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結局会えない運命にあるのはわかっていたのだ … Riobamba



目が覚めたら朝の10時。


これはマズい!と目を覚ますが、今日は日曜日。
ここは学校。
外は雨。

これじゃ邪魔にはならないでしょうとのんびり起床して寝具もろもろを片付ける。




グラウンドでは少年たちが遊んでいた。

雨の中で、はしゃぎまわる子どもたち。




ああ、自分も昔はこうだったっけかなぁ。


…いや雨降ったら雨宿りしてたなそういえば。
靴の中がグジュっとなるのがイヤで。





テント以外ひととおり片付け終わったころ、子どもたちが奥で大人とこそこそ話しているのが見えた。
こちらを指差しているようである。


怒られる前に出発しようと片付けに専念していると、そこへその大人がやってきた。


「ここで寝たの?
 寒くなかった?
 今日も泊まるのかい?
 ここは寒いから部屋の中に入れてあげるよ」


と気遣う言葉をかけてくれた。

もう出発できる状態に入っていたのでありがたいながらも断り、学校を出る。





1kmほど進むともう少し大きな村が現れた。

どうやらここが本当のMocha(モチャ)だったらしい。
それなら昨日はここまで走ってくればよかった。





朝食とも昼食ともとれない時間に食事をする。

魚のスープにポップコーンとバナナチップスというよくわからない組み合わせだが、なかなかおいしかった。



そのままここを通りすぎようとするも、どうにもこの町が気になりだした。

看板にツーリストという文字が書いてあったし、もしかしたらなにか面白いものが見られるのかもしれない。

そう思うとどうしても気になってしまい、3kmほどのぼった坂道をくだりモチャへと逆戻り。




時間をかけて眺めたが、きれいな公園に像が建っていたり商店街があったりしただけでたいして見所はなかった。

ホテルもなかったので、昨日はここに来る必要はなかったということがわかった。

もし晴れていたらきれいなチンボラソ山の姿が見れたかもしれない。





観光で少し疲れたが、気を取り直して進む。

ここからのぼり坂がつづき、かなり辛い。




しばらく走り、看板には次の町まであと20kmの文字。

スタート地点には30kmと書かれていたはずだ。
現在すでに昼の3時をまわろうとしている。

これは今日中には着けないだろうとあきらめを持った。




腹も減り、雨も降ってきた。
ちょうどいいタイミングで現れたレストランに直行し、スープを注文する。

すると、ほかのチャリダーがこちらへ来るのが窓から見えた。



ひとりずつチャリダーは増える。

彼らは3人で走っているらしく、2人はオーストラリア人、もうひとりはフランス人だそうだ。



最初に入ってきたオーストラリア人はコーヒーを注文し、ほか2人はなにも頼まない。
フランス人が$1.40の板チョコを一欠け、大事そうに食べている。


なるほど、と思ってしまった。
あまりほかのチャリダーを見る機会がない身としては、これだけで勉強になる。

自分なら一瞬でなくなるからねそれ。




「Riobamba(リオバンバ)まで行くのか。じゃあ一緒だね。
 そこの消防署で泊まらせてくれるか聞きにいくんだけど、よかったら一緒に行くかい?」

と誘われた。


自分は遅いから無理だろうことを伝えると、ここから先はくだり道だから大丈夫だ、とのこと。
それに安心し、ついていくことにした。



消防署で無料で泊まらせてくれるとはよく聞くのだが、自分は今までそれをしたことがなかったので興味があった。










    ↑荷物少なっ!これぐらいがいいんだろうな本当は。




さて、初めは調子よくついていっていたのだが、風景写真を撮るために立ち止まったら最後、5分で見えなくなってしまった。

これはいつものこと。



そして、自分を置いていくとどうなるのか、彼らは知らない。

 ※参考 カナダ(色々バグってる)

