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毎週キッチリ体調崩すのはもうやめて! Chincha



   ものすごく腹が痛い。


夢うつつで正常に保てていない意識のなか、苦痛だけがはっきりと感じられた。

汚い話だが、
漏れるかもしれない

それくらいの危機感があった。
だが、体は眠りたがっていて動かない。


なんとか痛みの波を乗り越え、朝、レストランでトイレを借りる。
腹の調子は変わらない。


これは・・・・・
一刻も早くホテルへ行って休まなくては。


どうしたのだろう。
通常の腹痛より症状が激しい気がする。

食中毒だろうか。
昨夜飲んだミルクが悪くなっていたのかもしれない。


休み休み、ゆっくりとテントや寝袋を片づけていると、レストランの関係者とおぼしき男がこちらへきて、少しの会話のあとオレンジをくれた。

「とても甘いよ」
と手渡されたオレンジ。

レストランから少し離れたところで朝食として食べてみると、本当だ。甘い。
むさぼるように水分と栄養を摂取して、腹の痛みを我慢しながらゆっくりと坂をのぼった。



町があった。

わらでできたちびくろサンボみたいな巨大な人形や、ワインや大振りの瓶に入ったアルコールが並ぶ。
目に楽しいが、今はゆっくりと眺める余裕はない。

休めるところを探さないと。
いそげ。


目についたホテルはどこも無人。
看板に[←hospedaje(宿泊施設)]と書かれているので、導かれるまま従う。

このころには具合がさらにひどくなり、軽いめまいと強い頭痛、体の節々の痛みが出始めた。

昨日は非常に寒く体は芯から冷え、テント泊で体力も完全ではない。
さらに虫騒動での神経の消耗。
そしてミルク。

4連パンチを食らってしまったようだ。


ってかね、週一で体調崩すのやめてくれませんかね!?


広場に出て、ホテルの文字が目に入った。
どこでもいい。
これ以上はもう歩けない。


    ↑その広場の写真

ホテルは結構な高額でwi-fiも制限がかかっていてほぼ使えなかったが、もう背に腹は代えられない。
今回は”腹は背に代えられない”のだけど。


ひとり旅は一人ですべてこなさなくてはならない。
当たり前だが、ピンチになったとしても、基本誰にも頼れない。
だから、危機的状況にならない努力が必要だ。

本当はね。


体調の波を図り、腹痛がおさまっているときを狙ってご飯を探しに外へ。
ついでに町も様子も写真におさめておく。



    ↑観光者向けのお菓子とアルコールが屋台にならぶ↓







    ↑わらでできた人形のキャラクターバージョン


ATMを探すが見つからない。
実はここは街はずれだったらしく、セントロ(中心部)へはハイウェイをもっと進まなくてはいけなかったらしい。

[←hospedaje]の看板はトラップだったというのか・・・!


体調も戻らないし、どちらにしろもっと安いホテルに移らないといけない。
ってことで、セントロへ移動するよ!



    ↑昨日までは嘘のように閑散とした通り


セントロの手前にホテルがあったのでそこで数泊する。
値段はそこそこだったが、目の前にスーパーがあって便利そうだ。
値下げ交渉はしてある。


ここChincha(チンチャ)は、規模は小さいがなかなか立派な造りになっている。
都市以外に大型スーパーがないペルーで、スーパーとそれに付属する小さなモールがあるくらいには栄えている。
しかし治安は悪いようだ。

ホテルのおじさんにも、

「銀行に行くなら自転車には乗らないほうがいいよ。ここらは危ないから。あとこっちの通りは危険だから入らないようにね」

と注意される。



    ↑セントロの広場。噴水がみごと。贅沢な広さ↓






    ↑酒屋も立派だった。ワインが名産らしい↓





ホテルでトイレとベッドをひたすら往復する日々。
食事もあまりのどを通らず、やつれてしまった。

大学時代にも焼き肉屋で食中毒になったことがあり、そのころを思い出した。
そのときも一人暮らしだったので大変だった。
あの時は確か、1週間くらい症状が止まらなかったっけ。

これは、今週いっぱいは走行をお休みしなくてはならないだろう。


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つらい日々が今、始まる・・・!


セロアスールのホテルを出て先へ。


あいかわらず砂漠のなかを走る。

昼ご飯を食べていないので腹が減った。
しかしこんな砂漠のなかにレストランなんてそう、なかなかあるはずが・・・・・




・・・あったわ。


道路の両サイドに2軒。
こんなへんぴなところにあるため、値段は高い。

もう少し我慢するか、それともいつもよりちょっと多めにお金を出すか。
たとえこの先にまだレストランがあったとしても、ここより安いとは限らない。

ここで食べるかしばらく考えていると、奥からお父さんが出てきて、

「いいよいいよ、ご馳走してあげるよ」

と言ってくれた。


マジで!?




