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悪魔の行進 Hualgayoc




1, バンバマルカは谷間にある縦長の町である
2, 町への入口は一方にしかない
3, 町へ入るのに下り坂の道をたっぷり時間をかけておりてきた



つまり、
出るにはもっと時間がかかるということ!


しかも道を間違え、来たときとは別の道に出てしまうこの現状。


なんとか町を脱出するも、そこからはやっぱりのぼり坂。
山道はつらい。




この日は話しかけられdayだった。

とにかく人に話しかけられる日だったのだ。


町から出るときにもガソリンスタンドにたむろしていた人たちに話しかけられたし、
工事をしている建物を見ながらさきほど買った菓子パンを崖際で食べているときも、工事現場の男性がきて隣にすわって長時間世間話。


今度は坂道を歩いていると、今度は遠くから子どもが呼びかけてくる。

「ちょっと待ってて」

というジェスチャーをしていたので待ってみる。
するとアイスをくれた。

天気も悪く寒いけど、でも嬉しい。
ミルクを凍らせただけのアイスで、その素朴な味が水分を欲していた体に染み通ってくる。



そしてさらに、帰宅中のおじいさんの横を通るときに話しかけられ、途中まで一緒に行くことになった。


次の町、Hualgayoc(ウアルガジョック、カタカナにするとすごい名前だな)まで聞いてみたところ、

「この道の先に見える山をグルッとまわってもっと奥、歩きだと2時間半くらいかかるかねぇ」

という話だった。
夕方5時すぎにはたどりつける計算だ。


    ↑距離は近いんだけど、厳しい道だった





しかしこれだけのぼってもまだ道は続き、しかもどこもかしこものぼり坂。
脚や肩、腕にかなりの乳酸がたまってきている。
持っていたクラッカーでエネルギーを補給。

ちょっとずつちょっとずつ、休憩しながら進むが思うように距離が伸びない。
雨も降りだしそうで気持ちばかり焦る。



道路にパトカーをとめて警備していた警察に声をかけられる。
本当に人から話しかけられる日だ。

彼らはとてもいい人たちで、こちらの疲れきった姿を見てパンを差しだしてくれた。
腹が減っていたので助かった。

もうすこしでウアルガジョックだという言葉をきき、安堵する。



    ↑向こう側の山に窓のような穴があいていた。前回の写真で見た光景に似ている。ちょっと気持ち悪い



    ↑景色を見晴らせるようになっているが雲っていて見えない



    ↑看板がズラリ。観光地なのだろうか。…こんな山奥が?







そこから平たんな道をすすんで、ようやく町が見えた。
そろそろ暗くなる時間だ。









中央の広場にあるホテルをたずねる。


    ↑電灯とゴミ箱の数がものすごい

しかし部屋はあいていないらしい。

「向こうにもホテルはあるよ」
と伝えられたのでそちらへ向かおうとすると、そこで遊んでいた子どもたちもついてこようとする。

べつに案内はいらないのだが。
まあついてきたいなら勝手にするがいいさ。


自転車に乗らせてほしいとお願いされ貸してあげる。

先へ先へと行ってしまうのでそのまま盗まれるんじゃないかとヒヤヒヤしたが、こんな山奥で盗んでもすぐにバレるのでこの辺はそういう犯罪は少ないらしい。


いくつかホテルの看板を見つけるがどこも営業しておらず、村のはじっこにある最近できたホテルへ。

そこで少年たちが一言。


金持ってる? チップくれない?





ドーン!





はい、きましたよー。


金が目的でついてきたのかよ。
残念ながら持ってないね。
むしろこっちが欲しいくらいだ。
子どもなら大人たちからかわいそがられて恵んでもらえんだろ。


と子ども嫌いの自分は心のなかで思いながら、
no hay(ない)
というシンプルな言葉にゆきついた。


彼らはべつに悪い子たちというわけではなくとても礼儀正しいのだが、ものすごくしつこい。
一人になりたいと言ってもどこまでもついてくる。




この村では散々だった。


その後ホテルの部屋をとろうとするもなかなか話が進まない。

ホテルの警備員がものっそい感じが悪くて嫌だ。

なんとか部屋をあてがってもらうが、ホットのはずのシャワーが水しか出ない。
ここは昼までも寒く、夜は雪が降りそうなくらいだった。
それもそのはず、ここの標高は4000m手前だそうで、この村を出ると進む先の道では4000m以上ところも出てくるらしい。

そんな寒い夜に冷たいシャワーを浴びては確実に風邪を引いてしまうと思い、シャワーが我慢。

次の日は大雨で出発できず。
この日は祭りが行われていたそうで、通りを歩いているとこんな寒い中で水風船をガンガン投げ当ててくる。

パレードが歩いていたので見に行ったらカラフルなインクをかけられる。
おかげでサブバッグとパーカーと帽子はいまだにポップな色彩になっている。


    ↓悪魔の行進







    ↑みんなインクまみれ



っつかね、こんな寒いと服は乾かないわけですよ。
しかも荷物に制限もありタンスを持ち歩くわけにもいかないので持っている服も限られているんです。
それなのにね、濡らしたり汚したりしちゃダメでしょと。
寒いから服は大事なのに。

ぶつけた女はその後知らんふりしてくるし。



いい人は坂で会った警察官の3人(村でも何度か会った)とレストランの兄さんくらい。


うう、この村しんどい。

とにかく早くここから出ていきたかった。



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う○こみたいな道しやがって! Bambamarca

 


