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ペルー初の大きな町 Piura を歩き回る話






さっそくだがピウラに来た人のために、ここで泊まっていたホテルはこちら。


リチャードホテル。

まっすぐピウラに入ってきた場合に通る"サンチェスセロ通り"から2本中に入ったところにあるのでちょっとわかりにくいが、一応看板がその通りからでも見えるはずだ。








部屋ごとに料金が細かく別れていて、一番安い25ソル(約875円)はバストイレ別。

部屋の広さは狭くもなく広くもなく、棚とテーブルがついているのでわりと便利だった。
自転車は1階に置かせてもらえたので部屋も広くつかうことができた。
窓には金網がついているので開けられるが扇風機はなし。
窓を開け放しでもなぜか蚊は入ってこなかった。


wi-fiが強力なのか、3階のこの部屋の中からでもネット回線はものすごく軽い。
この環境を逃すのはもったいないと、youtubeの動画を急いで作り上げてアップした。


ここのオーナーもムッとした顔のわりに結構いい人で、道端で会ったときには彼が手に持っていたビールをごちそうしてくれたりもした。




荷物を置いて少し町を探索。



※ここから写真が多くなりますが、ご了承ください。




町の中心をはしる主要道路はかなりの賑わいを見せていた。


屋台で昼食をとる。




タレを混ぜ込んだベチャッとしたチャーハンのようなものに刻んだタコと白身魚入りマリネのようなものをのせる。

このマリネが「セビーチェ」と呼ばれるこの辺の名物料理のひとつだということを後日知った。


コップで出てきたコスタリカのセビーチェとは違い、作りが粗い。
魚の身に骨がついていることもままある。
そんなでも、暑いこの土地で食べる酸っぱい料理はとてもおいしく感じられた。


隣の屋台でジュースを飲む。




手前の紫のものがchicha morada(チチャモラーダ)という甘いトウモロコシジュースで、右奥のコーラのような色のものがsebada(セバーダ)というらしい。

セバーダはなんともいえない独特な味がする。
言葉でうまく表現できないが、常温で放置しておいた何かの漬け置きジュースのような、ちょっと悪くなってるような味だ。

おそらく嫌いになる人も多いのではないだろうか。


こちらに詳しい情報が載っていたのでここに貼付けておく。

チチャモラーダ:http://nandiperu.com/blog/comida/チチャモラーダ%E3%80%80ペルーの国民的ジュース/

セバーダ   :http://www.mucha-suerte.com/comida/cebada.html


へえ、セバーダは大麦が使われていたのか。
ちなみに現在2015年のこれらの値段は1ソル。




もう少し奥へ行くと、大きなメルカド(マーケット)が広がっている。





ものすごい人の量だ。
大通りにも商品や屋台が並んでいて、かなり広い範囲に店が構えられている。

普段のメルカドというのは、天井に布やシートが張りめぐらされているかトタン屋根の下でひらかれていて薄暗く、ちょっと小汚いイメージだった。
ここでは太陽のもと、明るいメルカドが広がっていた。



