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暑い町と寒い町ではなぜこんなにも違うのか?


2016/2/21(※パソコンはこのときすでに壊れています)

今日こそは!
今日こそは出発する。

そう意気込んだわりには、12時という遅い時間の門出となった。


昨日の夜に日本語を話すペルー人の案内人と出会い、情報をもらうことができた。
怪しい人ではなく、町で正式に働いている人だ。
自転車の旅行に興味があってこちらに話しかけてくれたらしい。


    ↑なぜか最初に「でしょ?」をつける口癖がある


彼の話によると、ここからきっついのぼりがしばらくあり、そこを越えればずっと下りで楽だということだった。


進んでみるが、たしかにつらい。
町を出るあたりから急な坂がずっとつづいていくのだ。



    ↑すぐに町が見下ろせてしまうくらい登る




    ↑標高はこれくらい。結構高めだが、もう慣れているので平気だ


途中から霧になり、雨が降りかけたが、タイミングよく道は下りに変わる。
そこから20㎞ほど一気に距離をかせぐことができた。



    ↑遠くまで見おろしながらの下り坂走行は本当に気持ちがいい



    ↑曇っているのが残念だが、これでも十分すぎるくらいにいい景色だった


小さな村に入る。ここで今日は終わりにした。


    ↑標高はだいぶ下がった


10ソル(350円)という激安宿があったので、そこにお邪魔。
というか、そこしかなかった。


    ↑Maltin Power(マルティンパワー)という麦か何かで作られた炭酸ジュース。独特の風味はするが、コロンビアのポニーマルタよりはずっと飲みやすい。


    ↑犬がなかよくお昼寝



2016/2/22

朝が起きれず、この日も12時半ごろに出発することになってしまった。

道はずっと下りで楽だが、途中途中で酔っ払いにからまれるのがすごくやっかいだ。
彼らは嘘はつくし時間はとられるし変な冗談でからかってくるし、コミュ障で人づきあいが苦手な自分には本当に嫌だった。


それ以外は好調。


    ↑標高は下がり見下ろす形ではなくなったが、まだまだいい風景がつづく



空気がガラッと変わり、熱帯地域独特のにおいが漂う。
肌に湿気がまとわりつく。
木々も葉の大きな熱帯風のものに変化した。

そんな標高860mのChilete(チレテ)という町でこの日は泊まる。



いつも疑問に思うのだが、なぜ暑いところは汚い町が多いのか。
寒いところだとボロボロの家もあまりないし、ホテルなんかもとても清潔に掃除されている。

しかし暑くなると途端にゴミが増え、町中も若干スラム感がでてくるし、治安も悪いところが多い。
なぜなのか。


    ↑チレテの町


    ↑比較。前日のサンフアンの町
     わかります? 壁の造りとかドアや窓の感じが全然違うのが


寒いところでは建築がしっかりしていないと寒くて凍えてしまうからだろうか。
家の見た目がきれいなら室内もきれいに保とうとするし、見た目がよくなれば犯罪も減るということだろうか?

それだけではないような気もするが‣・・

以前コロンビアの人に聞いたところによると、やはり暑いところはへらへらしている人が多く、寒い町では慣習の規律がきびしくなる傾向にあるらしい。



いくつかあるなかで適当に見つけたCaribeというホテルへ行ってみる。
この日は人で埋まっていて30ソル(1050円)の部屋しかないと言われたが、オーナーさんがいい人で25ソル(875円)に負けてくれた。


こういう片田舎の村というのは、優しい人が多いので好きだ。


 

    ↑ホテルの目の前でやっていた露店の数々。かなり大規模だった↓





ここはかなり気に入ったのだが、蚊が多いのが玉に瑕だ。


もう一つ疑問なのだが、どうしてペルーのホテルはどこも扇風機がないのだろう。
まったくないというわけでもないのだが、ちょっと高めのホテルでさえ「暑ければ窓を開けてください」と言われる始末だ。

ほかの国だと暑いところはほぼ必須で扇風機がついていたのに、なんでペルーだけこんなに少ないのだろう。



このあと雨が降ったり体調不良の関係などで、ここには3泊することになる。

地図を見ると、この先しばらく町はないらしいので、天候と体の調子を整えないとマズいと考えた結果であり、決して怠けていたわけではない。
はずだ。


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タイムリミット温泉紀行 Baños del Inca





2016/2/20


何度もここ、カハマルカから脱出しようとしたが、うまくいかない。
天気が悪かったり、起きる時間が遅かったり、パッキングを忘れていたり。


長く同じ場所にいると出ていくのが億劫になってしまうようだ。

人はこれを、沈没という。



さて、なかなか出発できないので、本当はホテルをひきはらい荷物を全部持って訪れるはずだった温泉地にこのさい行ってみようということになった。

荷物をホテルに置き、自転車とサブバックのみで出発。



温泉があるのはここから10kmほど離れた町、Baños del Inca(バニョスデルインカ)。
意味はまさしく、「インカの温泉」である。


道はなだらかで走りやすく、自転車専用道路まである。
天気もよく、なかなかすてきなサイクリングとなった。




バニョスデルインカに入り昼食をとる。

温泉はどこか探してみると、すぐに見つけた。
大きな看板が立てられているのは、やはりここの一番の目玉だからなのだろう。





温泉の種類もなんだか豊富そうだ。



とりあえず一番安い、普通そうなものを選んでみた。


敷地内へ入ると、広い中庭に多くの観光客。




そして目の前に現れるは、まさしく温泉。






煮え立っている。




下は緑色で、硫黄がくっついたのかぼこぼことした岩状になっている。


まさかここに入るわけではない。
話によると、この湯は熱湯らしく、入ると火傷は必至。
警備員さんは立っているものの、柵もないのに危なくないのか。



看板の指示通りに進むと、小屋があった。

待合所は少し日本の銭湯を思わせる雰囲気。
みんなで壁際のベンチに座り、順番を待つ。


係員に呼ばれた。



    ↑浴槽はすべて個室。掃除のためのほうきが並んでいる


入ってみると、意外と大きい。




浴槽はこんな感じで、本当に小型の銭湯という出で立ちだ。
写真では見えていないところに、服を脱いだりものを置いたりする小さなスペースがある。




じゃあ、水を入れてみますね。



栓をひねると一気にお湯が出てくる。


ってかこれ、お湯っていうか熱湯なんですけど!!!
熱いの!!