今日の天気は曇り。
ただ風が湿っぽく、気圧も低そうだ。
これから雨になるかもしれない。
そうなる前に急がなければ。


いそいそとテントを片付けて出発。
朝食は抜き。

簡単にすませられるクラッカー類はすでに食べてしまった。
ラーメンは持っているが、作るのに時間がかかるためパス。

今日はこの先のBambamarca(バンバマルカ)という町につくはずである。
町の名前がぜんぶ似ていてとても紛らわしすぎる。
とくに固有名詞が苦手な自分はときどき間違えてしまう。



昨日は大雨だったため、地面は泥だらけ。


    ↑こちらは前日の様子。これが水でドロドロになった


タイヤが一回転するたびに新しい泥がタイヤにへばりつく。
足下がぬかるんでいてすべって歩きにくいし、タイヤにくっついた泥があちこちに飛ぶので、数分もすれば荷物も体も自転車も汚れに汚れた。




こなくそ〜、う○こみたいな形状しやがってー!!


と思いながら足場の悪い中をゆっくりゆっくり進んでいく。

※かりんとう、もしくはカレーを食べながらごらんのみなさん、タイトル共々本当にすみませんでした。




家はちらほら見えるが、レストランはないようだ。
ああ、腹が減った・・・・・


車が小さな崖に落ち、大勢がロープを巻きつけて引っ張り上げようとしているところに出くわしても、泥だらけで腹が減っていて元気のない自分は手伝う体力も気力もない。
素通り。



山道を登り、ちょろちょろと流れる小川からあふれた水の中を通り、靴はべちょべちょのぐちょぐちょ。
自転車は隙間という隙間に泥がつまっている。

それでもフラフラと今日の歩数を増やしていった。



レストランはあいかわらず見当たらないが、数時間後に商店を見つけた。
お菓子やパン、ジュースを買ってことなきを得る。
助かった。



道は登りの一手のみ。
景色はきれいだがそろそろ雨が降り出しそうだ。
見とれている場合ではない。
急がなくては。


    ↑雲が厚くなってきている


途中、道路工事の二人組につかまった。
さわやかな口調でいくつもの質問を投げかけられたとき、ついに雨が。

慌ててすぐそこの家の屋根下に身を隠す。



いったん雨が落ち着いてから急いで出発しようとすると、また同じ二人組が声をかけてきた。

申し訳ないが、今は急がなくてはいけない。
「もう行くから!」と言ってさっさと先を目指した。
ごめんね。



雨はまた降り出し、これは今日は濡れるしかないと覚悟を決め、そのまま自転車を押していく。


と、道がくだりに変わった。
ブレーキが利かない現状だが、これ以上濡れたくはない。
思い切ってサドルに飛び乗った。


しばらく降りると雨が突然止み、その先の道路が乾いていた。
ここが雨と晴れの境界線だったらしい。

これはチャンスとばかりに一気に進む。


すると案の定、前輪のブレーキワイヤーが切れた。
恒例イベント。


きみさあ、数日前に取り替えたばっかりだよね。
もうスペアはないんだっての。



泥のついた靴と自転車を引きづりながら歩きつづける。

家の塊が見えた。



希望の塊。
あれがバンバマルカだろうか。


人に聞いてみると、違う町だったようだ。
 もうがっかりだ。

でももうすぐ着くという。
 あ、マジで。


早く、早く着かなくては。

空腹で泥だらけで自転車もボロボロという満身創痍。



一山グルッとまわっていくと、縦長の町が谷間に見えた。



あれかぁーーー!!!
            (写真撮るの忘れた)



やった、やったよ。
やっと着いた。


縦長なので町の中心部まで辿り着くまでが長い長い。

その間にレストランで食事をし、バイク修理屋でワイヤーを交換、そして予備ワイヤーを4つ購入。
これでいくら切れても大丈夫だろう。

大丈夫だろうなぁ、自転車よ?(ガンつけ)



    ↑その時食べた料理。名前は忘れたが、沖縄のヒラヤーチーをカリッとさせて油っぽくしたようなものだった


※参考 ヒラヤーチー

 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hirayachi_by_Blue_Lotus_in_Okinawa.jpg より



中心部へと到着。
ホテルは15ソル(555円)のところをとった。
個室でバス付きだったのと、スタッフたちがいい人そうだったのが選んだ理由だ。



    ↑ホテルには近くの観光名所の写真が飾られていた。ここはventanillasというところ。岩に窓のような穴があいているらしい


    ↑ここはbosques de piedras。ボスケスということは森なのだろうか。変わった形の岩が並んでいるらしい。ここ行ってみたい! と思ったのだが、チョタの近くにあるということで諦めた


    ↑こちらはperfil de cristo。岩山がイエスキリストの顔に見えるという。どれも行くことはできなかった。これらは誰かほかの人に託そう


ホテルのご主人が言うにはwi-fiはこの辺にはないらしい。
そういえばネット屋が見当たらないなーと町を歩き回っていると、広場のまわりに普通にあった。
しかもたくさん。

探してみると、wi-fi付きの観光者向けホテルもある。



なん、だと・・・
だ、騙された。



いやいや、騙したのではなくただ知らなかったのかもしれない。
興味がなければ目に入らないだろうし。

そう、プラスに考えよう。


しかもwi-fiが使えるホテルは安くても30ソル(1110円)する。
今泊まっている値段の2倍だ。
ネット屋に入れば1時間1ソルでインターネットができるので、そうすれば安くすむし、今のところで十分だ。

そう考えよう。



広場にこんな垂れ幕が。



ホテルの主人に聞いてみると、これは来週行なわれるカーニバルなんだそうな。
県都カハマルカだけではなく、この辺一帯でも祭りをやるみたいだ。



広場にはみごとなデザインの植木が並んでいる。



鳥に、



ちょうちょ、かな・・・?