フルーツのいいにおいを嗅ぎながらまだ奥へ進んでみると、モールを発見。





なんとスターバックスがあった。





スタバなんてコロンビアのボゴタ以来だ。
かなり景気のいい町なのかもしれない。

ここはかなり高級な店が並んでいて、自分には縁のなさそうなところだ。





来た道を戻ると橋がある。
川が流れていたであろうそこは、今はカラッカラに渇いてしまっていた。



橋の上でオカリナを吹いて何度かバスキングしてみるも、1日に一食分程度しか稼げなかった。



街中にポツンとあるポストっぽいなにか。



今調べてみたところ、buzonというのがメールボックスのことらしい。
本当にポストだったのか。

ペルーにもポストがあるなんて思わなかった。
もしこのときにわかってたら、ためしに日本に絵はがきを送ってみたのだが、時すでに遅し。

現在これを書いている町はピウラから100km以上離れてしまっている。





実はここで、エクアドルのクエンカで会ったチャリダーの佐々木さんと再会した。

ここは儲かるらしく、長期滞在しているのだとか。




佐々木さんが歌い始めると、



どんどんチップが入り、



こんなに集まることも。



一緒にバーへ行ったり買い物をしたりちょっと散策したり、数日に渡りお世話になってしまった。





これは佐々木さんがバーで頼んだセビーチェ。
こんもり盛られている。

このセビーチェを分けてもらったのだが、この中の紫のとうがらしがものすごく辛く、辛いのが苦手な自分はあまり食べられなかったのが残念だった。




この町は広場や公園が大きな通りから少しはずれたところにある。


    ↑グラフィティと書かれているので、落書き歓迎ってことだろうか。心が広い



    ↑公園内にはコンクリート製のチェス盤がある



    ↑オレンジの鳥



    ↑これは別の公園だが、リスが走り回っていた。ここは蚊が多すぎてすぐに退散する




この町はネコも非常によく見られる。



いたるところにいるネコたち。



前回も話したおいしいジュースのアクアリウス。



フルーツの味が濃くてサラッとさわやか。
フレーバーが4種類くらいあるのだが、この青リンゴ味が一番好きだ。




自転車パーツを求めて佐々木さんが別のモールへ連れて行ってくれた。

今の自転車はブレーキが利きづらく、後輪の留め具が潰れてキツく締められずに車体を持ち上げると外れてしまうことがある。
それらを交換するのが今回のミッションだ。



まず待ち構えていたのは、またまたスターバックス。





チャリティーかなにかだろうか、テーブルを並べて手作りの品々を売っている。





ゲームと音楽の店。



まだ販売されていないストリートファイターⅤの予約までやっていた。
品揃えはとてもよさそうだ。



歩き回ったが自転車屋は見つからず、普通の買い物になってしまった。


よさげな雑貨屋を発見したので入ってみる。


    ↑キッチン用品がめちゃカラフル!



    ↑幾何学模様のろうそくランタン



    ↑知育おもちゃだろうか。ちょっと欲しい



    ↑これも子供用だろうか。アコーディオンとか!



    ↑銅色と透明の組み合わせは高級感があっていいねいいね



    ↑駄菓子とか入れておきたい



    ↑理科の実験で使いそうな入れものたち



    ↑牛乳瓶風の瓶。jugoと書かれているのでジュースを保存するらしい




    ↑色使いと模様がなかなか凝ってる↓





    ↑ものすごい数のランチョンマット



    ↑バーで使われるシェイカーなどの道具も豊富で、これは凍らせて使う無限氷らしい。中に液体が入っている



モールのホールには2階分の高さのクリスマスツリーと直立したキャンディーケーン、その横にスヌーピーの家。



スヌーピーはアニメーションの映画をやるみたいなので、そのPRだろう。



今度はモールとくっついている大きなホームセンターへ。


    ↑背の高さほどもある、燻製を作るスモーカー。一瞬五右衛門風呂かと思った




    ↑標識ステッカーもこんなに



    ↑タイルにはどれもすてきな模様や絵がつけられている






    ↑これかわいい



帰りにブレーキワイヤーが切れてしまった。
これで5回目くらいだろうか。
ひどい・・・


自転車屋はメルカドにあったところでブレーキワイヤーは交換してもらったが、肝心のブレーキパッド(ホイールに擦り付けて止める部分)はないらしい。
いま使っているのがディスクブレーキなので、それ関係のグッズは大きい店に行かないとないらしいのだ。

これからもブレーキが利きづらい状況で走ることになると思うと気が重くなるが、この辺はそこまで急な下り坂がないので、まあ大丈夫だろう。



 
こんな感じで意味もなく1週間以上もすごしてしまった。

さて、急がなくては。 





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砂漠でワイシャツ … Piura到着





タンボグランデの高いホテルを抜け出す。
ホテル自体はいまいちだったが、スタッフはなかなかいい人たちだった。


街中のレストランで食事をし、砂漠へと駆け出した。





砂漠ということで暑さの苦手な自分は少し警戒していた。

それでも昨日は余裕で走れていたため、今日も平気でスイスイ行けちゃうだろうと高をくくっていたのだが、
ここからアップダウンが少し激しくなり、そしてついてないことに空は晴れていてまさに灼熱。