      ニカラグア




    ↑たぶんあれがチンボラソだと思うのだけど、雲が邪魔で見えない。残念だ




    ↑ちょっとずつ晴れてくる




    ↑でも山はやっぱり見えない






景色もよく晴れてきて目的地にも今日中に着けそう、そしてほかのチャリダーに会えたということでかなり高揚している。

気分よく歌を歌いながら坂をくだっていく。



    ↑くだってます



途中でホテルがたくさん並ぶ村を通りぬけた。

もしここに泊まって晴れ間を待てば、チンボラソ山が見えるかもしれない。
自分ひとりだったらきっと泊まっていただろう。

これが、連れがいる弊害のひとつだ。


もやっとした気持ちを抱きつつ、アップダウンを繰り返す道路に身をまかせた。




そしてついにリオバンバに入ることに成功。






きっと彼らはどこかで待っていてくれているだろうと信じてどんどん町の中へ入っていくが、一向に見える気配がない。



ひたすらまっすぐ進んで、大きな公園についたところで彼らを捜すのをあきらめた。


もうじき暗くなるし、彼らを捜すのは難しいだろう。
消防署に行くという情報はあるが、以前地図で見た感じだと結構大きな町だ。
それを探すのに疲れた体で何時間も歩きまわるのはさすがにばかげている。


それにここの公園はfree wi-fiが飛んでいるみたいで、生放送に使えるかもしれない。
向こう側にはスーパーがあるし、近くに銀行もあるしおいしいアイスクリームが売っているコンビニもある。

これは好条件だと思い、すぐ近くのホテルへ。




ここがかなりいいところだった。

スタッフの女性がかなりいい人で、選んだ部屋はバルコニーつき。
そしてドレッサーや鏡台まで備えついている。





部屋も広く、これで$10は安い。



    ↑窓からクライミング施設が見える



欲をいうと、ネットがものすごく重いのとまわりのレストランがどこも高すぎるのがネックといえる。


そこは残念だが、しかし自分はここをおおいに気に入ってしまった。




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あれが…チンボラソ山? Ambato〜Mocha



なんだか腹の調子がよくなってきたみたいだ。

なにか重い病気なのではないかと心配していたのだが、腹痛は徐々によくなっていった。


実際に精密な検査をしてもらったわけではないので詳しいことはわからないのだが、でもまあなんとかなりそうだ。



ということで都市アンバトから脱出する策略をねる。



ここから次の大きな町まで65km。

朝早く起きられれば一日で十分たどりつける距離である。



ここをでる頃合いを見計らうが、どうしても昼に起きてしまうのがロングスリーパーの性分。

これはもうしょうがない。

このまま日数を延ばしても切りがないので、このまま行ってしまおうと昼の12時に重たい自転車と怠惰な体をホテルから引きはがす。




しかしさすが都市といったところか、この町の出方がわからない。

いちおう地図で確認しては来たのだが、俯瞰でのそれと現実とではまったく違った様相をみせている。

こっちでいいのか不安になりながらも、なんとか町を脱出し正しいルートに入ることができた。




   ↑街中で見つけたタイルアート 





道はそれなりに平たんだが、なんだかちょっと体に力が入らない。

さすがに休みすぎたか。
最近はホテル泊まりが多いし、すこし節約を考えなくてはいけない。



    ↑雲の影がくっきりと地表に映しだされている



    ↑奥に黒く大きな山が見えるが、雲に隠れている



    ↑この低スペックカメラがどのくらいまでアップに耐えられるか実験した写真。起伏がわりかしきれいに撮れていて満足





休憩を多くとりつつゆっくりじっくり進んでゆく。



実はここの道を走るのをすこし楽しみにしていた。

というのも、アンバトから次の町までの間に「チンボラソ山」というエクアドル一大きな山のよこを通るはずなのである。



右を見れば雄大なチンボラソ山が目の前に・・・
という想像をしていたのだった。



    ↑山に畑が並んでモザイク状になっているのがおもしろい





残念ながらこの日はその山を拝むことができず、夕刻の時間。

ちょうど入ったMocha(モチャ)というかわいらしい名前の村でキャンプをする。

まわりにはなんにもない。
家が数軒しか建っていない。



    ↑遅くまでバレーボールをするオヤジたち。レンガのむこうには学校がある



商店の人にキャンプの許可を聞くと、すぐそこの学校の敷地にテントをたててもいいと言ってくれた。

そうか、明日は日曜日だから学校が休みなのかもしれない。




近くに食堂がなさそうだったので3ヶ月ほどまえにコロンビアの山の中で買った魚のトマト煮缶をコンロであぶり食べる。


商店の脇の崖からは眺めのいい景色が。






…あれ?

もしかして、あれがチンボラソなのか?
いまだに雲がかかっているが、ほかに高い山も見当たらない。


でもなんかこうもっと雪山!って感じのを想像していたのだけど。
wikipediaにもそういう大迫力な写真が載っていたのだけど。
雲で隠れているせいかな、それとも遠いから?