 

よ、ヨッシー?


※参考 ヨッシー




夜には教会がライトアップされる。




チョタの町ばかりよく耳にしたけどさ、実はバンバマルカのほうが大きいんじゃないの、これ?

なんかすごいんだけど。
チョタとは違って色々な店がそろってるんだけど。


街中では商店街が広がり、厚手の上着が多数置いているのが目につく。
たしかにここは夕方すぎると寒くなる。


一枚買っていこうかとも思ったが、思いとどまった。

これ以上荷物が増えるのは困る。
しかも厚手の服は余計にがさばる。
もう入る余地がほとんどない。

そして、一度この山を降りてしまえば当分灼熱の砂漠となる。
荷物になるのは目に見えている。


ジャケットは欲しかったが、ここは我慢だ。



ホテルの目の前にあるメルカド(市場のこと)にも行ってみる。
いつもの暗いトンネルのようなメルカドとは違い、ここはモール風の建物のなかにそれはあった。

4階建てくらいになっていて部門によって階層が違い、なかなかお金がかかっている。



    ↑2階、生鮮食売り場でございます



     ↑建物自体もわりかしきれい



    ↑野菜の中に混じるハーブ

ここは他の商店よりも安くお菓子が買えるため、なんども利用した。



ここには休養として数泊追加。
そして、ずっと気になっていた長い階段をめざす。


                 ↑これ


ここは標高が2500m以上あるらしい高地であり、すぐに動悸・息切れ・救心という流れになるのだが、

いや別にこんなもん平気ですよ

という表情を作りながらトップへと到着。
誰にも見られていなかったので、意地を張ったのに意味はない。
気持ちの問題だ。






ファー。



ファーラウェーイ。


わーひろーい!


などとはしゃいでいたが、実はこの道を後日通ることになろうとは。

別にわざわざ階段をのぼらなくても見れたのに。
また、つまらぬ努力をしてしまった。(石川五右衛門風)


ま、ま、いいでしょ。
この日は天気も悪くなかったし。
帰りはパラパラ雨ふってたけど。


ここは落ち着いて、とりあえずおいしいものでも食べましょ。ね。

ゆきついたのは一軒のレストラン。
そこで10ソル(370円くらい)もするステーキを注文したのだった。


    ↑めっちゃうまかった!

いやー最近肉とかあまり食べれてなかったし。
というか食事じたいあまりしてなかったからさ、これくらいはいいよね、うん。


・・・いや、15ソルだったかも。
もしかしたら20ソルだった? あれ?



まあとにかく、この先のことを思い、ここで英気をやしなったのだった。



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こちら雨の道、Perú - Sierra地域


    ↑出発時に入ったレストラン入口の地面にくっついていた5ソルコイン。
    これは人が入るよう招き猫と同じ意図で置いているのか、はたまた”5ソル以内で食べれますよー”という意味で置いているのか。



お礼を言ってホテルを出て、事前に確認しておいた道へ。
チョタの町から比較的平和に脱出する道だ。

入ってくるときはありえないくらいの傾斜の坂道を死にものぐるいで登ってきたので、その二の舞は踏まないよう気をつける。


それはつまり丘の距離を直線にしたから1kmほどになっていたわけで、その激坂分をゆるい坂に変えるとものすごい長さになる。
しかも途中でコンクリートはなくなるしブレーキが利かないので結局歩いていくことに。

幹線道路に戻るまでにかなりの時間を要した。



見覚えのある道路にもどった。
チョタを見下ろしながら坂をズンズン登っていく。
下り道などという休憩地点は一切ない。


    ↑さいなら、チョタ



    ↑これから進む道。ポツポツと家が建っているので少し安心だ



    ↑天気が悪くなってきた



    ↑悪路に変わってしまった



そんな山道に時間をかけすぎ、10kmほどしか進んでいないのに雨が降ってきてしまった。
小屋の前で雨宿りをする。
1時間待っても2時間待っても雨はやむ素振りを見せない。


    ↑町がまだ見えるというのに


そこの小屋の所有者であるらしい夫婦がやってきたので、ここに泊まる許可をもらった。
この小屋は現在使っていないようだ。


男は水があふれないよう家の前の溝を掃除してくれ、こちらのことを心配してくれていた。

このあたりは何とかという山賊が出るらしく、道路の目の前は危ないからこの崖を降りたところにテントを張ってはどうか、自転車を置くスペースもあるしと提案してくれた。

自分は知っている。
そこはさっきまでブタが繋がれていたところだ。
お粥を食べたりトイレをしたりしていたのをさきほど目にしていた。


しかしそれでも危険が少ないほうがいいだろうと降りていってみると、狭すぎてテントが張れないことがわかった。
目の前が道路でも、さっきのところにテントを張るしかないようだ。

ちょっとホッとした。



暗くなってから、ガスとそこに取り付けるストーブを取り出し、コロンビアだったかエクアドルだったかでかなり前に買ったツナ缶を熱して食べる。

ふたをあけて熱していると、ボコンと大きな音を立てて中身が飛び跳ね、中の油が吹きだしガス缶とストーブがベトベトになってしまった。

ちゃんと中のツナをほぐして底に熱や空気が溜まらないようにしないといけなかったようだ。


失敗失敗。
こんなちょっとしたことでも学ぶことは多いのだった。





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ここで、水をかぶったりひどい腹痛になったりイライラしたりします Chota


さて、2泊もしてしまったし今日こそはChota(チョタ)に行こう!