マジで!?


    ↑魚のスープと焼き魚、インカコーラを提供してくれた


「数か月前にもフランス人が自転車でここで来たんだよ」

という話をしながら、空いた腹に魚を詰め込んでゆく。
食後は娘たちやお母さんと一緒にお話。
というか、質問攻め。

知らない単語に四苦八苦しながら次々と応答していくと、コーラをプレゼントしてくれた。
これは非常にありがたい。
後で飲むよと自転車の後ろに縛り付けておく。


    ↑お母さんは写真を撮られたくないらしい。自分も取られるのは好きじゃないから気持ちはわかる


彼らと別れ、元気いっぱいペダルをこぎだした。
「リマを出てからというもの、良いことばかり起こるな」などと浮かれながら。


しかし、

そんないい日が続くのも

ここまでだったのです。



    ↑砂漠の町があったが、この感じだと宿泊施設はなさそう



    ↑奥に宝物とかありそう。インディージョーンズとかいそう


砂の斜面を子どもたちがゴザに乗って滑っているのが見える。
建物が点々とならぶ海沿いの通り。
ひとつだけホテルがあったので覗いてみるが、今は電気がないからと拒否されてしまった。

海岸でテントを張ってもいいが、自転車の置き場に困るのと、砂のなかを自転車で進み入れたくない。
故障の原因になるから。

それに、このあたりはなんだかちょっと危険そうな気がした。
治安が悪そうな気がした。
なんとなく。
わかんないけど。




レストランがあったので、その横にテントを張る許可をもらう。
スタッフは明るくいい人たちで、すんなり許可が下りた。

「バスがくるからこっちにしたらいいよ」
と屋根のある空き家を勧めてくれた。


夜になり、ガスストーブでインスタントラーメンを作る。
今日の朝作っておいたチョコ味のプロテイン入り牛乳を飲み干す。



ここで気がついてしまった・・・・・



このそばには大きな井戸があり、レストランはそこから水をくみ取っている。
その井戸から、なんとゴキブリがわらわらと出てきているのだ。

水だけでなくゴキブリまで湧き出す井戸。
しかも大量。


ついに、テント付近まで近よるものが現れた。

床の割れ目から、いくつもの触覚が見え隠れしている。


これは大変と、慌ててテントを移動。

一歩遅かったようで、テント内に1匹だけ侵入されてしまった。
見失わないように急いで退治する。

大変なことになってしまった。
荷物に入り込んでいたらどうしよう。


それに加え、ここは深夜がとても寒かった。

海風と砂漠。
その相性は抜群だと言えよう。

21時ぐらいまでは汗が出るくらいテント内が暖かかったので、薄着で寝てしまっていた。
まどろむ頭のなか、寝袋にくるまり震えていた記憶がある。


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海の町で人の生活を満喫 Cerro Azul




マラ村の人たちの朝は早い。

朝5時。
部屋の電気がつけられてベッドの作業員たちが皆目を覚ます。

「もう時間か」

「そうだ」

という短い会話のあと、ベッドから飛び起きて仕事へ。


その5時間後、朝が弱いチャリダーがひとり起床した。

「よく寝てたねぇ」

と笑うおばちゃんに宿代の5ソル(175円)を渡し、台所に置かせてもらっていた自転車を外へ運び出す。
そのまま出発しようとすると、

「朝ご飯はいらないの?」

と引き止められ、チーズサンドイッチとコーヒーをごちそうしてくれた。


やっぱり、全然mala(悪い)じゃなかった。



ひきつづき、砂漠のなかを走行。


    ↑すんごい曇ってる



    ↑しかし午後には急上昇。気持ちがいいほど一気に晴れた



ハイウェイ横にこのような看板と門が見えた。



Cerro Azul(セロアスール)、青い丘という意味の町だ。
イルカがたくさん飾られていて、なんだか楽しそう。

時間はまだ早いが、よさげなホテルがあったらここに泊まろう。


高そうな老舗ホテルがこの辺にしてはとても安く、しかも値下げしてくれたので、ここに数泊することになった。


    ↑泊まったホテル。大きな町ではないが、なぜか非常にたくさんホテルが建っている

夜はここのロビーでホテルの家族と一緒にテレビを見せてもらった。