隣の栓で水が出るらしいんだけど、その量がホントに心もとない。
チョロチョロとしか出ないの。

僧侶の修行を思わせるお湯の量に全然ついてけてない。


    ↑熱湯ばかりがたまっていく恐怖


しょうがないので、お湯を出しては止め、出しては止めして温度を調節。

一定の間隔でリズミカルに栓をひねっていくうちに、なんだかちょっとノッてきた。
電車のブレーキを操作している気分だ。
イェイイェイと栓の開け閉めを繰り返した。


そんな風に体でロックを奏でながら約10分、ようやくお湯がたまってきたので、いざ入浴。






ふぅ~~。



いつぶりかわからないくらいの風呂はなかなか気持ちいいが、結構深いのでなんだかすごくプール感が出てしまっている。
ゆっくりつかるというよりは、ちょっとしたアトラクション。


一人でバシャバシャ遊んでいるうちに、ドアの外から係員が

「あと5分です」

の合図。





え”!!
早くね?




ちょっと待って。
そうか、これ制限時間があるんだ。


なんかさ、たしかに悪い予感はしていたんだよね。
浴室の看板に20minutos(分)とか30minutosとかっていう不穏な文字が見えてはいた。
でも見なかったことにしておいた。


だってねだってね、
まず、この浴室に入ってからすぐにお腹が痛くなってきて、トイレに行ったんですよ。
そしたら紙がなくて係員に紙をもらって用をたして――

それでまずタイムロス。


そして、さっき栓をイェイイェイしている間にね、メガネをね、落としてしまって。
フレームが壊れているせいで、レンズがどっかに飛んでいってしまったんです。

探してもなかったのでどうやら湯船のなかに落としたらしい。
透明だから全然見つからないの。

結局ベンチの下にあったんですけど。

それで10分くらいロスしたかな。



だから10分も入っていられなかった。


温泉に来た意味とは・・・




外に出たら、霧かと思うほどの煙が立ち上る。




中庭を散歩してみる。



温泉の噴水。

だからそれ、危なくないの?
熱湯ですよね?
風で飛んでこない?



小さな博物館があったので覗いてみる。
郷土料理やこのあたりの見どころの説明が写真とともに書かれていた。


    ↑発掘された人骨まである


20ソル(700円)でマッサージを受けられると書いてあったが、さすがにもう疲れてしまってそのまま帰ることにした。

慌ただしくも、よくわからない温泉めぐりとなった。



もっと端折ろうとしたのですが、このエピソードはちょっとおもしろかったので、いつものように詳しく書いてしまいました。
つぎから短くなる予定。

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Quest in the city. Cajamarca

  


水をなげつけられるフェスティバルを避けるため、二日間ホテルに引きこもっていた。
そこからの解放。
やっと羽を広げて外を歩ける。


まずはホテルを移ろう。
もうすこしセントロ(中心部)に近いところ、そしてネット環境がマシなところを探そうと、ホテルを出た。

瞬間にいままでにないほどの豪雨。
濡れながらホテルを探しまわり、そんなに離れていないところにあったランク少し上のホテルへ。


値段は30ペソ(960円)。
5階の部屋でかなり広い。
wi-fi回線はイマイチだが、前のホテルよりは断然マシだ。




    ↑部屋の窓から↓




今までこもっていて外を歩いていなかった。
とりあえず大きな広場まで行ってみよう。



まずは恒例の教会を見にいく。



なんと、この広場には教会が2つもある。
さすがカハマルカ。大きい町なだけある。




通りもめっちゃオシャレ!

 


こちらが広場。



ものっそい広いんですけど。
芝生の手入れも行き届いている。



清掃員さんが毎日掃除や水やり、植え替えなどをやっているのでこのような状態を保っているのだね。



と、遊んでいるわけにもいかない。
ここでやることをやってしまわなくては。
今回は用事がおおく、暇じゃないのだ。



    ↑メルカド付近の通り



まずはこちら。




自転車屋で修理!

そう、何度も言っているブレーキ関連。
これをね、直してもらわなくてはならない。
この先くだり道が待っているので、ブレーキが使えないと徒歩での旅行がつづくことになるのだ。

自転車に意味を持たせるために修理修理。



    ↑ディスクブレーキパッドを取り替えます


    ↑ペンチを使うのか。大変そう


    ↑泥で汚すぎるということでブレーキ周辺だけ掃除してくれた


そして完成!



すごく丁寧に直してくれ、何度もタイヤの回り方の調整をしてくれたり、まさに職人技。
見ていて気持ちよかった。

またひどい目に遭わないよう、ブレーキパッドとブレーキワイヤーのスペアを買い込む。





次に靴!

裏に穴があいてしまっているので買い替えなくてはならない。

様々な店で試しばきさせてもらうが、足の小指あたりが中でぶつかるものばかり。
ちょうどいいものがなかなか見つからない。
やっぱり海外だからなのか。

キンデというショッピングモールでやっと靴を購入。


    ↑とても気に入っていたオニツカタイガーの靴。日本でもはいていたので3年くらい使った。名残惜しいが、さようならオニツカタイガー



このへんは革が有名なのか、革製品を扱っている小さな店がけっこうある。
そこでナイフのシースを直してもらった。

やった。首都のリマまで直す難しいかと思ってたので本当に嬉しい。
しかも無料でやってくれたのでなおさら嬉しい。


    ↑しゅばらしい!!


そして、なにも言わずに見てほしいのがこちら。


革ジャン。




どうしても欲しかったんですよぉ!