まあ明日にはもっと近くで見られるでしょうとテントに入って就寝。



上の写真を撮った後チンボラソ山にレンズ雲がかかっていて、夜になると雨に変化。
自転車と一部荷物、テントがびっしょびしょに濡れてしまった。


テントに入ったあとだったので体は濡れなかったが、いつまでたっても止まない雨にうんざりし、深夜3時ごろに飛び起きて学校の入口ふきんに急遽引っ越しした。



濡れた影響がのちにでなければいいのだが。

たとえば中がぐちゃぐちゃになってるとか、自転車が錆びて折れるとか、ブレーキが削れて止まれなくなるとか、カビるとか・・・


そんな心配をしていたせいか、この日は遺跡のような観光地で自転車の後輪と荷物を盗まれるという夢をみてしまった。



最近心配事ばかりだな。



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小さいと思っていたAmbatoが都市だった


腹は心配だが、そろそろラタクンガを離れなくてはいけない。

トラックの荷台にソフトクリームの機械を置いて道路で売っているソフトが25セントと安くて、なおかつおいしかったのをラスト日に知ったのが心残りだ。



南へ向けて出発。

地図によると、細かい町が何個かありつつその先の大きな町まで約30kmほどらしい。

これなら今日中につけるだろう。




    ↑走っているときに見つけた空薬莢。だれか撃ったのだろうか



その細かい町のうちのひとつSalcedo(サルセド)の町。



通りすぎただけだが、とにかくアイスクリーム屋が多いこと多いこと。

見つけただけで10店舗以上はあっただろうか。





景色を撮ったり食堂で食事したりしながら進んでゆく。






そしてAmbato(アンバト)に到着〜。






って思ってた以上に大きいんですけど!!!


もう都市じゃんこれ。
こんなところだとは思わなかった。



というかなんか行く町行く町みんな大きいんですけど。

エクアドル、おそるべし・・・




    ↑高い山が見える




    ↑ここから見る限り崖のギリギリに家が建ってるけど大丈夫それ?




    ↑隙間からのぞく犬。めっちゃ吠えられた。けどかわいい




    ↑橋の上から電車が見えた



ホテルを探しながら歩くが、どこも高い。

安くていいホテルはないか、屋台の串焼きとジュースを飲み食いしながら探す。


大きな交差点に交通整理をしていた警官がいたので、安いホテルの場所を聞いてみる。

するとわざわざそちらのほうへ連れて行ってくれた。


なんていい警官だろう。
パナマのとは大違いだ。



一番安そうなところは部屋がうまってしまっていて入れなかったが、その近くのホテルは$10でwi-fiがついているしホットシャワーも出る、そして子犬が飼われているのでそこで承諾。

そんなに安いわけでもないが、まあ平均値だろう。
ほかが$15$20いっていたので、この町のなかでは安いほうなのではなかろうか。


部屋は暗くてせまいがそこには別に文句はない。
ただノミか南京虫かなにかがいるようで腕と脚をさされてしまった。




ここでまた一度血便が出たようだったので、もう一度病院へ行こうか迷った。

いやでも本物の血かどうかもわからないし、ただの痔かもしれないし、なにより病院でいちいち伝わらない説明するのがとても億劫だ。



そんなわけで、様子見と体を安静にする目的でここに数日間こもっていた。

不安な夜をすごす。


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病院の国、Latacunga



            

注意:今回はかなり汚い話が入ります。波線から下は閲覧注意です。


そういうことなので先に拍手コメントの返事を書いていきます。




sさんへ

いつもご心配おかけします。
自分は体が丈夫というわけでもないので何度もピンチに陥ったりしていますが、運良くここまで無事でいられています。
まわりの人の協力も大きいのでしょうね。




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胃痛腹痛でダウン、Machachi(追記)



小さいながらも平和な雰囲気が気にいっていたタンビージョという村を出る。



今日は気合いが十分。
天気もわるくない。


いっぱい走るぞ、とスタートを切ったものの、いきなり胃が痛くなりはじめた。

ぎゅーっとした痛みとともに、吐き気がこみあげてきた。


それから腹痛が襲ってくる。
腸のなかがボフンボフンと飛びはねているのがわかる。




どうしたというのだろう。


もしかして昨日の昼に食べたチャーハンのような料理がわるかったのか。
たしかにあれを食べたとき、油が古かったのか米がパサパサすぎたのか、胃にゴロゴロとたまる感覚があった。


それとも夕食に食べた野菜がダメだったとか。
生野菜で塩もレモンも酢もかかっていなかったから、それが原因かもしれない。


もしくはウォーターボトルの水か。
後からなかを見たら、藻のような苔のようなものが浮いていたのに気がついたのだった。
走っている最中ゴクゴクのんでしまっていた。


それともストレスとか?




