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導かれるままに Antofagasta




朝の7時にテントが叩かれ、こちらに向けてなにか言ってくるおじさん。

チリの人たちは早口でもごもごしゃべるのでよく聞き取れないが、どうやらテントを張っていいのは朝の7時までだったようだ。


この時期の7時はまだ暗い。
それでも、急いでる風にのんびりとテントを片づけ、支度をする。




さっきのおじさんは仕事で、この場所の整備しないといけないらしかった。

掃除をしながら
―― niño 男の子
そう呼んでいる小犬をかわいがるおじさん。

さっきまであんなに怒っていたのに、今ははしゃぎ回っている犬の姿を笑ってこちらへ見せてくれる。
そして
「どこから来たんだい?」


態度が真逆に変わったおじさんとしばらく話をする。
人間というのはよくわからないものだ。

区切りのついたところでお別れを言い、この"オアシス"を出発した。



ここから道路は広くなり、ときどき太陽光発電を利用した電灯も並んでいたりする。

砂漠のなかに立ち並ぶ電灯はすこし不自然な光景だった。




    ↑この先はこんな風になっているらしい。大まかすぎてよくわからない


このカメラの看板はおそらく絶景ポイントだろう。


しかしまわりは完全に砂漠。
砂しかない。

「なにを撮れと言うのだ」
とつぶやきながら一応まわりを写してみる。



ふつうの景色だった。



ここから下り坂がつづき、動くことなくバランスをとるだけで爽快にタイヤを転がすことができる。

疲れている体にこれは嬉しい。


すぐに次の村が見えた。
Baquedano バケダーノという、お化けが出そうな名前の村。
工場と鉄道の駅、そして家々が小規模にならんでいるところだ。



  
    ↑入口手前には砂漠の緑化活動の跡がみられる


見つけたレストランの食事は3200ペソ(512円)だった。

体は栄養を求めていたが、高かったのでスープだけを注文しようとすると、プレートのみの料理を2000ペソ(320円)に値下げしてくれた。
これは大変ありがたい。

サラダが多すぎて食べるのが大変だったが、とてもおいしかった。




村のなかを見てまわる。
人は警戒心が強い印象だが、建物は明るくて雰囲気はいい。




    ↑力士の絵が描かれたホテル兼レストラン


体が疲れていたので今日はここで休もうとも思ったが、まだ早すぎる時間だしあと少し進んだほうが明日楽になるだろう。

もうちょっとがんばることにした。




村を出ると、またあのカメラの看板が。

「だからなにを撮れと……」

一応写真を撮っておくが、やっぱりなにもない。



……と思っていたが、今このブログを製作中によく見たら、なにか写っているではないか。
これは、

 

地上絵だ!!


え、うっそ、
なんでこんなところに?

ふつうの幹線道路のわきに地上絵があるなんて。

ああ、実際に目で見たかった。
でもたまたま写っていただけでも幸運だったのかもしれない。




のぼり道を歩いていると、大型のトラックが停まって
「Antofagasta アントファガスタまで乗ってくかい?」
と誘われる。


え、また!?


しかし悩む自分。

大きな町に入る前に少し休んでおきたかった。
ホテル探しに時間がかかると面倒だし、どうしよう。

それでもトラックのおじさんの乗ってけコールに負け、乗せてもらうことにした。
自転車はうしろの荷台奥に倒しておき、助手席へ乗り込む。


思えばこの道はトラックに始まりトラックで終わったルートだった。



彼はベネズエラ出身で、こちらへ働きに来ているようだ。
ベネズエラは治安が悪いし、こっちのほうが儲かるから、と。

どおりで彼のスペイン語は聞きやすいはずである。

チリのスペイン語は全然聞き取れないと言うと、口をよこに開いて大きな笑顔を見せてくれる。



途中の山道で検問があり、警察官がこちらのパスポートを見ながら片言の英語で世間話をしてくれた。

警察官は世間話が好きなのだろうか。
ボリビアでもチリでもこんな調子だ。

親切ではあるし、こちらとしては助かるのだけど。




坂を登りきると、目のまえに背の高いビルが現れた。
アントファガスタは思っていたよりずっと大きな町のようだ。



「中心部に行く? それともビーチに行く?」

「どっちのほうが安いかな?」

「どっちも同じくらいだよ。おれはビーチのほうに行くけど」

「じゃあ、ビーチで」

ということで海岸沿いをずっと走ってもらい、降りる。

この近くに安いホテルがあると彼は言うがまったく見つからず、結局中心街へ行くことになった。


    ↑乗せてくれた人


    ↑海沿いの道からダウンタウンへと移動しているところ



    ↑中心部の公園


適当に歩いていると、スナック屋のお兄さんや道を歩くおじいさんが安いホテルの場所を教えてくれた。

最近はあまりホテルを自分で探していないなぁ。
ホテルマイスターの名が廃る。

それでもそこはなかなかいい場所で、ネコもいるし広くて居心地がよかった。
掃除はされているがあまりきれいではない。
それでも窓付きの広い部屋はすてきだ。





 


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