見てくださいこの焦げ茶カラー。もっと言えばチャバネゴキブリカラー。

もともと襟がついていなかったんですが、「襟ありがいい」と店の人に言ったら次の日までにつけてくれました。
流行としては襟がないほうがいいんでしょうけど、古き良きっていうか。
若干フォーマルになっていいんじゃないですか。


これね、必要かと聞かれたら、
全く必要ないの。

防寒具はバッチリというわけではないけど、寒さ対策はある程度できてるの。
荷物になるだけだから、ホントは買っちゃいけないの、これ。


でもね、どうしても欲しかった。

だってカッコいいじゃん。
なんかインディジョーンズみたいじゃん。


見逃してください。




買い物のつぎは観光。

街中をかるく歩き回ります。
迷いそうだったので、かるーくね。かるーく。



    ↑仮面がいっぱい売ってる。祭りで仮面をつけてる人が多かったのだが、ここで買ったんだな。欲しいけど、持てない・・・



    ↑他の土産屋。人形やマットなど、手作り風のあたたかいものが多い



ずっと気になってたんだけど、広場から見えるあの教会。



あそこに行ってみたい。
のぼりましょう。のぼりましょう。


    ↑この階段もなかなか凝ったデザイン。正直のぼりにくかった


教会前からの景色。

 





ここでオカリナ吹いたら気持ちいいだろうなー。

しかしまわりには観光客とカップルたちがのんびり座っている。
邪魔しちゃいけないと吹けなかったチキンな自分。



ペルーってエクアドルよりチョコが多い。
エクアドルってカカオプランテーションがあるって聞いたんだけど、どうなってるの?



    ↑チョコムースとチョコカップのケーキ。左が3.50ソル(112円)、右が2ソル(64円)



    ↑パン屋さんにもケーキがいっぱい。ペルーのケーキはおいしいが、ここよりピウラのほうがおいしかった


気をつけてほしいのがこちら。



この皿のようなチョコ。
安いしおいしそーと思って買ってみたのだけど、これが苦い苦い。
カカオ100%。

健康にはいいのかもしれないけど、このまま食べるのはオススメしない。



スーパーにも行ってきましょう。
日用品を買いそろえないとね。


このcebada(セバーダ)というのは、このブログでも取り上げた飲み物のセバーダの原料、つまり麦だね。

下に見えるChia(チア)は、今日本でもダイエット食品として流行っているチアシードのことだろう。
ペルーでも自然食品の店があちこちにあるが、そこでも取り扱われている。



    ↑緑茶もある。ほしいけど、今はお茶系たくさん持ってるんだよねぇ


辞書まで売っている。
さすがスーパー。


これはsinonimos(類義語)とantonimos(対義語)の辞書。
本の著者と作品名が書かれているものかと思った。



上は英語とスペイン語の辞書。
下はおそらく百科事典のようなものか。
観光名所や地理などカラー写真入りで説明しているらしい。

正直下のilustradoはかなり欲しかった。
スペイン語の勉強になると思ったのと、なによりその装丁とハードカバー感の小粋さが気に入った。


ここで冷静になる。

重さ、大きさ、値段、そして使用度。
それを全部加味してみると、買わないほうがいいという結論に達した。
スペイン語の勉強として使うとしても、まだそこまでのレベルではないので宝の持ち腐れだ。


いいぞ自分。
でかした自分。

・・・英西・西英辞書は買ってもよかったかもなぁ。



ここはそんな、買い物に縁のある町だった。


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フェスティバルから身を隠したい。 Cajamarca



朝9時、少年に起こされる。
着替えてのち、昨日夕食をごちそうになった家へ連れて行かれ朝食にパンをもらった。


そのまま11時までおしゃべりする。

本当はこのままもう一泊したかった。
頼めば彼らはよろこんでもう一日泊めてくれただろう。

しかしそんなことは言えなかった。


名残惜しいが彼らとわかれなければならない。
一応宿泊代と食事代ということで、少ないがお金を渡しておいた。

自転車とともに町を出る。



    ↑昨日もみた景色をもう一度目に焼き付ける



    ↑RPGの世界みたいだよね



くだり道を必死に歩いていると、前から仮装した人たちが歩いてきた。




それを写真におさめていると、上から水がふってくる。
そのさきでも水風船を投げつけられた。


これには本当に頭にきたので、コブシ大の石を4つ、レインジャケットのポケットに入れてまわりを警戒しながら進んでいった。



ずっとまわりを睨みつづけるのはとても疲れる。

窃盗に対しての場合もそうだ。
つねにまわりを気にして歩き、ホテルの従業員も信用できない、そんな状態を維持するのは精神的にたいへん疲弊するものだ。


さらに頭上は曇天。
今は大丈夫だが、いつ雨が降るかわからない。
はやく町へつかないと少なくとも夕方ころには雨が降るだろう。

そんなあせりもあって、3時間後にはかなり消耗していた。



小さな村に入ったようだった。
この村は石像が有名らしく、その工房の数がとても多い。
石像は工房の前にたくさん設置してあるので、それを見ればその数の多さがわかる。

その一角、小さな商店もある広い敷地で休憩。
ちょうど隣に座っていた少年に「フェスティバルを見にきたの?」と聞かれたので、それはいつまでやるのか質問してみた。


「明日までだよ」

「そうか…。祭りは行きたくないなぁ」

少年は別段気にしたそぶりは見せなかった。



そこから1kmも行かないところで酔っぱらいにからまれた。

「今日は泊まってけ。ちょっと待ってろ今食事を出してやるからな」

と家の中へまねかれる。
いつ雨が降るかわからないし、水やインクをかけられるフェスティバルは避けたいので、泊めてもらえるならとてもありがたい。


そこの男の子が家庭教師ヒットマンリボーンというアニメが好きらしく、何度も「カテキョーヒットマン、カテキョーヒットマン」と聞かれた。

お、アニメ版は見たことはないが、マンガなら週刊少年ジャンプで読んでたぞ。
途中までならなぁ!


