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さらば、飢えと安寧の日々よ Chivay~



そのときは突然やってきた。

お世話になった宿屋の主人ホセに別れを告げる。
いつ帰ってくるのかと聞かれたが、ここは遠いから多分もう戻れないと伝えてホテルを去った。


節約のために一日一食にしていた空腹の日々も、
疲れもなく大きな事件もなく毎日をゆったりすごしていた日々も、
これで終わりだ。


通りがけにいつもたむろしていたカフェへ。

オーナーであるフレディ夫妻と子どもがいた。
大きな荷物と自転車を見てここを出ていくのだと察知したフレディはとてもさみしがってくれた。

朝食に頼んだホットサンドとコーヒーは無料にしてくれ、あまつさえハムチーズサンド2つといつも買っていたビターな板チョコを大量に詰めて渡してくれた。


    ↑これでも数枚食べた


久しぶりの自転車旅行。

飲み物を大量につめこんだ後部の荷物は1分走るごとにバランスを崩し、よれてしまう。
そうだった。
自転車で走るというのはこういうことだった。

荷物の滑落やパッキングの失敗による背中の圧迫。
そんな普段は気にも留めないイライラ、ずっと忘れていた。

体力もそうだが、チャリダーの経験や勘を取り戻すのもしばらく時間がかかりそうだ。


    ↑荷崩れのせいで、この門を抜け出すだけでもかなり時間がかかってしまった



山道を登る。
4800mの峠を一度越えなければならない。

しかしこの落ちた体力で進むのは容易ではなかった。
ちゃんとトレーニングしておけばよかった。


    ↑以前登ったミスミ山を望む場所。奥の雪山がミスミ山


    ↑下をのぞき込むと、切り立ったコルカ谷


    ↑谷から目線を上げると波打つ山が光のコントラストを作る


    ↑砂の色合いがカラフルになっている


不安定だった天気も崩れてきた、2時半過ぎ。

後ろから追い抜かしていった赤い軽トラから親子が顔を出し、分かれ道まで乗せていってくれるという。

またまた車を使うのはシャクだったが、このままでは頂上にすらたどり着けそうにない。
少し迷って、でも乗せてもらうことにした。




   ↑↓アルパカの水辺があったので、停めて写真を撮らせてもらった





山の頂上ふきんは雲がかかっており、大きめのヒョウが降っていた。
視界が悪く2m先しか見えない。

「あのまま自転車に乗っていたら事故ってただろうなぁ。つい最近も大きな事故があったんだ」
とおじさん。

ここはかなり危険らしい。
そう聞くと、乗せてもらえてよかったと思う。


    ↑視界が悪いのでクラクションを鳴らしながら走る


    ↑山頂付近の湿地帯。ここにもアルパカがたくさん


車で一気に標高を上げたせいで酸欠になってしまった。
高山病だ。

最初はあくびが何度も出るので疲れているのだなと思ったが、そのうち手足がしびれて具合が悪くなっていった。

しかも車酔いのダブルコンボ。
数回休憩をはさんでもらい、車から降りて地面に横になる。

それを繰り返して、なんとか事なきを得た。
やっぱり車は苦手だ。



アレキパとプーノの分かれ道で降ろしてもらい、息子に部屋を見つけてもらった。
よかった、これで休める。

そこはドアを止めるストッパーもなければ壁は薄い木が張られているだけ。
天井は穴の開いたトタン一枚で、強風にあおられて大きな音を立てている。
大きな窓からの見晴らしはいいが、そのせいでちょっと寒い。

これで20ソル(700円)ではちょっと高い気もするが、小さな検問所にちょっと店が並んでいるような何もない場所なので部屋に泊まれるだけありがたい。




この辺のレストランはどこも高かったので何も食べず、疲れに任せて夕方過ぎには寝てしまった。

初日からこんな状態で、本当にこの先やっていけるのだろうか。


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