と気合いを入れたのはいいものの、無料で泊めてくれたおじさんがどこにも見あたらなかったので靴屋に置かせてもらった自転車が出せない。


隣の小料理屋で2ソル(74円)のタコのセビーチェ(シーフード酢の物)を小皿によそってもらいながら、どうしようか考える。

小さな村なので近所付き合いは盛んなのではないか。
小料理屋の店員たちに宿の主人のゆくえを聞いてみるが、わからないらしい。
と、向かいの家のおじいさんが別の店にいることを教えてくれ、無事自転車救出成功。

宿主のおじさんも自分の旅路を応援してくれた。



チョタへは一山越えて、そこから坂道。
その坂が急すぎずなだらかすぎず、ブレーキの効かない今の状況にピッタリの道だった。

自転車の自由にまかせて走らせる。
爽快だ。

空も晴れていて目に映る自然がすべてかがやいていた。






    ↑走っていて気持ちのいい道


せっかくだから疑似ウェアラブルカメラの実験をすればよかった。


説明しよう、疑似ウェアラブルカメラとは。

手作りのスポーツカメラのことである。
三脚を自転車のハンドルにダクトテープで巻き付け、そこにカメラを取り付ければ完成だ。


三脚は水に弱くすぐ錆びるためいちいちテープの付け外しをしないといけないのがやっかいそうで、メキシコから何度もやってみようと思いつつ手をつけていなかった。


そして今回も・・・・・

ちゃんとした実験は、とりあえずブレーキが直ってからまずは平地で試すことにしようかな。うん。



    ↑ここは勢いがつきすぎるのと先が見えないため、さすがにちょっと怖かった






くだり坂も終わり、どこまで行っても町に入れない。
町は左手の丘の上に見えているのに、そこまでの道路がないのだ。

そんなおりに見つけたのは、穴だらけで傾斜もものすごくキツい、ぜったいに自転車むきではない道。
どうやらここを行くしかないようだ。



この心臓破りの坂が本当に大変だった。

まさに前回載せた看板くらいの傾斜があり、5歩歩いては止まりゼエゼエと息を切らす。

         本当にこれくらいあった↑


休むときにもそのまま止まっては自転車がすべってしまうので、うまく地面のくぼみを利用してタイヤのストッパーにしなくては休憩することもできず、もう最悪。


疲れと坂の長さでだんだんイライラしてきた。

頑張って登っている最中にすずしい顔をして話しかけてくる子どもやおばさんが憎く思えてくる。


この疲れたときのイライラ感、自分も体験してみるまでわからなかった。

とある旅行記で、"自転車でいつまでもつづく坂を、口汚いことばをはきながら呼吸を荒くして進んだ"という記述があって、
当時は「なんでそんなんでイライラするんだろう?」と不思議だったが、体験してみるととてもよくわかる。

こりゃあそうなるわな。



1km弱の距離をおそらく30分ほどかけたのではなかろうか。
やっと登り終えたときにはもうヘトヘト。
すぐそこにあったホテルへ直行した。
もう無理。




疲れすぎてそこの番をしていた女の対応にもイライラする始末。

ダラダラしていてやる気がなく、こちらが話しかけると電話をかけだして長話をしている。
早く荷物を置いて休みたいのにいつまでもそんな調子なので、こちらもかなりトゲトゲした物言いで威圧的に対応してしまった。

よくないね。
だから疲れないように余裕を持って行動しなくてはならない。



そこのホテルはかなりいいところで、部屋は広く景色もいいしホットシャワーも使える。
wi-fiもちゃんとあって建物自体も新しめ。
そこを経営している家族たちもとてもいい人たちだった。

窓の横に思いっきり隙間があったり、トイレのドアにノブがついてないなど一部作りかけっぽいところがあるが、これで20ペソ(740円)は破格だ。

最初に対応した人は臨時だったのかもしれない。
その後会うことはなかった。




荷物をおろして一息ついてから町へくりだす。
通りを歩いていると、横を通りすぎるバイクタクシーから水を思いっきりかけられた。
水入りバケツを持っていたらしい。


カッチーン!


今、イラついているこんなときにそれをやるかアンタ。

力走してそのバイクタクシーに追いつく。
中に乗り込んでやろうと思ったが、走っている最中にその熱も冷め、後ろをバンバン叩いて煽るだけにとどめておいた。

それを見ていたおじさんが
「あいつらひどいね。悪いヤツらだから今度会ったら殴っていいよ」
ともらした。

そうかわかった、次会ったらこらしめてやる。
とりあえず街中を歩くときには大きめの石を持ち歩くことにした。


ところが後日わかったのは、これは祭りの一環であるらしいということ。
公園や通りでは子どもたちが通りすがりの人たちに水風船をなげている。


そうか、祭りか。
そういえばイスコ村でキャンプさせてくれた人たちも2月初めに祭りがあると言っていたっけ。
そうかそうか。



って祭りだからで許されると思うなよ!!!