   ↑これ

ということで話は日本のアニメや日本語の話に。


そうこうしているうちに1時間ほどたち、自転車の話題になった。
食事が出てくる気配はない。
酔っぱらいの男は寝てしまっていた。

自転車が壊れているからカハマルカで直すんだ
と言うと、

「なら明日はフェスティバルで店が閉まるし今夜は雨が降るから早く行ったほうがいいよ」

と少年。




え?




「叔父さんは酔ってて知らないけど、うちは今日の夜でかけるからここで泊まるのは無理だから」





バッ
それを早く言うんだよ!!!!!




雨が降ることなんて知ってるし。
だから急いでたんだし。
さっきみんな「ここで待ってて」って言ってたじゃないか。
あれはなんだったんだ?

はぁぁ、
こんな人たちを信じた自分がバカだった。



ああもう、ペルーなんて大っ嫌い!



怒りにまかせて自転車に乗り、くだり坂を思いっきり駆け抜ける。

ブレーキが利かないとかもう知るか。
ブレーキワイヤーが片方ついてないが、もうどうにでもなれ。



軽い爆走ともいえる走行をつづけ、なんとか雨が降るまえにカハマルカの街の入口へと入ることができた。


目の前に見えたHospedajeの看板を目印にそこへ入る。

どうやらほとんどの部屋が埋まっているそうで、25ソル(800円)の部屋しかないという。


思考をめぐらした。

おそらくフェスティバルのせいで部屋があいているホテルも少ないだろう。
あまり探索せず、ここでとっておいたほうが懸命なはずだ。


さきほどの情報をたよりに、祭りが終わる2日間はここでこもることに決定した。



主人が言うにはここではwi-fiが通っているということだが、どうみても向かいの高いホテルのwi-fiですよねこれ。
名前が向かいのホテルの名前だもの。

「これどこにwi-fiがあるの?」
と聞いてみると、
「この辺一帯に飛んでるんだ」との回答。

いやだからそれ向かいのホテルのだよね。


そして電波が全然届いてこない。
ブログですら更新できるかできないかの瀬戸際のところ。


しかし部屋はとても広く、窓際なのでパレードが道路をねり歩く姿も見られる。
これはとてもよかった。



    ↑こんなのが時々歩いてくる



    ↑窓から見下ろして水をかける機会をうかがっている



この部屋だけシャワートイレが別で、しかもシャワーは水しか出ないのが痛いが、しかしホテルの人たちも明るくにこやか丁寧に接してくれる。

25ソルの価値があるかと言われればNOだが、自分はここがかなり気に入ってしまっていたのだった。


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朝まで生キリスト教! Porcón Alto





はい、今回は昨日泊まった可愛らしいコテージ風の宿からひきつづきおとどけします。

前回書き忘れましたが、なんとこの宿、10ソルなんですね〜。

"10ペルーヌエボソル" を "日本円" に直すと
なんと320円。安い!


2016/2/16に確認したところ1ソル=32円になっててビックリしました。
ずっと37円あたりをウロウロしているのだと思っていたので。



まあそんなことは置いておいて、今回は夕方までひたすら歩くだけなので、そんななかで見てきた風景をですね、ガンガン載せていこうと思っています。

なぜなら夕方以降まで書くことがないから。


特筆するとすれば、ブレーキワイヤーがまた切れたことと、それでもくだり坂をむりやり走って地面に足をこすりつけながら止まろうとしたら左足の拇指球に石が当たり痛めてしまったことくらい。


そんなわけで、朝から夕方までの時間経過を感じられるよう写真多めでお送りします。

ちょっと長いですが、どうぞー。



    ↑昨日のレストランで今日も朝食。そのときに撮った鳥の写真。アトリでしょうか。フィンチ類はかわいい



    ↑高地の草原ってハイライトな緑色が出やすいんですかね。カナダ中部もきれいでしたっけ



    ↑牛。そんな体で高山病にならないのでしょうか。人は筋肉がつきすぎてると高山病になりやすいと、とあるパーソナルトレーナーが言ってました



    ↑砦跡のような岩。宝物とか埋まってそうですね



    ↑出ました、パサパサでトゲトゲの妙に固い雑草。エクアドルのカハス国立公園でもお目にかかりました。そのときは肌にぐさぐさ刺さって痛かったです



    ↑川が流れていく様。この辺なら源流も近いのではないでしょうか



    ↑これよく見ると木がずらっときれいに整列しているんですよ。中央から左あたりの濃い緑の部分。人口林なんですかね?



    ↑白い点々はぜんぶ石です。なぜこんなに落ちているのか



    ↑石がゴロゴロと。色味がきれいですね



    ↑このへんは特に素晴らしかったのでムービーを撮ろうとしましたが、くだりが急すぎて止まれず無理でした。動画にしたかったなぁ



    ↑かなり降りてきました。標高4000mの峠はすぎたようです。これで凍えずにすみますね



    ↑半壊したレンガの家がファンタジーを連想させます



    ↑高原を駆けるカウボーイたち



    ↑だいぶまともな道になってきました。このころには疲れてフラフラです



    ↑工事で切りくずした山が肌色にひかっています



    ↑と思ったら今度は森がひろがっています。花粉症になりそう



    ↑石でぶつけた左足を引きずりながら歩行中。町はどこだー



それにしても気になるのは、横切る車がどれもインクだらけなこと。




スプラトゥーンかな?


2月初めに行なわれるフェスティバルに先駆け、みんなで水やインクをぶつけるそうです。

うわー、行きたくなーい。(切実)




夕方。
体が重く、腹はぺこぺこ。

自転車の後ろのブレーキワイヤーは切れていた。
もう今日は直してやんないんだからな!
とそのままにしてある。


そして、




おお、村が見える!

そこで景色を楽しんでいたおじさんに話をうかがう。


地図に載っていたPorcon Alto(ポルコンアルト)はどこぞ?

