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山の朽ちた建物と壊れかけたテント ~ Chivayへ向けて




さすがに今日は出て行かないとね。
天気も快晴だし。

宿のおばちゃんたちに「もうここに住んじゃいなよ」って言われたり、
「この先家はないよ」とか、
「強盗が出ることもあるから気を付けて」とか、
そんなことを言われると出ていく気が失せるんだけど、それでも先へと進まなきゃいけない。

それがチャリダーの宿命だから。





・・・ちょっと言い過ぎました。



でも、とにかくそろそろペルーを出て行かないといけない時期なのだ。



前回チェーンが壊れたところも通り過ぎ、ひたすら上り坂を進んでいく。

途中何度か休憩をはさみながら、何ヵ月かぶりのオカリナを取り出して吹いた。
ものすごく下手になっていて自分でも驚いたが、眼下の自然と奥に見えるユラ村を眺めながら楽器を吹くのはとても気持ちのいいものだった。



    ↑線路がカーブを描いているのが見える



    ↑白い山の谷間に畑が流れる


そこで上のような写真を撮ったのだが、

なんと、
カメラを置き忘れてしまった!



    ↑忘れた場所の目印

カメラ放置地点から1時間30分後の路上で気づき、慌てて来た道を駆け降りる。
誰かに取られていないか心配にかられながら自転車を飛ばして約20分、無事にコンパクトデジタルカメラを回収。

そしてまた1時間30分、通った道を登らなくてはいけない。

そんな状況にメンタルがやられそうになりながら、それでも先へと進むしかない。



    ↑真ん中に何か見えるが、何かはわからない



    ↑こんなに時間をかけても村がまだあんな近くに見える・・・



    ↑紫と黄色の花とサボテンと高原



カメラ紛失発覚地点を抜けて幾時間かすぎたころ、崖のわきに停まっている車があった。
親子風の男性二人がこちらを呼んでいる。



素直に近づいてみると、いつものようにこちらのことを色々と聞いてきた。
負けじとこちらも相手のことを聞き返したり、この先の情報をもらったり。
言葉の応酬を繰り返す。

バナナを一本貰い、お礼を行って和やかに去ろうとしたとき、それに気がついた。


崖の下に、軽トラックが一台落ちて無残にも潰れていたのだ。

それを見ていると、若いほうが言った。
「それ僕のなんだよ」


こんなになって、よく彼は無事だったなと思いながら、
oh... lo siento.(残念だったね)
と声をかけてあげる。

そうすると彼は車内の親父さんの元へ行って何か話し、そして笑顔でこちらに振り向く。
この先、人がいるところまで送って行ってくれるのだという。


無理矢理自転車を車の後ろに乗せ、走ること3kmほど。
警官が通る車をチェックしているセキュリティコントロールエリアへと連れてきてくれた。

正直そこまで下りも多かったので車で移動するほどのものでもなかったのだが、それでもありがたい。
かなり疲れてたし、天気も曇ってきていたから。


もう一度お礼を言って別れ、そこにあった小さな売店でコーヒーとパンを注文。
そこのおじいさんがとても感じのいい人だった。


    ↑右奥のあたりが売店になっている

おじいさんと警察にこの先の情報をもらう。
村はおろか家や店も20km先までないそうなので、今日はここで休むことに。

前はレストランだったらしい朽ちた建物の前にテントを張っていると、先ほどのおじいさんがやってきて

「あれぁ、こんなところで寝るのかい。この建物の2階が空いているからそこで寝てもいいよ。誰も怒らないから」

と案内してくれたそこはとても居心地がよく、テントを張って寝るのに最適の場所だった。
ちょうど雨が降ってきたので、屋根のあるところに泊まれて助かった。




テントのなかに入る。
入口を閉めるのに2時間ほどかかった。
そう、チャックがもう駄目になってしまっているのだ。

ここは壁と屋根があるし虫も少ないからいいが、もっと寒い地域や虫の多いところだと、このテントを使ってのキャンプはかなり厳しいかもしれない。


そろそろテントの替え時ということか。
こっちの品ぞろえではあまりいいテントがなさそうな気がする。
チリやアルゼンチンには上等なアウトドアショップがあると聞いたことがあるのでそこで探したいが、それまでこの子がもつかどうか。

それにしてもこのテント、かなり長持ちしたほうなのではないだろうか。
自分が大学生のころに買ったはずなので、すでに8年近く経過している計算。


頑張ったね。
でももっと頑張ってほしかった。
この人里離れた寒い山の中で、もしテントが使えなくなってしまったら。
そりゃあもう、大変なことですよ。


いつの間にか小雨はやみ、窓から薄い夕焼けが見えていた。









※余談ですが、写真を選んでリサイズ、貼り付けをしているときにドラクエ8のフィールド曲を聴いていたら今回の山の写真と合っていていい気分でした。


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