早く終わってくれないだろうか。
こんな祭りはいやだ。




さて、ここで胃腸の調子が悪くなり、1週間ほど休むことになった。
レストランで出たジャガイモの芽があたったのではないかと予想したが、標高の関係かもしれない。

症状はかなりひどく、なにか食べるたびに激しい胃痛に見舞われた。
それはそれは、もう歩けないほどの痛みだった。


ホテルの人たち、特に娘がこちらの心配をしてくれ、

「薬を飲んだほうがいい。温かいものも飲まなきゃ」とか
「ちゃんと食べないと治らないよ。頬もこけちゃってるし」

と、スープや mansanilla マンサニージャのお茶(カモミール、腹痛に効く)を持ってきてくれた。
いいところに泊まっていてよかった。

やはり自分のホテル眼はするどい。



腹の具合がいいときを狙って町を見てまわった。


    ↑中心広場



    ↑路地にはホテルもたくさんあった



    ↑メルカド(市場)の様子



    ↑天気のメルカドは朝から昼にかけて毎日にぎわっている



ナイフのシースを直せるところを探してみた。
ミシンがある靴修理屋で「素材があれば直せる」とモンスターハンター的なことを言われたのだが、革がどこを探してもなく、ここでは無理そうだった。

ベルトを買って切断してもらい無理矢理直すことも可能だったかもしれないが、そこまで急いではいないし最悪直らなくても別に困らない。

とりあえず様子を見ることにしよう。


    ↑落としたときに後ろのコンパスが取れたようだ。中が空洞になっていたので探ってみると、なんとマッチと針と糸が出てきた。わー、ザッツ サバイバルナイフ!



    ↑プリンやゼリー、それから甘食のようなどら焼きのようななんともいえぬ菓子パンが売っていた。中は餅を混ぜたうぐいす餡のような感じで、おいしいところのはおいしい



    ↑ちょっと高めのソフトを買ってみた。2ソル(74円)。バニラは色が若干茶色。あまり着色していないのかも。味はまあまあ



    ↑このreyenito(レジェニート)という菓子パンは、中のチョコがガツンとデロンと主張してくるので好き



    ↑拾ったり買ったりもらったりした宝石が増えてきたので箱を買ってみた。作りは簡素。あとケーナも買ったけど鳴らすのが難しい。両方とも10ソル(370円)前後



    ↑このラーメンみたいな料理って caldo de gallina(カルドデガジーナ)っていうんだ。知らなかった。カルドデガジーナはこれ単品で出てくるくせに値段が高いからガッカリ感が高い食べ物だ



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ホテルご主人「金はいいからもう一泊しなよ」 Lajas(修正済)



地図を見ると、このさきにChota(チョタ)という名前が大きく書かれている。
きっと大きな町に違いない。
チョタはもうすぐのはずだ。
天気も悪くないし、ガンガンいこう。


川が流れる谷間を走る。



ここから道路状況が悪くなる。
ところどころコンクリートがなくなり、未舗装路になっているのだ。
それを注意する看板もたてられている。

自転車にとってはつらい道である。


    ↑「アスファルトの終わり」



    ↑坂の角度がこれもう道ではない。壁! 実際はゆるやかな坂でした



    ↑きれいな層になっている岩



    ↑こんな可憐な花が咲いていたり



    ↑岩にはりついた結晶が太陽の光を金色にかえて反射させている



今日の出発地であるコチャバンバではなにも食べずに出発したため、走り出しからすでに腹が減っていた。
そのうちレストランくらいあるだろうと高をくくったのがいけなかった。

面倒だから、とよく朝食や昼食を抜いてしまうことがよくあるのだが、これは自分の悪い癖だ。
だってさ、一々荷物と自転車を置いてメニュー聞いて食べて金払って・・・っていう手順が本当に面倒なんだもの。



運よく商店があったので、そこでお菓子とジュースを買い込み、むさぼる。


    ↑ここで買ったのがこのお菓子。チョコもクリームもはみ出るほどたっぷり挟まれていておいしかったが、他で売っているところを見たことがない


店のなかには舌がまわっていない酔っぱらいがビールを飲んでいてからまれてしまった。
酔っぱらいたちを相手にすると時間をとられてしまうのでやっかいだ。

しかし今日は時間があるので大丈夫。
チョタはもう近いんでしょ?


…近いんだよね?



えっと、全然着かないんですが。
けっこう来たはずなんだけどな。



    ↑晴れてきた。空が晴れると景色がきれいに見えるから、モチベーションの意味でも天気は大事



    ↑丘の上に石垣が。そんなことより町まだー?



道路工事をしている人たちに「チョタはまだか」と質問してみる。

「もうすぐだよ。この先の~を~したら着くよ」(ちゃんと聞き取れない)

本当だね? 信じるからね?


  
    ↑スピードを出すと穴ぼこで危険



    ↑川の流れが激しくてゴウゴウと流れる音が心地よい



胃におさめたお菓子のスタック分が底をついたようで、また腹が減ってきた。
アップダウンを繰り返しさらに石がちらばっている道を急ぎめにゆくと、ついに町が見えた。





ここがチョタ?
イメージよりずっと小さい。


たまたまそこにいた子どもに聞いてみると、
「ここはLajas(ラハス)で、チョタはもう少し先に行ったところだよ」

よし、もう一息というところか。
それなら一気に!