太陽が微笑むというレベルではない。
ギンギンに睨まれている。



    ↑バスや車が3台ほどエンストを起こして止まっていた。暑い


ひいひい言いながら立ちよった村は地面が砂だらけ。
サラサラの砂にタイヤを取られて進むのにかなりの力と時間を要する。

自転車と砂は相性が最悪なのだ。



    ↑村の様子


飲み物を買いあさり、がぶ飲み。


木陰で休んでいると、道路のサイドで10人くらいの少女たちが立っていた。

バスを待っているのであろう女の子たちは人形の箱やままごとセットなど、各々おもちゃを大事そうに腕に抱えていた。
何かイベントごとがあったのだろうか。

そういえばもうすぐクリスマスか。




休憩をはさみながら走り、4時間後にT字路にぶつかる。
ここを右に曲がればピウラに着けるはずだ。


とりあえずそのまえに、ドリンク屋があったのでそこで水分補給を。




店員の男性や客たちと軽くおしゃべりをしながら陰で休憩する。




このVOLT(ボルト)というエナジードリンクがおいしい。
中米でよく飲んだラプトルは梅味に似ていると言ったが、こちらはどちらかというとレモン味。

酸味はあるが、日本のC1000よりは酸っぱくない。
         


写真左のAquarius(アクアリウス)というジュースは後にハマることになるのだが、ここで飲んだのは凍っていてシャーベットになっていた。

これはこれで非常においしく、火照った体を冷やしてくれるのが嬉しい。
氷がなかなか溶けずゴクゴク飲めないのが渇いた体にはたまに傷だったが。



現在午後3時。

今日の走行距離25kmちょっと。
かかった時間4時間。

ここから23kmでピウラに着くらしい。

このペースだと町に入るのは7時になってしまう計算だ。


ジュース売りいわく、
「ピウラまで村はないけどこの辺は危険じゃないしすぐに辿りつくから大丈夫だ」
とのこと。

他の人に聞くと、
「危険だねぇ、というかここら辺全部危険だね」
と言う。



もしも時間がかかったとして、途中で村がないならキャンプは危険かもしれないからできない。

うーん、
迷うところだがここは安全を期して今日はこの場所に泊まることにしよう。

裏手に廃墟があったので、そこにテントを張らせてもらうことにした。



    ↑ゴミも多い



疲れたのでちょっと昼寝をしたりジュース売りと話をしたりしながら時間を潰す。

バスが多く、ジュースは売れに売れていた。
忙しそうだった。


色々話してみたかったが、彼は知らない単語をよく使ううえに話し方もかなり速いので全然聞き取れない。

残念だ。
話が通じないと、相手に悪いことをしてしまったような申し訳ない気分になる。



    ↑砂漠でワイシャツ…暑そう



テントに戻り、ためしにラジオをかけてみたら、なんと余裕でいくつかの番組が入った。
こんなところでも電波が届くなんて!

もしどこでもかかるのなら、これは大きな娯楽を手に入れたのかもしれない。
ラジオを買ったのはムダではなかった。




日が沈む。

砂漠では夜になると氷点下になるところもあると聞いていたのでちょっと心配していたのだが、思っていたほどでもなかった。

たしかに肌寒いが、その程度。
寝袋なしで上にパーカーだけかけて寝た。

もしかしたら砂漠というのは太陽が厳しいだけで、曇っていたら意外と涼しいのではないか。
そんな気がする。




翌朝、8時にジュース売りに起こされ、テントを片付けてピウラを目指す。

この日は曇り。
昨日の夜に予想した通り、そこまで暑くない。





あ、






という間にピウラに着いてしまった。
2時間もかかっていない。

これなら昨日行っておけばよかった……



町の入口にあったレストランで食事をし、ホテルを探す。

この日はホテル運(そんな運が存在するのかどうかは不明)がなく、6軒目にしてやっといいところを見つけた。

Hotel Richard ホテルリチャードというところだが、詳しい情報はまた次回。




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ペルーは飲み物天国 Tambo Grande





ラスロマスは全然なにもないが居心地はよかった。


本当になにもない。

どれくらいなにもないかというと、ポテトチップスすら店になかった。
もちろんスーパーなんてないし必要なものがあるなら不便この上ないのだが、今は節約の身。
無理矢理お金を使わせないようにする枷をはめるにはちょうどいい環境だった。