部屋にもテレビはあったが、映りがイマイチ良くなかったのだ。

彼らと一緒にペルーのリアリティ番組を視聴する。
応援している人が勝ってガッツポーズをしながら喜ぶと、ホテルのお母さんはこちらを見て楽しそうに笑っていた。

ここにきて初めてだれかとテレビに関して共有することができた。
とても楽しかった。



ホテルは安かったが、レストランは相変わらず高い。
安めの食堂を探したり、カート売りのハンバーガーなどで腹を満たす。


町を見学してみると・・・・・

うーん、観光地って感じじゃないんだが。
しかし海沿いのレストランは観光向けのバカ高い値段設計になっている。
お土産屋はあるが、なんだか投げやりな感じ。

こんな小さな町でちゃんと盛り上がっていけてるのか、心配になる。


だって、どう見ても田舎の漁村なんだもの。


    ↑ほら、さびれた漁村って感じでしょ?


魚やお土産を売っている閑散とした市の横を通り抜け、波止場の先まで歩いてみる。

  
    ↑なんか魔王像みたいな岩

そこから漁の光景を眺めてみたり。


    ↑戻ってきたボートを迎え入れる。「大量だぞー」とか言ってそう


    ↑浜まで手で引くの大変そうだね


波止場で海に糸を垂らしている人も結構いた。
竿がなく、本当に糸だけで釣っているのだ。
慣れていないと難しそうだ。

そういえばエクアドルで釣り竿買ったのに、まだ一回も使ってないな。


    ↑紐に重りがついている釣り道具が売っていた


    ↑隣には釣り餌が・・・これはヤドカリの仲間? ウニウニ動いていてかわいかった



    ↑漁の具合はというと、エイがめっちゃたくさん捕れていた。エイって食べれるの? 


海の家のような食堂のようななんだかよくわからないほったて小屋が海岸に建っていた。
そこでなにか食べようと思ったが、営業していなかったようだ。
その小屋のなかで、海の男たちがカードゲーム賭博をしていたので、それを眺めて過ごした。
昼食は抜いた。


日曜の夜には広場で祭りに遭遇。
観光客向けではなく、住民たちのためのものみたいだ。

警察署の前で大音量のダンスナンバーがかかっている。
人の輪の中心で、仮装をした町の人たちや子どもたちが踊りを舞っている。

日本にはない果物のフルーツ飴を買ってみたが、おいしくなかった。
コーヒーを飲みながらその雰囲気を楽しみ、ホテルへと帰っていった。


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マラだけど、マラじゃなかった Mala


サンバルトロのホテルを出て出発。
ハイウェイがすぐ近くなのでスムーズに町を出ることができる。


少し走っていると、地面に書かれた絵が見えた。

ナスカの地上絵かな?




  
    ↑よく描かれている

そんな冗談を心のなかでつぶやきつつ写真を撮りながら走っていると、今度はアイス屋さんがズラッと並ぶ通りへ。
せっかくなので、ひとつください。



このアイス屋、どこもなぜか宇宙人やよくわからないキャラクターが書かれている。


    ↑緑やブルーの両腕をつかまれてそうなものからブラウニーのような妖精風のものまで豊富に取り揃えております


よくUFOが来るのだろうか。
それとも、ご当地のゆるキャラ?

アイスを食べてみる。
マズくはないが、値段が高い割にそれほどおいしいとも思えない。
お値段未満。

うーん、ハズレだったか。


ああ・・・ 地元の「走るアイスクリームショップ」のアイスや「ミルク通り」のソフトクリームや「ジジ」のジェラートが食べたくなってきた。
生まれ育ちが北海道なので、牧場が豊富な関係上、実家の近くにはたくさんのアイスクリーム屋があり、そういう意味では夏はパラダイスなのだ。

あーあ、最高においしいアイスが食べたい。


その先すぐにこんなものが。



十字架!?


だれかがかついで来た、ってことだよね、これ・・・・・
近づいて詳しく見てみよう。


なるほど、快適にかついで運べるよう色々と工夫がしてあるようだ。

十字架の底にはキャスターがつけられており、転がしていくことができる。
十字架の脇の片方、肩に当たる部分にはクッションが巻き付けられ、十字の端っこにそれぞれ荷物がつけられるようになっている。