どれも怪しい。


軽い食中毒ならまだいいが、虫が体内に入ったとか炎症を起こしているとか、はたまた胃がんだったとかだったら本当にイヤだ。




とにかく腸内の小爆発をおさめるため、ガススタンドのトイレを借りる。
しかも2度も。


それでも胃腸の痛みがつづいていたので、これはもうダメだとここMachachi(マチャチ)という町で休むことにした。

走行距離約5km。


本当はこの日70kmほど走る予定だったので、かなり無念だ。





適当にみつくろったホテルでは腹にやさしいお茶、おそらくカモミールティーだと思うが、それを差し入れしてくれたりホテル料金を少しさげてくれたりと世話になった。


しかしこの町、物価がまわりよりもちょいと高い。
せっかく節約してきたのに、こんなところで散財してしまうなんて。

くやしいがここはしかたがない。
体調がもどるまで安静にしていよう。



しかもこの町、食堂が少なめ。
なにが多いかって、鶏肉系のジャンクフード店が軒をつらねているのだ。

胃が弱っているときによりにもよって脂っこいものばかりなんて。






実はキトの滞在が長すぎてこのブログが現在に追いついてしまっているので、これ以上ここに書くことがいまのところない。

ホテルで寝ているだけだし、胃は痛いし。



そういうわけで、ここのところ更新できなかったのはネット環境がなかったわけではなく、体調不良です。

そろそろ出発できると思うので、また更新していきたいと思います。





    ↑マチャチではbuffがよく売られているようだ。火山灰よけのために販売しているらしい。エクアドルのハイウェイ料金所の見張りはみんなガスマスクを首にぶらさげていたので不思議だったのだが、こういうことだったのか。




    ↑マチャチの協会内部。派手ではあるが柱のターコイズブルーがきれいで見ごたえがある。奥の窓はステンドグラスになっているのだが、カメラの設定の関係で光ってしまっている。




    ↑seco de polloを注文したところこのようなものがでてきた。seco
とは乾燥という意味があるのでフライドチキンかと思っていたが、どうやら煮込み料理のことらしい。ほかの国ではpollo sudadoという。polloは鶏肉ね。




    ↑小さな雑貨屋を見学。キッチュな柄の食器がおいてある。




    ↑日本の雑貨屋よりもホントに"雑貨"という感じのものを置いていて、時計・ポット・水筒・スタンドライト・置き物・ミキサー・懐中電灯・グラスなど、見た目より実用性の高いものも多くそろえられていた。




    ↑この右にある茶色グラデーションのカップが欲しい。底も深そうだし。もう少し大きいほうがいいけど。




    ↑カフェのお菓子売り場。ポップな飾り付けで目に楽しい。



2015/10/4追記
http://www.afpbb.com/articles/-/3057394

マジか!?
2ヶ月前に噴火があったらしいですね。
しかもちょうど今いるところの火山が。

通りでこんなにマスクつけてる人がいるわけだ。

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野山へ出て行く…キト脱出






気がつくとキトには11日間も滞在していた。

最初は印象がわるかったキトも、いまではいいところかもしれないと思えるようになってきたが、しかしそろそろ出発しなくては。


さきにお金を払ってしまわないと、これまたダラダラ出発が延期してしまうと思ったので、前日に宿の支払いをすませる。




つぎの日は10時すぎに起きてしまい、あわてて支度。
そしてオーナーのホセにさよならを言う。

「ああ、じゃあ」

というそっけない言葉がかえってきてそれっきり。


ほかの人にはもっと手厚くさようならを言っていたのに。
まああまり話はしなかったし嫌われていたのだな、とちょっとがっかりしながら出口へ。



いざ戸外へ!というときになってホセがこちらを呼び止めた。

出口ふきんに置いた自転車が心配だったが、なんだろうと戻ってみる。


すると、
$6足りないから出せ、と言うではないか。



ここで色々と手違いがあったことが発覚。

まず、泊まっていた部屋は$5ではなく正式には$6なのだそう。
そして昨日、11日分ではなく間違えて12日間分払ってしまっていた。

この2つの間違いで事件はおおきくふくれあがる。



ここについた当初、ホセにいくらか確認したときには$5と言っていた。
しかしいま従業員が言うには、いままで泊まっていた部屋は$6でもっとせまい部屋が$5なのだという。