そんなラスロマス、今日出ます。



町を出ると川が一本流れていて、それから目のまえには家がなくなり再度無人の砂漠へと変貌する。



    ↑川のまわりだけは自然が豊かである


しばらく走るが、この日は調子がよく全然疲れない。

道がよかったのかもしれない。
休憩も数回しか取らずに順調に進むことができた。



    ↑横に灌漑用水が流れていた。砂漠の中にあるのでちょっとばかり目立つ



    ↑途中の店で買ったGuaranáガラナ。日本のガラナと味は若干違い、少量のガラナにリボンナポリンを混ぜたような少し独特な味



   ↑これ 日本のガラナ    ↑これ リボンナポリン




    ↑コンクリートの脇はこんな感じ。砂だらけだ



    ↑砂質は砂浜の砂くらいのサラサラ加減。もしくはもっとサラサラ



順調に走りつづけ、
今日着けたらいいな、と思っていたTambo Grande(タンボグランデ)という町にあっさり着いてしまった。

もっと時間のかかるものだと予想していたので、あっけない。



町の入口手前、直進と右折のT字路にたつ看板には[→ PIURA]と書かれている。

次に向かうはピウラだったので右へ曲がろうと思い、だがちょっとその前にそこの角で売っていた露店ジュース屋に立ちよった。

大きな丸いタッパーにたっぷりと入っている飲みものをひとつ注文。




ここは今まで聞いたことのないジュースがたくさん売っている。

名前は長くてまだ覚えられていないのだが、そんなご新規メニューの正体のひとつはおそらく紫トウモロコシのジュース、


         ↑この黒いのがジュースになるらしい

そして大豆のジュース。


黒トウモロコシのジュースは甘く、ブルーベリーやカシスの酸味を抑えたような味。
コーンの風味は感じない。

大豆ジュースは豆乳っぽいのかと思いきや、こちらも甘い系のジュース。メキシコのオルチャータ(米を使ったソフトドリンク)を豆臭くしたような味だった。


どちらも味が薄かったのは、氷が溶けたためかケチって水を多くしているためのどちらかだと思うのだが、この暑さのなか喉の渇きを癒すにはちょうどよい薄さだった。

濃かったら逆に渇いちゃうからね。


それをプラスチックのでかい計量カップみたいなヤツにいっぱい、なみなみ注いで渡してくれた。
…そのカップ、コップに注ぐためのやつじゃないんすか?


