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町の起源になる場所 Chimbote




2016/3/7  Perú, Chao チャオ


先は走りやすく、歌なぞのんきに歌いながら気持ちよく走る。
久しぶりに快調だ。

遠くに見える山の面に砂がかかって、まるで大きな砂丘のように見える。



向かいで荷物を満載にした自転車乗りが走っている。
珍しい。

相手もそう思ったのか、こちらを2度見していた。
手を振って挨拶。



休憩中に食べようとしたチョコペーストが溶けていて、手にべたべたついて大変だった。

中米ほどではないにしても、やっぱり暑い。



    ↑なんにもないね。でもこういうところを走るのは好き



    ↑砂の中に金色のつぶつぶが混じっている。太陽でキラキラ光っていてきれい



気が付かないうちにのぼり坂になっていて、気が付かないうちにバテていた。


そんな中、向かいから今度はバイクが走ってくる。
見るからに旅行者という出で立ちの彼は、こちらを見るなりUターンして戻ってきてくれた。


エクアドルに住んでいる彼は、ペルーのリマで日曜日に行われていたローリングストーンズのライブを見に行ってきたらしい。

日曜日といえば、トルヒージョを出てきた2日前。


どおりで昨日、テレビのニュース番組でさんざん

I can get no satisfaction!

を連呼していたわけだ。



   ↑GoProでこちらを撮影するライダー

彼は常時ハイテンションで話し、その調子で去っていった。



通りがかる車の人たちもみんなクラクションを鳴らしてくれたり、親指を向けてくれたり、手を振ってくれたりする。

それほどこの道はライダーやチャリダーが多いということか。
さっきも自転車の人とすれ違ったのを思い出す。




しばらく何もない砂漠を走ると、野外フェスのような場所に出くわす。

道のわきにワラで作った小屋が、遠くまでずらっと並んでいた。
何かわからないが、キャンプ地のようなものなのか。

小屋の素材になるだろう細い丸太やワラを積んでいる軽トラが多い。


このように人がいっぱいいる場所だと、食べ物や飲み物を売り出す人も現れるのが世の中の常。
それまで無人の砂漠だったので、喉が渇いてしょうがない。

ジュースを売っているところで一つ頼むと、その売り子さんに
「あなたもここに住むの?」
と聞かれた。

どういうことか聞いてみる。
みんな各地からこの場所にきて、勝手に自分の家を建てているのだとか。

一時的な野営ではなく、居住区だった。
もしかしたら、これは町が出来上がるまでの最初の景色なのかもしれない。

これから数年後に家が建ち始めたら、ここはなんという名前になるのだろうか。



    ↑簡素な家がひしめき合っている


  
    ↑砂漠の真ん中でアイス。なんて贅沢なのだろう


その野営地で一泊しようか迷ったが、今日は次の大きな町まで行きたかったので、そのまま通り抜ける。




そこからが大変だった。




まっすぐに伸びた長い長い道路があった。

とにかく長い。

どこまで行っても先が見えない。

奥は蜃気楼でゆがんで見える。


ひら地ではあるのだが、これが本当につらかった。






どんなに走っても、その努力が報われないような無力感におそわれる。
本当に進めているのだろうか。

いつもはカーブが多いと文句を言うのだが、先が見えすぎるのもよくないのだとわかった。


向かい風が強く、スピードが思うように乗らない。
これまで結構な距離を走ってきたので、脚にかなり負担がかかっている。
腹も減った。





疲れた・・・・・





こんな何もないところで一泊するのは危険ではないか。
テントも丸見えだし、夜は危ない気がする。


砂漠の真っただ中で疲れ切り、正直不安しかなかった。

やっぱりさっきの野営地に泊まればよかったんだ。
しかし今からそこまで戻るにも2時間はかかる。


「もうダメだ、危険でもここで野宿しよう」
そう思った。


遠くに点のような看板が見えた。
とりあえずそこまで行けば、少しくらいはカモフラージュになるだろうか。
自転車も地面に倒して置いておきたくないし、あそこまで頑張ろう。


近づいてみると、その看板はリゾート施設のもので「もうすぐそこですよ」という内容だった。

これは救われた。
もう腹が減ったし喉も焼けつくようだ。



    ↑リゾート施設。プールや遊具があり、池にはガチョウの群れが飼われていた



中のレストランはさっき終わってしまったらしい。
スタッフたちが軽トラに乗りちょうど帰るところだった。

なんとか引き止めることに成功。
ギリギリセーフ。


しかしここは観光地。
料理の値段はほかに比べ、4倍はしている。


あきらめてそこを去ろうとした時、

「ちょっと待ってて。ご馳走してあげる」

と言われ、お菓子と弁当を持ってきてくれた。
しかもタダで。


本当に腹が減ってしょうがなかったので、とてもうれしかった。
弁当はそんなにおいしくなかったが、そんなことはどうでもいい。
彼らの気遣いがとてもうれしかった。


まさにバクバクという感じで夢中で弁当を食べていると、プールの監視員風の若い男性がこちらへきて、今日はここでキャンプしたらいいと言ってくれる。


泊まるところも手に入れることができた。
なんていい日なのだろう。



    ↑プール掃除を見学


ここは蚊がものすごく多く、しかもやつら、刺すのが異様に早い。
一秒じっとしていたらすぐさま刺してきやがる。

深夜中ここを監視しているおじさんは、大きな網の袋をすっぽりかぶって座っていた。
それくらいの量なのだ。



2016/3/8


邪魔にならないよう朝早くに出る。


    ↑早朝の光景。朝日に輝く



そこから20~30km走り、ようやくChimbote(チンボテ)についた。


ホテルは目についたところに入り、一発で決定。
ホテルを見極める目はまだまだ現役のようだ。


室内は静かで清潔でとてもいいところだし、セキュリティもバッチリ。
値段も25ソル(875円)と良心的。
セントロまで少し遠いが気になるほどではないし、なによりスタッフたちの接客がとてもよかった。
暑いところでこんなに親切なのは珍しい。

問題があるとすれば、部屋の中にいる無数の蚊だろうか。



チンボテは大きなビルが立ち並ぶ都会で、海沿いにある港町。
海の向こう側には真っ白な山が見えた。

 
    ↑船もたくさん停泊している



    ↑三度笠のようにかかっていた雲が下へと押し流されているところ



    ↑観光客向けのリャマ


ここのスーパーで、自分が好んでいる BOONES というワインが、なんと半額になっていた!
即買い。


酒に弱い自分は、ここでの連泊を余儀なくされた。






という言い訳。

本当はここが気に入ってのんびりしたかったのと、体が疲れているような気がしたからだった。

町を歩きながら、この時ばかりはとだらけた。


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