「ああ、それならほら、すぐそこの崖の上だで。
レストラン? ああ、あるんでないかい?
ホテル? …はないと思うが、誰かしら泊めてくれるじゃろうて」



ふへー、崖のうえにあるのか。

つ、つらい・・・


しかしレストランがあるなら頑張る。
だってお腹すいたもん。



    ↑崖をのぼっています


 
    ↑おお、奥に県都カハマルカが見えるではないか! しかしここから20kmさき。もうこれ以上は進めません



忍たまの戸部新左衛門なみの ゆらりゆらり を通行人に披露しながら、ようやくついたポルコンアルト村。



...え。


これって。


小さすぎじゃね?



レストランなんてなかった。
一軒だけ店の看板があるが、すでに閉まっている。

そんな・・・


絶望のあまり、教会のまえにいた人たちの輪に入る。
飯は? 飯屋はないのか?


すると、この教会を取りしきる内のひとりが家へと招待してくれた。


なんと。
さすが敬虔なるキリスト教徒。
やさしい。



家でスープとパンをもらい、今日はここに泊まってもいいとまで言ってくれた。


その家族たちと話をする。
こちらのつたないスペイン語を、苦労しながら聞き取ろうとしてくれる。


彼らの話では、今日の夜から教会でミサのようなものがあり、それは朝の5時までつづくのだそうだ。


なにそれー、おもしろそう!!!


こんな疲れた体だが、興味がそれを押しのけた。

参加させてもらおう。
ぜひに。


 
    ↑彼が家に泊めてくれた人


一度荷物を置きに部屋へ。

その部屋がものすごく広い。
首都のリマへ行ってしまっている兄の部屋なのだそうだが、ものすごく広い。
それどころかこの家自体とても大きい。


こんなところに泊まってもいいのかな・・・・・
逆に不安になる自分。



夜は冷えるからと、本場のポンチョをかぶらせてもらった。

これがかなり重いのだ。
そしてでかい。
その分とても暖かく、むしろ暑い。

こんなの着て動き回るなんて、山で生きるのも大変だなぁ。



教会まで連れていってもらい、そこでみんなに紹介してもらったり一緒に歌をうたったり話を聞いたりしたのだった。

この村で初めての外国人だったそうで、とても歓迎された。



     ↑パソコンやタブレットまである



    ↑ちびっ子合唱団



    ↑自分の子どもを撮影する親たち。どこも変わらないね



しかし、体の疲れはピークに達しており、終わりまでいる気マンマンだったのだけどついに限界がきてしまった。


そろそろ劇をやるよ。見てかないの?

ものすごく見たかったのだが、12時すぎに失礼して寝てしまった。
朝まで参加できなかったのは悔しいが、大きなベッドは暖かく、寝心地は最高だった。



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最強装備と泥とのたたかい El Corazon




こんな村とっととおさらばしてやる〜(心の叫び)


とアニメの悪役のような心境で山のなかの村・ウアルガジョックを出ていこうとしたところ、ホテル清掃の女性たちにひき止められて写真撮影をせがまれてしまった。

にこやかに手をふってくれる女性たち。


・・・いやいやいや、だまされませんぞー。
もう出ていくんだ。
はやく大きな町についてネットしながらのんびりするんだい。



村のはずれで食事をして出発。

土と石と水で作られたダートコースをふみしめてゆく。
路面は悪いが天気はいい。

天気がいいと気分も晴れやか。





    ↑牛が上から流れる川のようにならんで草をはんでいるのがちょっと不思議



    ↑上を見ると崖がゴゴゴッとそそり立ってる



気分が乗っていても、のぼり道が続いてつらい。
警察官から聞いた話によると、このさき4000mアップなんでしょ?
人間の住むところじゃないよね。

でも、天気がいいから景色がきれいに見えてそれが励みになる。
つらいけど歩くのが楽しい。

そう、天気がいいから












天気が。


くずれてきた。



なんでー、あんなに晴れてたのに!
なんでこんなにあっという間に曇ってしまうの!?




そして雨が降る。



…うん、これね、知ってた。
腹痛のためにコチャで逗留している間にね、なんとなく天気のローテーションが見えてきたんですよ。

朝は晴れて、昼の11時から遅くて13時くらいには雨が降る。
そこから雨が止むかは運次第。
そして夜にまた雨。

雨期はそんな感じの天気らしい。


今日はあんなに晴れてたけどね、雨降るのは読めてた。
だからといってどうすることもできない。



ああ。
もうだめだ。



とりあえずレインジャケットとレインパンツを着よう。
何ヶ月ぶりの出動だろう、このレインマンたちは。
すごく久しぶりに出したなこれ。



    ↑このあたりから池がたくさん増える。雲の位置に手が届きそう



ちょうど現れた小屋の屋根に隠れて様子を見る。

そして雨が弱まっているときを狙って先へ。


ここで立ち止まってはダメだ。
だって村からまだ10kmも進んでいないもの。



道がくだりに変わった。



これ以上ゆっくりしていられない。
ブレーキは利かないが、見渡しのいいここで自転車に乗り一気に距離を稼ぐ作戦にでた。

事故らない可能性に賭けた。



賭けには勝った。

あまり車もいなかったため、道路中央を陣どって雨が強まっていくなか急いで駆けぬけた。



と、目の前にガソリンスタンドの看板が。
こんなところにあるなんて予想だにしていなかったが、これはラッキー。

止まらない自転車をなんとか制し、ガソリンスタンド内へと避難。


同時に豪雨。




ガソリンスタンドにはそのスタッフらしき人と駐在の警官2人がいて、濡れて凍えている自分にハーブティや飴玉、お菓子にクラッカー、コーヒーまでご馳走してくれた。

寒いだろうと毛布をくれる。
なんていい人たちなんだろう。

そして自転車の荷物用に大きなポリ袋までプレゼント。
おお! これ欲しかったやつ!!


    ↑さいきょう!