     イメージ図



500ml以上はあるジュースをゴクゴク飲んでいると、ジュース売りのおばさんは

「ピウラに行くならここをまっすぐ行ってタンボグランデをつっきったほうがいいよ。新しく道ができたからね」

と教えてくれた。


それでは、と言われるままタンボグランデへ向かう。



    ↑正面にはこんな樽のような門があった



    ↑なかはこんなになってる。意外とスッキリ



現在の時刻は3時30分。

このへんは治安がよろしくないらしいし、日射しで体力がかなり削られていたので、この町で休むことに決定。


    ↑タンボグランデの町



ホテルを探す。

最初に入ったホテルは25ソル(875円)とそこまで高くない。
が、部屋がイマイチだったのとwi-fiがなかったので、とりあえず他のホテルを見に行くことに。


それから街をさまようもののまったくホテルが見つからず、やっと見つかったと思ったら満室。

しょうがなくもとのホテルに戻ってみると、今度はそこも満室…!
最初からここにしておけば。



他に空いていたホテルといえば、なんと50ソル(1750円)。
さすがに高すぎる。


キャンプも考えたが、体中汗まみれだしホテル探しのせいで疲れていたので、この高いホテルで10ソル負けてもらい泊まることにした。

入ってみると、部屋は広いがそれだけ。
ネットもできないしゴキブリが徘徊している。

この内容でこの値段はちょっと割に合わないんじゃないかと感じながら、今日はシャワーを浴びれるだけでよしとしようと考えを改め、その日は眠ったのだった。



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初の砂漠に突入、Las Lomas






そういえばペルーのことを調べるのを忘れていた。
ここスージョのホテルにはwi-fiがない。

しかしご安心を。
事前にちゃんとwikipediaのページを保存しておいたのだ。


さて、それでは見てみよう。
なになに。



ペルーは昔から戦争やら政権交代やらが起こっていて大変だったようだ。

ナショナルジオグラフィックの調べでは、アマゾン川から一番遠い源流がペルーにあるらしい。
ブラジルの川だと思っていたが、アマゾン川は他の各国でも流れているというのだから驚きだ。

他に気になるところは、金や銀が採れ、銀は世界2位の産出量。
砂金ブームが起こったことも。
これはお宝のにおいがしますぜ。

食文化が発達しており、特に海沿いの海鮮料理が有名だという。
実際ペルーに入ってきてから、料理名が爆発的に増えてメニューを見てもなにがなんだかさっぱりわからない。

アルコール飲料もいくつか独自のものがあり、ハーブティは薬用として飲まれているらしい。
あ、それ、自分もです。

音楽はサルサやフォルクローレ、ワルツ風のものやクレオール音楽というものが主流と書いてある。
有名な『コンドルは飛んで行く』もペルーのフォルクローレ音楽だ。



目についた部分はこんなところか。




目覚めた後、村の銀行へ足を運んだ。
そこにはATMがないので、手持ちのドルをこちらの紙幣であるヌエボソルに両替してもらう。

ここのレートは $1 → 35ソル。
ウアキージャスの路上の両替商は32ソルだった。
パスポートを見せたり一手間かかるが、やはり銀行で両替したほうがお得なようだ。


ホテルの家族たちがやっているレストランで朝食を食べる。
朝食といってももう昼だ。

卵料理を頼んだら本当に卵だけ出てきた。
それにジュースをつけて4ソル(約140円)。

まだ来たばかりなのでこれが安いのか高いのかわからない。


ペルーに入り何人かと話をしたが、こちらの人達はみんな早口でしゃべるので聞き取ることが困難だ。
なんだか南へ行くほどスペイン語の難易度が上がっているような気がする。




町を出て自転車にまたがり、自然のなかへ駆け出した。

まわりは荒野と化しており、なにもない。



    ↑危険だと言われているこんな場所にたき火跡がある。いったい誰が。木のまたには動物の頭蓋骨が飾られていた



    ↑こんな道路を走る



空は快晴。
強い日射しが容赦なく体に差しこむ。

これまではまだ"荒野"で踏みとどまっていたが、このへんはもう"砂漠"と言っていいかもしれない。
強烈な太陽光線、そして地味なアップダウンが続き、久しぶりに自転車で走ったこともあってかなり辛い。
暑さに弱いこの体ではなおさらだ。

たまに現れる店や木陰で休みながら進んで行く。



道路脇にパトカーが止まっていた。
スピード違反の取り締まりかなにかだろうか。

横を通りすぎようとしたところ、車のなかにいた警察に止められた。
こちらのことを色々と聞いてこようとしている。

ふとパトカーを見ると、Las Lomas(ラスロマス)という文字。
今日はその町を目指していたのでそれに反応すると、「もうすぐそこがラスロマスだ」と警察が言う。

この熱暑でばてていたので、助かった。
パトカーについていた弾痕を横目に、町へと急いだ。




10分後には町に入ることができた。

目についたレストランへ。
そこにいた男性客がこちらに興味をしめしてくれたようで、英語でメニューや料金のことを逐一説明してくれる。


7ソル(約245円)の料理を頼んでみたが、これがとんでもなくおいしかった。

ダシの効いたホワイトソースの底にジャガイモと鶏肉が隠れていて、上にはゆで卵、そしてバルサミコ酢かなにかで漬けられたオリーブがのっている。
黒いオリーブが酸っぱくておいしい。
ご飯はモチモチとしていて、日本のもち米のようだ。

エクアドルでは米はあんなにもパラパラだったのに。
いや、それはそれでおいしかったのだが、こんなに粘り気のある米は海外で初めて食べた。
これには驚いた。




食後にさっきの男性客がオススメのホテルを教えてくれ、その通りに町のなかへ入っていく。





    ↑信号機がある。しかもカウントダウンつき!