いやそれなら窓なんていらなかったのに。
ていうか、$5って言ったんだから$5で済ませよ。



ここで従業員は、
「じゃあ足りない$6はおまけして払わなくていいことにする」
という妥協案を守備表示で召喚。



しかし自分としては、1日多く払ってしまったのだからその分を返してほしい。


1年以上前にニカラグアでぼったくられ、なにも言えずに支払ってしまったことをいまでも悔いているのだ。




だっておかしいでしょ。

「こちらは$6の損失、あなたは$5の損失ってことで」

っていう大岡越前の三方一両損みたいなこと言ってっけども!
なんでこちらが$5多く払わなくてはいけないんですかねぇ。

もちろん間違えて多く払ってしまった自分の過失もあるが、それでそのまま返さなかったら横領でしょ?



ちょうどそばにいた韓国人が仲裁にはいってくれたが、こちらは一向に引かず。

「ぼくたちも$6で払ってるし、$6安くなったと思えばちょうどいい手の打ち所なんじゃない?」

と言うが、
「だってホセが$5って言ってたし!」を攻撃表示で召喚、速攻魔法[増殖]で量産しつづける。



ホセの件では従業員は丁寧にあやまってくれたが、ホセはあいかわらず自分に非はないの一点張り。

いやべつに謝って欲しいわけじゃない。
$5返せって言ってんの!



結局、「今回だけだからね」と$5返してもらい、代わりにこのホテルを宣伝しておいてほしいと、ここのホテルの案内が書かれたちいさな紙を3枚渡された。




…って、だれがするかボケェ!!!!