自転車が壊れていることを話すと、
「走っている軽トラを捕まえれば町まで連れて行ってくれる」と教えてくれる。

ふむふむ。
今はまだ大丈夫そうだが、ピンチになったらその手でいこう。



彼らと話をしながら雨が収まるのを待つが、どうにも止みそうにないので強行突破することにした。

なにせ今はレイン装備。
そしてポリ袋の雨避け。

つまり雨にはとてつもなく強いのだ。



濡れても大丈夫なので行きますよ。

とりぃぁああああ!



    ↑美しい野原が次々とあらわれる



    ↑きれいな景色が出るたびに足を止めてカメラを出す。カメラを付け消し付け消ししてたらおかしくなってしまった。美しいって、罪だね



甘かった。

天気は晴れ、雨は止んだ。
それはいいのだけど、それまでの雨で道が泥だらけになってしまっていたのだ。

雨には強いが泥は想定外。
タイヤが泥を飛ばす飛ばす。

最終的にはこんな状態に。

 
    ↑ヤッバイこれ。みなさんはちゃんと自転車に泥よけをつけましょうね



下ってはのぼり、下ってはのぼりを繰り返す。
一体どこらへんで標高がマックスになるのだろう。


4000mでしょ?
それって相当だよね。

標高計を持っていない自分には今どのくらいの高さにいるのか知る由もない。



ブレーキは壊れている、全身泥だらけ、デジカメとパソコンの調子もおかしい。

そんな精神的にかなり圧迫された状況で、息急き村を目指します。
暗くなる前に! どうか!!



それにしても本当にこのへんは素晴らしい景観だった。
写真をいっぱい撮ったので、どうぞごらんください。↓


    ↑奥の景色がまたきれいなのだが、このカメラだと遠い部分がはっきり写らない。みなさんはいいカメラを買いましょうね


 
    ↑手前のタンポポがいいアクセントになってるかなと思って



    ↑そらにピントを合わせたらちょっち暗いね。手前に合わせると奥が白飛びしそうだったものですから



    ↑こういう草原好き。走り回りたい。馬に乗ってみたい



    ↑奥のウネウネした白い道もこういう山道ならでは


    ↑木の線が引かれている。奥の崖も結構見物だったけど、あんまりうまく写ってなくて残念



    ↑こんな道を走っています。つらなる岩山がカッコいい



El Corazon(エルコラソン、コラソンは心・心臓の意)という小さな村に入った。

本当に何の変哲もない村だが、なぜかレストランがたくさんある。
おそらく5つくらいあったのではなかろうか。

そのうちの一つに入り、夕食に一番安い目玉焼きを注文した。


その男性店員がとてもフレンドリーで話がしやすかったので、この辺でキャンプするとしたらどこがいいかと聞いてみる。

このすぐ隣にホテルが2軒あるとのこと。


ええ!
こんなところに!?



ビックリ。
だってこんな小さな村にですよ。
普通は絶対にない。



すぐ隣のところは部屋がないらしかったので、もう少し奥のホテルへワクワクしながら行ってみる。

レストランがあり、そこがホテルも兼任しているらしい。

誰もいない。
子どもしかいない。


その子に話しかけていると、女性が一人やってきた。

彼女にここはホテルかと聞くと、ぶっきらぼうに

「なんにもないよ!」

と言いだした。


それは部屋がないってこと?

と聞くと、

「部屋もなんもない」

と憎らしげな顔で言う。



がっかりしながら戻ろうとしたとき、その道路際に立っていた女性が叫んだ。

「あの人はなんにも知らないのよ。だからホテルの人の帰りを待ってなさい。
(奥に向かって)なんでアンタがそんなこと言うのよ!」

というようなことを言ってくれたのだった。


1時間ほど待ち、部屋を開けてくれた。
小さなコテージのような可愛らしいところだった。



夜にもう一度雨がふり、下は泥だらけ。
そしてめっちゃくちゃ寒い。
さすが標高4000mにとどく場所。

ホテルが見つかって本当に助かった。






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悪魔の行進 Hualgayoc




1, バンバマルカは谷間にある縦長の町である
2, 町への入口は一方にしかない
3, 町へ入るのに下り坂の道をたっぷり時間をかけておりてきた



つまり、
出るにはもっと時間がかかるということ!


しかも道を間違え、来たときとは別の道に出てしまうこの現状。


なんとか町を脱出するも、そこからはやっぱりのぼり坂。
山道はつらい。




この日は話しかけられdayだった。

とにかく人に話しかけられる日だったのだ。


町から出るときにもガソリンスタンドにたむろしていた人たちに話しかけられたし、
工事をしている建物を見ながらさきほど買った菓子パンを崖際で食べているときも、工事現場の男性がきて隣にすわって長時間世間話。


今度は坂道を歩いていると、今度は遠くから子どもが呼びかけてくる。

「ちょっと待ってて」

というジェスチャーをしていたので待ってみる。
するとアイスをくれた。

天気も悪く寒いけど、でも嬉しい。
ミルクを凍らせただけのアイスで、その素朴な味が水分を欲していた体に染み通ってくる。



そしてさらに、帰宅中のおじいさんの横を通るときに話しかけられ、途中まで一緒に行くことになった。


次の町、Hualgayoc(ウアルガジョック、カタカナにするとすごい名前だな)まで聞いてみたところ、

「この道の先に見える山をグルッとまわってもっと奥、歩きだと2時間半くらいかかるかねぇ」

という話だった。
夕方5時すぎにはたどりつける計算だ。


    ↑距離は近いんだけど、厳しい道だった





しかしこれだけのぼってもまだ道は続き、しかもどこもかしこものぼり坂。
脚や肩、腕にかなりの乳酸がたまってきている。
持っていたクラッカーでエネルギーを補給。

ちょっとずつちょっとずつ、休憩しながら進むが思うように距離が伸びない。
雨も降りだしそうで気持ちばかり焦る。



道路にパトカーをとめて警備していた警察に声をかけられる。
本当に人から話しかけられる日だ。

彼らはとてもいい人たちで、こちらの疲れきった姿を見てパンを差しだしてくれた。
腹が減っていたので助かった。

もうすこしでウアルガジョックだという言葉をきき、安堵する。



    ↑向こう側の山に窓のような穴があいていた。前回の写真で見た光景に似ている。ちょっと気持ち悪い



    ↑景色を見晴らせるようになっているが雲っていて見えない



    ↑看板がズラリ。観光地なのだろうか。…こんな山奥が?