    ↑ラスロマスの街中の風景



    ↑主要道路。この先を進んで行くことになる


  
    ↑まさに砂漠の町


砂だらけの町を走り、まずは中心広場へ。

右手の町役場を通りすぎ、そこの十字路を右、そしてすぐに左に曲がるとある Hotel Kelly というところがその場所だ。


一番安い部屋の値段は25ソル(約900円)で回線は弱いがwi-fiがついている。
扇風機も窓もあり、悪くない。

ほかに20ソル(約700円)のホテルもあったが、そこはネットが使えないらしいので残念ながら却下。
ブログを更新しなきゃ。

もっとよく探せば安くていいところがあるかもしれない。
それくらいこの町はホテルが多かった。



自転車を倉庫に入れさせてもらい、水のシャワーを浴びて一安心。

なにもない町だが居心地はよく、ここに数泊してしまった。
また自分の悪い癖だ。




    ↑arroz con mariscos(アロスコンマリスコス)という料理。パエリアとチャーハンを混ぜたようなもので、かなりうまい






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ペルーに入国(2度目)




ついに、パソコンが戻ってきた。
ペルーから戻ってきた28日に。

絶対無理だと思っていたのですごく嬉しい。
これでようやくペルーに入ることができる。


ホテルを30日まで取ってしまっているので、それまではメール返信やブログの更新、生放送などに時間を使い、30日の朝にバスへ。


ボッタクリにあったウアキージャスへはもう行きたくないので、山の中のMacara(マカラ)からの入国を目指す。



ウアキージャスへ行くときもそうだったが、こっちもバスからの景色がとてもきれいだった。

本当だったら走ってゆっくり見れたのに、今回は写真を撮ることもできない。



    ↑巨大ヘビと格闘中。バスが止まってくれたので写真を撮れた



ロハという町でバスを乗り換え、夕方にマカラに着いた。


自転車をバスの荷台から出して確認すると、ハンドルやタイヤ付近のパーツが傷つきボロボロになってしまっている。

かなりショックだったが今はそれを考えている時間がない。
今日中に国を出なくてはオーバーステイになってしまうのだ。



町の人にイミグレーションの場所を聞く。
何人かに聞いて全員が指差したその方向は、まったく逆。

こっちじゃないよ、と教えてくれた人も「今日はすでに閉まっている」などと言っている始末。

いや深夜にペルーへ突入する夜行バスもあるんですけど…



右往左往しながらなんとか国境に辿りついたときには真っ暗になってしまった。

簡素な小さいプレハブでエクアドル出国を果たすと、そこの審査官が
「30分くらい前に日本人の自転車乗りがここを通っていったよ」
と教えてくれた。

もしかしたら知っている人かも、と思い、後日確認したらクエンカでギター弾き語りをしていた佐々木さんだったらしい。



橋を渡ってペルーの入国へ。

90日でいいかと聞かれたので、

「ペルーって広いですよね。できれば、そのー、120日くらいできます?」

と遠慮がちに聞いてみると、

「もっと延ばせるよ」

とマックス183日分のビザをゲット。


その後、一日だけペルーを滞在したことを怪訝な顔つきで聞かれるも、
「パソコンの修理を待っていてー別の場所に行っててー」
というようなことをジェスチャーも使いながらなんとか説明し、理解してもらうことに成功。

ピンチを脱出。



イミグレーションから離れすぐそばにいた警官たちと話をする。

今日はこの先のSuyo(スジョ)まで行きたいということを話すと、
「ここは夜は本当に危険だからやめたほうがいい、ちょっとここで待っていなさい」
と言われる。

そしてそこを通るバンを呼び止め、スジョまで安値で連れて行ってくれるよう交渉してくれた。

その間にパンまでくれて、とても優しい警官だった。



スジョに到着後、ホテルへ。
値段は20ソル(720円、1ソル=36円)と激安。

ネットは使えないが居心地は悪くはなかった。

 


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