…行くとお思いですか?


もちろん、ここに泊まりましたとも。
自分がそんなにがんばって走るわけないでしょ。



近くのレストランで食事。
4ソルと安いしなおかつうまい。


    ↑鶏肉が入ったおいしいやつ。料理名はわすれた



    ↑こっちはlomo saltado(ロモサルタード)。ペルー版チンジャオロースという感じ。サルタードは多分醤油炒めのことと予想
 ※訂正加筆しました



インターネット屋に行ってみたがそこではラップトップをケーブルに繋いでも反応せず、wi-fiのパスワードもわからないということで、わざわざ他のネット屋を紹介してくれた。


この地域のネット屋は、wi-fiはあるがパスワードがわからないというところがなぜか多い。

パスワード解析できたら解決してあげられるのになぁ。
そもそもパスワードを解析することなんてできるのか。
ハッキングとか?
パソコン関連に疎い自分にはわからない。



ホテルは15ソル(555円)ととても安く、しかも次の日チェックアウト時間ギリギリまでベッドでうだうだしていたら、ホテルのオーナーとそのいとこが部屋まで来て
「もう一泊していきな。金はいらないから」
と言ってくれたのだった。

すてき!


どうやら具合が悪いと勘違いしたようだが、ジェスチャーと知っているスペイン語を駆使してただの筋肉痛だと伝えることに成功。

いや、うだうだしていたのは筋肉痛が原因ではなく、昨日フリーゲームをダウンロードしたからなのだが、(http://www.ariaru.com/works/digital/dunmap.html ←これ)でもほら、まだ昨日の体の疲れが残ってるし。

足首と臀部と腰がね、痛いなーって。

なんかザックの腰ベルトが変なところに当たってて、痛いなーって。

思っていたところだったんですよ。いやマジマジ。



で、お言葉に甘えてもう一泊させてもらったのだった。

おかげでゲームの表面をクリアすることができたよ。
ボスの攻略も完璧に把握。
ありがとう、ホテルと靴屋2軒を切り盛りしてるおじさん!


ちなみに、腰ベルトが当たっていた部分は紫色のアザがくっきり残っていましたとさ。


    ↑犬が多い。ペルーの街中は犬もネコもたくさんいる



    ↑集団でいっせいに同じ方向を見る犬たち



    ↑ホテルの屋上から



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自転車なのにくだり坂が苦痛すぎてつらい Cochabamba

ウアンボスを出て山の頂を目指す。




それはすぐにやってきた。
約1km先。
頂上にはいくつか家が建っていた。
そこからくだりがひたすら続き、高まった標高をここぞとばかりに一気に解放する。






今日はブレーキの調子がよさそうだったので自転車に乗ってさっさとおりてしまおうとしたところ、

これまたブチンと、

ブレーキのワイヤーが切れてしまった。


もう当然のごとく切れるワイヤー。




いっそ直さずに行こうかとも思ったが、自転車の調子はなぜか自分の調子にも影響が出てくることが多いので、道のよこの草むらに荷物をおろしワイヤーを取り替えてやった。

これが最後のブレーキワイヤーだ。
また切れたらもうスペアはない。



道が急すぎるので押してくだっていく。


    ↑めっちゃ急!!


…最近自転車にあまり乗れてないんですが。
ここんとこずっと、ほぼ一日中歩いてるよね?

登りも下りも押してかないといけないなんて。
こんな山道でブレーキなくして自転車の高度な仕組みを有効に使うことなど不可能なのです。

自転車仕事しろ! 某マンガ家じゃないんだから。






先へ先へと行こうとするせっかちな自転車を腕とふくらはぎの力で制しながら歩いていく。
と、水が道路までもれ流れているところに出くわした。



水深は浅いので靴もそんなに濡れないだろう。
さっさと渡ってしまおうとそのまま歩いていくと、









こけた。



体が濡れるのはいいが、自転車とザックの荷物に泥がつくのはできれば避けたかった。
避けたかったのだが、苔で体勢が不安定になったため倒れそうになる自転車を支えることができず、すべてべっちゃべちゃになってしまった。

怪我はないが精神的に傷をおった状態だ。



    ↑靴裏に完全に穴が空いてしまったのをここで発見。中に砂やら水やらがどんどん入ってくる



そんなことがありながら、ずっとずっと坂を降りていく。
ああ、自転車に乗れたらあっという間に下まで着くのになぁ。


横の土壁は脆いようで、道路脇に頭よりも大きな岩がたくさん落ちている。
さっきからパラパラと砂や小石が落ちてくるのも気にかかる。

これは運が悪ければ危ないのかもしれない。
なだれて下敷きになるかも。
しかしその崩れた岩の色がきれいなので一々立ち止まっては手でふれ、全然急ごうとしない自分。


    ↑だってほら、こんなに変わった模様がついてたりするんですよ

おかげで白くかがやく結晶を見つけることができた。
これはなんという結晶だろう。
それとも何の変哲もないただの小石だろうか。

 
    ↑フラッシュで光ってしまっているが、白い半透明の結晶がついている



ヘビのような道をなんども折り返し、やっとCochabamba(コチャバンバ)という町に着いた。
自転車に乗れば1時間ほどで終えるこの道を、5時間かけて進んだのだった。