と、そのときは思ったのだが、最後まで丁寧な口調でつきあってくれたその従業員のためにやってあげることにした。


自分から宣伝はしない。

ただ、その紙をどこかに置いてきてあげよう。




これでこの旅のミニ目的がまたひとつできあがった。

一つ、ブラジルのベレンまで本を届ける

一つ、パンフをどこかに置いてくる

こちらはすぐに達成できそうだ。




階段まで見にきたホセを軽くにらんで、ホテルから去っていった。





心のなかは大層ブルー。
足どりが重い。

これからしばらくは大人しくしておこう。



あんな無茶をしたんだから、きっとなにか代わりに悪いことが起こるだろうなぁ、と考えながら進んでいくと、メガネが割れていることに気がついた。

まあこれくらいならべつに。
メガネがなかったら生きていけないわけでもないし。



ちょうど眼鏡屋のよこを通ったので、そこで応急処置をしてもらった。
ボンドのようなものでフレームとレンズをくっつけてくれた。

しかも無償で。


「お金はいいから。旅行を楽しむんじゃぞ」


やっぱりここは嫌いになれないんだよなぁ。





キトを出て南へいく道を事前に調べていたはいたのだが、都会の道路は複雑でよくわからず結局勘をたよりに進む。


どうやらハイウェイとは違う道路に出たようだ。

道が徐々にせまくなっていった。




ホテルの件をひきずっているため、なかなか進む気にはなれない。
進めど進めど町がとぎれない。

切ない感じの歌を口ずさんで気やすめ程度に自分をなぐさめながら歩いた。




そろそろ夕方だし街中でキャンプはあまりしたくないので、目についたホテルに何度か入ってみるが、

$25、

$12、

ネットはなし。



高い。





トボトボと進んではT字路にぶちあたり、左へ右へと方向転換。

するとこんな景色が。




高い山がそびえたっているのが見える。
それもくっきりと。

上のほうは岩壁になっている。

その右側には雪がかかった高山。
火山なのか、てっぺんから煙がすこし出ている。




目のまえの巨大な自然がはげましてくれているような気がして、すこしずつ元気をとりもどしてきた。


と、走る意欲がわいたところで時刻は5時。
タイムオーバー。


もうすこし走っていいホテルがなかったら適当にキャンプしよう。

そう考えながらあと一息、あと一息と前進する。




いつの間にかハイウェイへ戻ってきていたのだが、ここからの風景がとてもきれいだったので写真を撮りまくった。



    ↑すでに日が暮れかけている



    ↑下り坂の目の前に現れるごつごつした山。岩肌が夕日に照らしだされてより立体的になる



    ↑遠くまで円形の町はつづいてゆく



    ↑墓場と山脈。光が強くて緑がビビッドに



    ↑山の左側は荒野がひろがる



    ↑空色と雲のコンビネーションもすばらしい




    ↑山の低層は表面がボコボコしてジオラマのようなちょっと不思議な形をしている。右下の林もノスタルジックでいい雰囲気





Tanbillo(タンビージョ)という小さな村に入り、ここにホテルがあるということでそちらへ。


値段は$10。

wi-fiもあるしかなりきれいなところだが、それ以上にスタッフたちがとても元気で温かい。


この村の人たちはみなこのどこの馬とも知れぬ外国人に優しくしてくれる。

それが嬉しかった。




久しぶりに熱いシャワーを浴びて、異臭のしない清潔なベッドで寝ることができた。



それにしてもスクレの毛布はなぜあんなに変なにおいがしたのだろうか。
あんまり悪く言いたかないのだけれど、あれは本当に不思議だ。


魔法陣グルグルという漫画で、主人公2人に変なおやじがくさい毛布をかけるシーンがあって、それを読んだ当時は毛布にくさいもなにもないだろうと思っていたのだが、


いやあったわ。

くさい毛布が。


本当に存在していた。



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キト旅行者のための[2015年度版]ちょっとした情報と食器とお菓子




キトへ来た人のために一応情報でも残しておこうかなと思ったのでここにすこしばかり書きます。

たいした情報はないのであしからず。



ホテルスクレの情報は    キト観光その1

赤道の情報は        キト観光その2

新市街マリスカルについては キト観光その3 を

ごらんください。




自分はスクレに泊まっていたので、その周辺のオススメの店を書いていきたいと思います。



地図上の中央やや右下、赤い四角ぶぶんがスクレ。
もしかしたらずれているかもしれませんがおそらくこのへん。


スクレの斜め向かいにはサンフランシスコ教会がある広場があります。

その通りをまっすぐ進むとスーパーがあります。
ほかにも近くに3店くらい小さなスーパーがありますが、一番行きやすいのはここです。



キトで雑貨屋を見たかったのですが見当たらなかったので、しょうがなくスーパーの食器を撮ってみました。











日本とそこまで変わらないですね。

値段は100円前後。
100円ショップと同じくらいと考えると、そんなに安くもないのかなという印象ですね。



日本から輸入している商品もたまに見かけます。

  

チャッカマンがちょうど必要だったのでこのガスライターを買いましたが、これが粗悪品でよくありませんでした。

ロックのレバーが固すぎ。




地図にも丸をつけているのですが、

  ____ ☝こっちに行くとスーパー
⏋ ⎾     ⏋⎾
 │   │ 公園   │ │
⏌  ⎿____⏌⎿______

         ⎾○ホテル
          │


この道。
この赤い矢印を行くと次のブロックの角にカフェレストランがあるんですね。


そこのソフトクリームがとてもおいしい!


$1と値ははりますが、味はとてもおいしかったです。
北海道のヘタな牧場ソフトと対はるくらいおいしい。



その近辺には50セントという安さでソフトクリームが売られているところが何ヶ所かあります。

味は$1のものにはかないませんし量もすこしだけ小さいのですが、そのソフトも十分おいしいので、あまりお金を使いたくない方はそっちを探して買ってみるのもいいかもしれません。




それから
              ↓



地図の中央やや左上にある丸の部分。

もしかしたらこれもズレているかもしれませんが、そこに大きな写真がついた柱がたくさん建てられている小さめの広場があるんですね。




そこの角のカフェがオススメ。
コーヒーが50セントと安く、かつ量もあっておいしいです。

昼食(almuerzoアルムエルソ)は$2.25と安くはありませんが、肉にニンニクが効いていて非常においしかったです。



しかしこのへんは$1.50や$1.75で料理を食べられる場所もときどきあるので、節約したい方はそちらを探すほうがいいでしょう。



ホテルを出て左手(西側、地図だと下)へそのまま数ブロック行くと安い食堂が何個かあります。
地図に長丸をつけてあります。

左手がわにある$1.75の夕食(meriendaメリエンダ)がおいしくて量もそこそこあり、よく通っていました。

もう少し奥に$1.50のところもありますが、量も味もイマイチ。





キトでよく食べたお菓子はこちら。





左上はチョコがついたマシュマロのお菓子で、エクアドル入国時からよく買って食べてました。
値段は$1.25。
安めで腹持ちがいいのですが、一個一個が大きいのであっという間になくなってしまいます。