そこから平たんな道をすすんで、ようやく町が見えた。
そろそろ暗くなる時間だ。









中央の広場にあるホテルをたずねる。


    ↑電灯とゴミ箱の数がものすごい

しかし部屋はあいていないらしい。

「向こうにもホテルはあるよ」
と伝えられたのでそちらへ向かおうとすると、そこで遊んでいた子どもたちもついてこようとする。

べつに案内はいらないのだが。
まあついてきたいなら勝手にするがいいさ。


自転車に乗らせてほしいとお願いされ貸してあげる。

先へ先へと行ってしまうのでそのまま盗まれるんじゃないかとヒヤヒヤしたが、こんな山奥で盗んでもすぐにバレるのでこの辺はそういう犯罪は少ないらしい。


いくつかホテルの看板を見つけるがどこも営業しておらず、村のはじっこにある最近できたホテルへ。

そこで少年たちが一言。


金持ってる? チップくれない?





ドーン!





はい、きましたよー。


金が目的でついてきたのかよ。
残念ながら持ってないね。
むしろこっちが欲しいくらいだ。
子どもなら大人たちからかわいそがられて恵んでもらえんだろ。


と子ども嫌いの自分は心のなかで思いながら、
no hay(ない)
というシンプルな言葉にゆきついた。


彼らはべつに悪い子たちというわけではなくとても礼儀正しいのだが、ものすごくしつこい。
一人になりたいと言ってもどこまでもついてくる。




この村では散々だった。


その後ホテルの部屋をとろうとするもなかなか話が進まない。

ホテルの警備員がものっそい感じが悪くて嫌だ。

なんとか部屋をあてがってもらうが、ホットのはずのシャワーが水しか出ない。
ここは昼までも寒く、夜は雪が降りそうなくらいだった。
それもそのはず、ここの標高は4000m手前だそうで、この村を出ると進む先の道では4000m以上ところも出てくるらしい。

そんな寒い夜に冷たいシャワーを浴びては確実に風邪を引いてしまうと思い、シャワーが我慢。

次の日は大雨で出発できず。
この日は祭りが行われていたそうで、通りを歩いているとこんな寒い中で水風船をガンガン投げ当ててくる。

パレードが歩いていたので見に行ったらカラフルなインクをかけられる。
おかげでサブバッグとパーカーと帽子はいまだにポップな色彩になっている。


    ↓悪魔の行進







    ↑みんなインクまみれ



っつかね、こんな寒いと服は乾かないわけですよ。
しかも荷物に制限もありタンスを持ち歩くわけにもいかないので持っている服も限られているんです。
それなのにね、濡らしたり汚したりしちゃダメでしょと。
寒いから服は大事なのに。

ぶつけた女はその後知らんふりしてくるし。



いい人は坂で会った警察官の3人(村でも何度か会った)とレストランの兄さんくらい。


うう、この村しんどい。

とにかく早くここから出ていきたかった。



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う○こみたいな道しやがって! Bambamarca

 


今日の天気は曇り。
ただ風が湿っぽく、気圧も低そうだ。
これから雨になるかもしれない。
そうなる前に急がなければ。


いそいそとテントを片付けて出発。
朝食は抜き。

簡単にすませられるクラッカー類はすでに食べてしまった。
ラーメンは持っているが、作るのに時間がかかるためパス。

今日はこの先のBambamarca(バンバマルカ)という町につくはずである。
町の名前がぜんぶ似ていてとても紛らわしすぎる。
とくに固有名詞が苦手な自分はときどき間違えてしまう。



昨日は大雨だったため、地面は泥だらけ。


    ↑こちらは前日の様子。これが水でドロドロになった


タイヤが一回転するたびに新しい泥がタイヤにへばりつく。
足下がぬかるんでいてすべって歩きにくいし、タイヤにくっついた泥があちこちに飛ぶので、数分もすれば荷物も体も自転車も汚れに汚れた。




こなくそ〜、う○こみたいな形状しやがってー!!


と思いながら足場の悪い中をゆっくりゆっくり進んでいく。

※かりんとう、もしくはカレーを食べながらごらんのみなさん、タイトル共々本当にすみませんでした。




家はちらほら見えるが、レストランはないようだ。
ああ、腹が減った・・・・・


車が小さな崖に落ち、大勢がロープを巻きつけて引っ張り上げようとしているところに出くわしても、泥だらけで腹が減っていて元気のない自分は手伝う体力も気力もない。
素通り。



