるレストランで薪ストーブをのんびり眺めながらスープを注文する。 予想通り値段が高いが、ここはケチるところではない。 命にかかわるかもしれないのだ。 わからんけど。 ↑他の観光客が火をおおきくしてくれる ↑ちょっとしたお土産も置いていた トイレを借りたあとに事務室へ。 パソコンに個人情報を打ち込んだあと、レンジャーに今日は何時間歩くのか聞かれた。 このあたりは別のコースに分かれており、それぞれ時間の目安を教えてもらうことができる。 ↑今いるのは黄色いAのとこ 一番短いのは4時間のコース1。 もっと手軽なのは、すぐそこの湖をまわるだけのコース。 コース番号すらつけられていない。 1と2と4で迷ったが、2の道は今日は天気が悪くてダメだとレンジャーが言う。 なら短い距離の1でいいや。 雨に長時間濡れたくないもんね。 パンフレットの地図はないらしく、レンジャーのざっとした手振りのみのアバウト案内をうけてハイキングスタート。 大丈夫かな。迷いそうなんだけど。 最初の湖を半周して自然のなかへと入ってゆく。 ↑最初の湖 ↑ここはまだちゃんと道がある このグラデーションになっているさわさわとした草、見た目とは裏腹にかなり硬くて先が尖っているので突っ込むとかなり痛い。 ↑立派にそびえる松っぽい木 ↑ここから自然のなかへ放り出される と、いきなり森に突入。 しかも道がわかりにくい。 ↑迷いの森とか魔女の森とか呼ばれてそう 道を見失い、迷ったあげく大岩のクラックのある地点で行き止まり。 慎重にかつデタラメに道を探して正規ルートにもどり、そこから高台へ出た。 ここでフランス人夫婦と合流。 ここから抜きつ抜かれつしつつ彼らと一緒にいく形となった。 ↑高台からのながめ 湖がたくさん見える ↑ほかに若者カップルもいた ルートがわからず下は泥だらけ。 思ったよりも険しい。 しかも今はいている靴は使いすぎて底がつんつるてんなので、もうすべるわすべるわ。 岩の上、泥の草地、急斜面、あますところなくすべる。 自分がお笑い芸人でなくてよかったと心のなかで自身を励ますが、すべった時のその見事な尻もちのつきようは、相手のボケをより引き立たせるほどの切れと思い切りがあったはずだ。 すってーんとマンガのように転んでたからね。 みなさん山行のさいは登山靴と軍手を忘れずに。 ここは標高4000m近くあり寒い。 チンボラソ登山ほど用意してはいなかったがそれなりに準備してきてよかった。 高山病の兆候はなく。頭はスッキリ体は軽い。 ↑高山病にならんようゆっくり歩けよ、と書かれている 耳をすますと、あたりではかん高く鋭い、聞き覚えのない鳥の泣き声が聞こえ、それが大自然のなかを感じさせてくれる。 そして静寂。 泥と川の中を、木の根をくぐり抜けて進み、小さな橋をこえて見えるいくつもの川と湖。 ちょうどこのとき晴れ間が見えてた太陽が顔を出し、世界は美しく輝いた。 今日来ておいてよかった。 その先ラスト1/4は雨がぱらつきだしたのだが本降りにはならず、山を登って無事ロッジに戻ることができたのだった。 ↑キャンプした跡がある ↑こんな高いところまで登らされる。ほかの団体客と出会ったがそれを差しおいて先へ進む自分。雨が降りそうなんだもの かかった時間は、のんびり歩き休憩をちょくちょくはさんで3時間半。 速い人ならもっとかからずにいけるだろう。 バス停でバスを待ち、中で上映されていた映画を見ながら帰った。 この日はバス酔いをまったくしなかった。 奇跡としか言いようがない。 そういえば入園税の$2は取られなかったな。 話によるとハイキングの出発時に払わされるはずだったんだけど、レンジャーからはだれも要求されていなかった。 後日ほかの人に聞いたときも取られなかったという。 ここの管理も大変だろうし$2なら協力してもよかったんだけど。 まあいいか。 考えてみると「自然を管理する」っていうのもちょっと変な話ですよね。 だってそれって"不自然”じゃないですか。 おあとがよろしいようで。 クエンカのおはなし一覧 1 はじめに 3 ホテル引っ越し 4 町内探索 5 ギターのチャリダーとバックパッカーとの出会い 6 オーバーステイ情報と国外旅行 [0回]PR http://yumenosukoshiato.ichi-matsu.net/ecuador/cajas%E3%81%A8%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%8B%E3%81%84Cuenca滞在記その2「Cajasとのたたかい」