スーパーではあまり見かけないので、小さなお菓子屋で探しましょう。


左下はマーブルチョコ。
M&Msよりは味は落ちますが量がかなりあり、スーパーで買えば$2.00いかないくらいです。
自転車走行中やバス内での間食にちょうどいいかも。


右の袋は、中にフルーツフレーバーのジャムのようなものが入ったチョコ。
値段$2.10くらい。
これがかなりおいしかったので、食べ終わった次の日にまた探しにいったのですが、どこにもありませんでした。

どこかのスーパーで買ったはずなのですが、どこだったかなぁ。
もう売り切れてしまったのかもしれません。
心残りです。




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新市街へいこう…キト観光その3




今日はですね、いままでまったく縁のなかった新市街、マリスカル地域へと足をはこびたいと思います。




そこでちょっとご相談が。


あのですね、前回の記事で

「写真を減らしまぁす!」

なんて高々と宣言したばっかりなんですが、



今回も写真はがっつり大盛りです!!!




やっぱり観光してるのに写真をあまりつけないというのは難しい。
というか、このマリスカル観光があまりに楽しくて、そのテンションの高さを写真の量で判断してくれればな、と思います。

なにとぞ、なにとぞ。





さて、
ちょっと見にくいんですが、下の地図をご参照ください。(クリックですこし拡大可能)



これがキトの地図の一部です。
右下のぐちゃぐちゃっとしたところに赤い小さな丸と矢印をつけたのですが、そのあたりが今泊まっているホテルスクレ。

そして左上の大きな丸が新市街と呼ばれるマリスカルです。



なぜマリスカルに行くかというと、どうやらアウトドアショップがいくつかあるそうで、量はないけど質はなかなかどうしてな代物なんだそうです。

そこでちょっとのぞいてみたいなーという気持ちが高ぶってきたので、観光がてらに行くことにしました。




とりあえずマリスカルという名前は調べましたが、さっそくどこにあるのかわからないので、カテドラルの近くにある観光所でアウトドアショップの場所を聞きこみます。



受け付けのおねえさんが印をつけてくれました。

自転車マークの上にある青丸がそのアウトドアショップ。
バス停の名前を2つ丸をつけてくれ、そこで降りると近いですよ、と教えてくれました。



が、近そうなので歩いていきます。




アイスクリームを買い食いしながら歩いていると、楽器屋がならぶ通りに出ました。



                     ↑


お、オーボエよおおおおおぉぉぉおおx!!




なんと、いままで旅行してきてもなかなか見なかったオーボエ、そしてファゴットまで並んでいるではありませんか!


高校生のころ部活でオーボエを吹いていた時期があったので、その親近感は異常なほど持っています。


値段は約25万円。


新品ならかなり安い!

でも見たところ中古っぽいからそれだとまあ妥当かな、というところでしょうか。



ショーウィンドウにへばりついて口元をほころばせながら楽器を眺めているアジア人に、まわりの歩行者もおののきを隠せなかったことでしょう。






右にはプラスチックのカウベルとパンフルート、真ん中には鍵盤ハーモニカに混じって小型電子ピアノがありますね。

左端にみえる丸いつつはなんだろう。
ブブゼラじゃないだろうし。
ディジュリドゥでもないだろうし。




店内に侵入。




プラスチックオカリナがありました。
ホールは10個か。
足りないなぁ。

説明書きが日本語だったので日本から取り寄せたのでしょう。
だって見たことあるもん、これ。



せっかくなので楽譜をみせてもらいましたが、いいのは見つからなかったので残念ですがなにも購入せずに退出。





ボンゴにジャンベにアコーディオン。

なぜか拡声器もあります。
この形をみるとどうしても椎名林檎を連想してしまいます。


ほかにもアンプやミキサー、DJミキサーなどの機器類も豊富にありました。
それらはイストリコ(今滞在している地域、旧市街)にもあったのですが、いややっぱり都会ってのはすごいですね。



    ↑入口に貼ってあった西遊記のポスター





もう少し歩くと、アジアンチックな店がありました。
アジアンチックというか・・・



    ↑銭だ。日本のものかな?