ここから道は2つに分かれる。
片方はクテルボという町に入りながらグルッとまわってChota(チョタ)へといく道、もう片方はチョタに直通の道。

 

もちろんチョタ直通で。
もう坂道はいいや。
自転車直させて。


街中を歩きさまよう自分を呼び止めたバイクタクシーの男たちの言うことには、あと1~2時間ほど行けばチョタに着くらしい。
現在3時すぎ。
行こうと思えば行ける距離だ。

が、体はくたくた。
ずっと下りだったため、変なところが痛い。
腰と足首がギシギシいっててちゃんと歩けないし、手首も痛くてあまり曲げられない。
なぜか尻の頬の奥あたりもかなり痛い。

疲れが見えていたのでホテルをとった。
このホテルの人たちはとてもフレンドリーで、居心地がよかった。

「洗い場があるから洗いものしていいよ」と言ってくれたので、さっきこけて汚れたパーカーを洗わせてもらう。


ちょうどボランティアのアメリカ人たちが泊まっているとホテルの人に言われたが、英語はそんなに話せないしアメリカ人にいい思い出がないのでまったく興味が持てなかった。

ふーん、と返しておいた。



ちいさな町を少し歩き回る。

 


道の分かれ目にある小さな町というのは、なんだかちょっと不思議な感じがする。

たまり場、と言えばいいのだろうか。
多方向から人がやってくる町。

一緒に同じ道をきた人たちが、これから別方向へ行く可能性があるのもなんだか感慨深い。
様々な人の別れと再会がここにたまっているんじゃないかな。


飲みものなどを買って帰宅。



この町にはネットが通っており、wi-fiはないがケーブルを繋げることができたので、使用料1時間につき1ペソかかったがついにパソコンをネットに繋げることができた。
しかもこのホテルがそのインターネット屋もかねていたため、わざわざケーブルを延ばして部屋のなかまで入れてくれた。

約一週間ぶりのネットは快適だった。




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Huambos にて



ウアンボス村の門をくぐりガタガタの未舗装道路を抜けると、2階建ての家が建ちならぶ通りへと出た。
壁はカラフルに塗られているがペンキが剥げてくすんだ色になっている。
いつかの祭りにかけられた三色の三角飾りは雨と風でボロボロになり、ただの汚れたロープとなって通りの上にぶらさがっていた。


村の中心をめざし歩いていると、玄関先にいた人に声をかけられた。
彼女と話している間にどんどん周りにやじ馬が集まってきて、総勢15人くらいにまでふくれあがった。

疲れているので早くホテルを見つけたかったのだが、なかなか離してくれない。


30分ほど時間がたちやっと解放してくれたので、ここからホテル探しスタート。


この町には3つホテルがあった。
なかには安い部屋もあったのだが、この土地は結構寒くホットシャワーがないと少々キツいので、少しいい部屋を取った。
それでも20ペソ(740円)だから、安いほうだろう。

wi-fiが繋げられるならそこにしたのだが、どこも「ない」と一蹴されてしまったので、インターネットはまだまだ諦めざるを得ない。


    ↑ホテルで渡されたレジンのキーホルダーつきの鍵



体を休めるためにここには2泊した。

町を見回っているとおじいさんが明るく話しかけてきて、町から少し離れた崖の上まで案内しようと言ってくれた。

日本人の知り合いがいるそうで、その縁でこちらに声をかけてくれたようだ。




彼は現在新しいホテルを作っているらしく、その中を見せてくれた。
内装はまだなにもない状態だったが、2階からの眺めはよかった。

  



ここへ来たときとは反対の砂利道を通り抜け、明日通るであろう道路へと出た。
そこから、町や遠くの谷もよく見えた。

おじいさんはもっと先の峠までよく散歩にいくらしい。
そこから川が二手に分かれていて、風もこっち側と奥側から吹き上げここでぶつかるのだという。
だからこの場所は風が強いのだそうだ。

ということは、このてっぺんがこの辺りで一番高いところということだろうか。



    ↑隠れてしまっているが、ウアンボスはもう少しだけ広い


    ↑山頂方面へカメラをむけた写真


ホテル予定地まで戻り写真を撮らせてもらってから別れた。
「あなたの幸運を祈っているよ」と笑顔で言うおじいさん。




広場では果物売りたちが商品を広げ、精を出している。
それを眺め、手に取る買い物客たち。

こんな小さな村なのに、その営みには町に負けない活気が感じられた。





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標高マックス!エメラルドグリーンの岩壁 Llama - huambos




ドラえもんの道具で今使いたいものbest3



3位、リフトストック(傾けて坂にするステッキ)
2位、4次元ポケット

そして栄光の第1位は、


  タイム風呂敷



というのも、とにかく身の回りのものが壊れる壊れる。
次々に使えなくなっていく。

ほんと、タイム風呂敷ほしい。
さっとかぶせて修理や売ってる店を探す手間をなくしたいし、壊れる心配とかなくしたいし、なんならいっそ自分にかぶせて若返りたい。


問題はパソコンやメモ帳などの記録物には使えないというところですよね。
パソコンに使ってしまったら中に入っているデータも戻って消えてしまうので、それはかなりマズい。
バージョンが戻るのは更新やアップデートでなんとかなるとしても、写真なんかはバックアップ取ってないとどうやっても戻りませんからね。