山道を登り、ちょろちょろと流れる小川からあふれた水の中を通り、靴はべちょべちょのぐちょぐちょ。
自転車は隙間という隙間に泥がつまっている。

それでもフラフラと今日の歩数を増やしていった。



レストランはあいかわらず見当たらないが、数時間後に商店を見つけた。
お菓子やパン、ジュースを買ってことなきを得る。
助かった。



道は登りの一手のみ。
景色はきれいだがそろそろ雨が降り出しそうだ。
見とれている場合ではない。
急がなくては。


    ↑雲が厚くなってきている


途中、道路工事の二人組につかまった。
さわやかな口調でいくつもの質問を投げかけられたとき、ついに雨が。

慌ててすぐそこの家の屋根下に身を隠す。



いったん雨が落ち着いてから急いで出発しようとすると、また同じ二人組が声をかけてきた。

申し訳ないが、今は急がなくてはいけない。
「もう行くから!」と言ってさっさと先を目指した。
ごめんね。



雨はまた降り出し、これは今日は濡れるしかないと覚悟を決め、そのまま自転車を押していく。


と、道がくだりに変わった。
ブレーキが利かない現状だが、これ以上濡れたくはない。
思い切ってサドルに飛び乗った。


しばらく降りると雨が突然止み、その先の道路が乾いていた。
ここが雨と晴れの境界線だったらしい。

これはチャンスとばかりに一気に進む。


すると案の定、前輪のブレーキワイヤーが切れた。
恒例イベント。


きみさあ、数日前に取り替えたばっかりだよね。
もうスペアはないんだっての。



泥のついた靴と自転車を引きづりながら歩きつづける。

家の塊が見えた。



希望の塊。
あれがバンバマルカだろうか。


人に聞いてみると、違う町だったようだ。
 もうがっかりだ。

でももうすぐ着くという。
 あ、マジで。


早く、早く着かなくては。

空腹で泥だらけで自転車もボロボロという満身創痍。



一山グルッとまわっていくと、縦長の町が谷間に見えた。



あれかぁーーー!!!
            (写真撮るの忘れた)



やった、やったよ。
やっと着いた。


縦長なので町の中心部まで辿り着くまでが長い長い。

その間にレストランで食事をし、バイク修理屋でワイヤーを交換、そして予備ワイヤーを4つ購入。
これでいくら切れても大丈夫だろう。

大丈夫だろうなぁ、自転車よ?(ガンつけ)



    ↑その時食べた料理。名前は忘れたが、沖縄のヒラヤーチーをカリッとさせて油っぽくしたようなものだった


※参考 ヒラヤーチー

 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hirayachi_by_Blue_Lotus_in_Okinawa.jpg より



中心部へと到着。
ホテルは15ソル(555円)のところをとった。
個室でバス付きだったのと、スタッフたちがいい人そうだったのが選んだ理由だ。



    ↑ホテルには近くの観光名所の写真が飾られていた。ここはventanillasというところ。岩に窓のような穴があいているらしい


    ↑ここはbosques de piedras。ボスケスということは森なのだろうか。変わった形の岩が並んでいるらしい。ここ行ってみたい! と思ったのだが、チョタの近くにあるということで諦めた


    ↑こちらはperfil de cristo。岩山がイエスキリストの顔に見えるという。どれも行くことはできなかった。これらは誰かほかの人に託そう


ホテルのご主人が言うにはwi-fiはこの辺にはないらしい。
そういえばネット屋が見当たらないなーと町を歩き回っていると、広場のまわりに普通にあった。
しかもたくさん。

探してみると、wi-fi付きの観光者向けホテルもある。



なん、だと・・・
だ、騙された。



いやいや、騙したのではなくただ知らなかったのかもしれない。
興味がなければ目に入らないだろうし。

そう、プラスに考えよう。


しかもwi-fiが使えるホテルは安くても30ソル(1110円)する。
今泊まっている値段の2倍だ。
ネット屋に入れば1時間1ソルでインターネットができるので、そうすれば安くすむし、今のところで十分だ。

そう考えよう。



広場にこんな垂れ幕が。



ホテルの主人に聞いてみると、これは来週行なわれるカーニバルなんだそうな。
県都カハマルカだけではなく、この辺一帯でも祭りをやるみたいだ。



広場にはみごとなデザインの植木が並んでいる。



鳥に、



ちょうちょ、かな・・・?

 

よ、ヨッシー?


※参考 ヨッシー




夜には教会がライトアップされる。




チョタの町ばかりよく耳にしたけどさ、実はバンバマルカのほうが大きいんじゃないの、これ?

なんかすごいんだけど。
チョタとは違って色々な店がそろってるんだけど。


街中では商店街が広がり、厚手の上着が多数置いているのが目につく。
たしかにここは夕方すぎると寒くなる。


一枚買っていこうかとも思ったが、思いとどまった。

これ以上荷物が増えるのは困る。
しかも厚手の服は余計にがさばる。
もう入る余地がほとんどない。

そして、一度この山を降りてしまえば当分灼熱の砂漠となる。
荷物になるのは目に見えている。


ジャケットは欲しかったが、ここは我慢だ。



ホテルの目の前にあるメルカド(市場のこと)にも行ってみる。
いつもの暗いトンネルのようなメルカドとは違い、ここはモール風の建物のなかにそれはあった。

4階建てくらいになっていて部門によって階層が違い、なかなかお金がかかっている。



    ↑2階、生鮮食売り場でございます



     ↑建物自体もわりかしきれい



    ↑野菜の中に混じるハーブ

ここは他の商店よりも安くお菓子が買えるため、なんども利用した。



ここには休養として数泊追加。
そして、ずっと気になっていた長い階段をめざす。


                 ↑これ


ここは標高が2500m以上あるらしい高地であり、すぐに動悸・息切れ・救心という流れになるのだが、

いや別にこんなもん平気ですよ

という表情を作りながらトップへと到着。
誰にも見られていなかったので、意地を張ったのに意味はない。
気持ちの問題だ。






ファー。



ファーラウェーイ。


わーひろーい!


などとはしゃいでいたが、実はこの道を後日通ることになろうとは。

別にわざわざ階段をのぼらなくても見れたのに。
また、つまらぬ努力をしてしまった。(石川五右衛門風)


ま、ま、いいでしょ。
この日は天気も悪くなかったし。
帰りはパラパラ雨ふってたけど。


ここは落ち着いて、とりあえずおいしいものでも食べましょ。ね。

ゆきついたのは一軒のレストラン。
そこで10ソル(370円くらい)もするステーキを注文したのだった。


    ↑めっちゃうまかった!

いやー最近肉とかあまり食べれてなかったし。
というか食事じたいあまりしてなかったからさ、これくらいはいいよね、うん。


・・・いや、15ソルだったかも。
もしかしたら20ソルだった? あれ?



まあとにかく、この先のことを思い、ここで英気をやしなったのだった。



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