骨董品屋みたいな感じでしょうか。
七福神や金のなる木などその数豊富。

高そう。





そんなこんなで着きました。
アウトドアショップ。


    ↑andes6000という店

店中には愛用しているbuffもあったりして、ウキウキしながら店内をみてまわります。

そしてこれ。



                          ↑

ガスカートリッジが!!!

おおお、なかなか見つからなかったガス缶がこんなところに。
在庫あるならもってるやつ使ってしまえばよかった。

まだ大きいのが残ってるんですよね。


ちなみにお値段$12。
高めですかね。

もういくらだったのか忘れてしまいました。


写真の上で見切れてならんでいるのがピッケルです。

高山がおおいのでこういう登山用具もおいているみたいですね。
ザイル(クライミングロープ)などもしっかり用意されていました。



全体的に値段は高めで、汗止めがついているサングラスを探していたのですが高かったのでやめました。




その後新市街をちょっとだけブラブラ。




本屋に入ってみたりバーゲンセール中のノースフェイスをちら見してみたり。



すると、ドラッグ売りのにいちゃんたちが横にぴったりついてきました。

これはポケットの中身を狙っているのだなとわかったので、お返しに相手のポケットも探ってやろうとしましたが、相手は未遂に終わったのでこちらも軽く叩くだけにしておきました。


個人商店っぽいアウトドアショップがちょうどあったので彼らを置いてスルッとそちらへ入店します。



    ↑「グリップ」。これ日本のワークショップで買ったことある


ここにもガスカートリッジが$10で売っていましたが、買うとザックが溢れてやばいことになるので断念しました。

ほかにもアイゼン(靴につける氷上用の滑り止めのトゲトゲ)やら色々と安値で置いていましたが、錆びていたり中古っぽいかんじだったので目利きが必要かもしれません。

でもここ、なかなか好きです。



    ↑看板もなにもないので住所だけ撮影



この辺はホテルが乱立しており、探せば安くて居心地のいいところもたくさんあると思います。

ただ治安はやっぱりとてもいいとは言えない状況のようなので、注意しましょう。




帰り道は違う道を、
と9 de Octubre(10月9日通り)というところを歩いていると、アーティスティックな広場を発見。




広場のまわりの家にはこのようにすてきなグラフィティ的な絵が描かれています。



そのまままっすぐ進んでいくと、見覚えのある文字が。

ん? Anime?



たまたま日本のアニメショップを見つけました。




ドラゴンボールの衣装が。

コスプレなどはあまり見たことがないので物珍しさに写真を撮っていると、上品そうな奥さんが

「どうぞ入って。日本語を話せる人もいるから」

とうれしそうな表情をうかべた誘いに断りきれず、中に案内されました。




小さな店ですが有名どころを押さえていて、そこまでアニメに詳しくない自分でも楽しめました。


    ↑左から犬夜叉とブリーチとナルトのコスチューム



    ↑日本刀。たぶん模造刀だろうけど、下にみえる手入れ具が本物っぽい



    ↑中国の刀。環刀というものらしい



    ↑エルフ耳だそうで。そんなものもあるのか




    ↑コンとモコナのニット。ちょっと欲しい。彼女がすこし日本語を話せるそうです



    ↑ドラゴンボール7つ集まってんじゃん。願い叶っちゃうねこれ



    ↑いろんなポスターも壁一面に貼ってあった。ニコロビンの手配書がかなりよくできてます。『ツバサ』とか昔姉と一緒によくテレビで見てたなぁ




「コロッケ知ってる?」


と突然聞かれ、
ああ、はい
と答えると

「おいしいわよねぇ。うちでよく作るのよぉ」

と奥さん。
なぜコロッケ。

それだけでなく、家で着物の裁縫をしているというのだから驚き。


お礼を言って「またね」なんて日本語で言い合いながら店を出ました。





Parque El Ejido(地図ではピンクの11の公園)の横に自転車ショップが並ぶところがあったので、そこでサングラスを探しましたが、いいのが見つかりませんでした。


いま持っているサングラスは熱のせいでゆがんでボコボコになっているので買い替えたかったのです。

しかしまあそこまでサングラスは必要でもなく、大抵キャップと眼鏡でなんとかなるのでなくても問題ありません。



そんな風に心地よい疲れとともに楽しい気分で、結局なにも買わずに帰っていったのでした。



    ↑かわいらしい教会。なぜかベルコを思い出した


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