ところでタイム風呂敷で時間を戻すとその後同じ時間経ったときにデータが増えていったり同じ傷ができたりということはないんですよね?
ということは時間を戻したあとは別次元を歩むことになるんだ…
そう考えると、ちょっと怖いですね。


でも欲しい!
だってもうすぐザックの肩ベルトが切れそうなんだもの。
自転車もボロボロ。
カメラもなんか中からカタカタ聞こえる。


今日もザックカバーがバチンと大きな音を立ててゴムが外れまして、使用不可能になりました。
とりあえず気持ち程度にザックの上にパサッとかぶせておいて雨にも負けず風にも負けず、頑張ってもらっていました。

休憩中に直したのですが、外れたところを固定しようとライターで炙ったのがいけなかった。
紐が裂けて余計にちぎれやすくなってしまったのです。


この日は頭を思いっきり、具合が悪くなるほどぶつけたり、本当に不運な日でした。



幸運なことと言ったら、今日が晴れたということ。

晴れたといっても雲の量は多いのだけど、現在雨期のこの地で真っ青に晴れることは少ないと思うので、霧がない=晴れのようなものだろう、きっと。
一応太陽も顔を出しているし。


    ↑ホテルから。昨日までこの山すら見えていなかった



    ↑看板通り、Chota(チョタ)を目指します


おかげで今まで見ることができなかった風景をおがめることができて、それは本当に幸運だった。


    ↑こんな風景になっていただなんて、歩いているときは思いもしなかった



    ↑山の連なりがきれい



    ↑ジャマ。こう見るとそんなに大きくないな



    ↑今まで歩いてきた道が見える。美しい森がひろがっている
 


    ↑次の町、Cochabamba(コチャバンバ)まで58km



この先またまたのぼりが待っている。
どんどんと標高を上がっているのが、崖から見えている世界の広がり方でわかる。



    少しずつ


    少しずーつ


    高くなっているのがわかるでしょうか。






    ↑紫の土壁がサラサラと崩れ落ちていく。粒子が細かく脆いらしい。岩がないので落石の危険はなさそうだ


休憩しながら進んでいく。
こちら↓は立ち休憩のポーズ。ザックをサドルに乗せて立ったまま休む。


    ↑こう見るとカッコわるいね

注意点は、後ろの荷台にザックを載せると荷台が折れてしまうのできちんとサドルに載せること。
自転車をこぐときも荷台に載せてはならない。肩で支えなくてはいけない。

荷物を降ろしたり背負ったりするときにかなり体力を使うのと、ザックに負担がかかってしまうので、ちょっとだけ休憩したいときはこの立ち休憩をつかう。


休憩がてらに写真も撮る。




  



    ↑誰かが並べたのだろうか。ポトポト落としたにしてはきれいに並びすぎている



    ↑親子の犬。仲がよさそう



かなり高い所まで来た。
町はまだだろうか。


後ろから雲がジワジワと迫ってきている。
さっきからパラパラと雨が降ったり止んだりしているが、あの雲が来てしまったら本降りになってしまうかもしれない。

この峠をこえれば雲がひっかかってこちらに来るのに時間がかかるだろうと予想する。
雲との追いかけっこが開始。


体力的にも限界が来てしまい、民家のベンチで休ませてもらっているとき、ついに霧があたりを包んだ。

気温が一気に下がる。
汗が冷えて寒いところを耐え、霧がうすくなった瞬間を狙って自転車をこぎだした。


ここからちょうど下り道になる。
これはナイス。
一気に進んで雨を追い越そう。

と思ったら、ブレーキが利かないのを忘れていた。
全然ナイスじゃない。

先の見えるところや急すぎないところだけ運転し、あとは自転車を押しながら自制していくことになった。

これ、自転車の意味ある?



下りはずっと続いていく。
その途中でトルコ石のようなエメラルドグリーン色をした岩場を発見する。
その色合いは芸術だ。




それまで大きな植物があまり生えていなかったのだが、このあたりだけ緑があふれ低地の草原のようになっている。

この青い石が関係しているのだろうか。
もしかしたら栄養価が高いのかもしれない。


    ↑この一角だけフッサフサ!



行けると思った坂が実はけっこう急だったりして足裏でのブレーキを駆使しつつ、ヒヤヒヤしながらやっとこさ小さな村に到着した。


    ↑村からの景色↓↓







さっそくレストランに入る。
今はスープしかないと言われ、値段は7ソル(259円)。


ちょっとちょっと! 高すぎない?
セットメニューでもまだ安いよ。


体も冷えて疲れきっていたのでしぶしぶそれを頼む。

スープ食べていると喉になにかが刺さり、すごく痛い。
災難つづきだ。



店を出ようとしたところで、イスコで泊めてもらった家族の男性にまたここで会った。
前回、道で休憩中にバイクで来た人と同じ人だ。

         ↑この人ね

「おお、こんなところまで来たのかー」

と再会をかるく喜びあい、かるい立ち話をする。
彼の話では、この先すぐHuambos(ウアンボス)という町があるという。

ホテルもあるということで、そんじゃあそこまで行ってみようということになった。

彼はレストランで休憩するらしいのでここでお別れ。
今度こそ本当にお別れになってしまうだろう。



山の尾根を通る。
両サイドが見下ろす崖になっていて少し怖いが、美しい道だ。


そこから道を下ってウアンボスの看板の下を通り、無事にこの日、町まで着けたのだった。



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