見えにくいがキャスターの上には寝袋などがくっついていた。
前後輪の上に乗せる自転車の荷物配置とよく似ている。

十字架本体にはいろいろな人の顔写真がはっつけられていた。


これを運んで巡業しているなんてすごいな。
キリストを彷彿とさせる。

少し前までここにいた形跡があったが、残念ながらこのときはちょうど席を外していたようだ。
写真だけ撮らせてもらって、すぐ前進。


    ↑Leon Dormido眠れる獅子とはカッコいい名前だなぁ


    ↑ここが「眠れる獅子」村らしい。たしかに静かだった


    ↑このほら穴がいいね



    ↑砂漠のなかのオアシス的な景色もあった


この日はいろいろな景色を見ながら、Mala(マラ)という町に着いた。

malaとは、スペイン語で「悪い」という意味だ。
ちょっと怖い。


ホテルを探してみるが、どこも閉まっているか、めちゃくちゃ高い。
やっぱりか。
この辺の海沿いはどこも海水浴に来る人狙いで、値段がとても高くなっているようだ。


なんてところだ。
マラだわ。
これはマラ。


途方に暮れていると、一人の土木作業員風の男性が親切にも一軒のホテルへと案内してくれた。

連れられたそこは、
ホテルというか、食堂だった。


そこで30分ほど待っていると、おかみさんが帰ってきた。
「ドミトリーならなんとか用意できるよ」
ということで、そこで一泊お願いした。

ベッドを開けてもらう。
ここは土木作業員たちの下宿のようになっていたようだ。
室内はジメジメしていてカビのようなにおいがする。
ルームメイトはこちらを快く迎え入れてくれた。

ちなみに値段は5ソル(175円)。
今まで泊まったホテルのなかで一番安い。

最安値更新しました!



    ↑hospedajeと書かれていたのでここに泊まるのかと思っていたら・・・


    ↑この食堂の奥に泊まることになった


仕事を終えた男たちは、ひとつしかない食堂のシャワールームを取り合い、そのあとは夕食まで食堂内でかかっている海賊DVDの映画を見たり、隣のグラウンドでサッカーを見たり、外へ友人と会いに行ったり。

そんなペルーで働く人々の生活を垣間見る。

冗談を言ってからかい合いながらすごす彼らのその時間はとても穏やかでやさしく、セピア色をしていた。


この食堂も夕食セットが5ソル(175円)と、安く食べることができた。


なんだ、いいところじゃん。

全然マラじゃなかった!


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しんせつな老人の誘いを受けますか? San Bartolo


名残惜しいがルリンを出る。

パンアメリカンハイウェイに戻ると、あの忌まわしくも思い出深いテレビ局「americaTV」の看板が。
憎さ交じりに、リマで新しく買ったカメラのテストとしてこの看板を利用させてもらった。





そんななかでわかったことは、ルリンは5㎞以上先まで続いていて2つに分かれているようになっていたということだった。
この先にホテルがたくさん並んでいたので、小田島さんたちの話は間違いではなかったようだ。



    ↑途中で昼食。モツが煮込まれたカウカウ(左)とソパ・デ・カサ(右)


ハイウェイを数時間走行する。

町が見えたので入ってみる。
少し早いが今日はここで終わろうか。

海沿いの町San Bartolo(サンバルトロ)はどこも高そうな外装のホテルばかりで、実際高い。
最初に40ソル(1400円)でほかは全部50ソル(1750円)という、日本では格安だがこちらではかなり高額と言わざるを得ない値段だった。


そんなことを町の入口の見張りに話すと、今まで通ってきたハイウェイの近くにもう一軒安いところがあると彼は言う。

それじゃあ見に行ってみるよ、と言ったそのすぐそばから自転車に乗った老人がさっそうと現れ、
「宿を探しているなら家に来るか?」
と提案してくれた。

彼もサイクリストであるらしい。


若干のうさん臭さを感じつつも、一応ついて行ってみる。
門に囲まれた家に案内され、部屋を見せてくれた。
ベッドが2つとバスルームがついた部屋だった。

しばらく使われた形跡がないその部屋は、お世辞にも「清潔ですね」とは言えないが、自分が寝泊りするにはまったく申し分ない。

「一泊20ソル(700円)でいいよ。この町ではこんなに安いところはないよ」

と言う、はつらつな老人。


そのあと家に収納していた彼の自転車コレクションも見せてくれた。
犬も猫もいて、楽しそうだ。


ここでもいいとは思ったのだけど、さっき見逃したホテルが気になる。

おじいさんには断りを入れ、戻ってホテルを確認。
ものすごくいい部屋というわけでもなく、値段もちょっと高い。

しかし、あの老人の家に泊まるのは少し不安があったので、結局こっちのホテルで一泊することにしたのだった。



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再スタートでストップ&ゴー《リマ脱出》


リマから出発する時が来たようだ。


ブログには書いていないこれまでのことを説明すると、宿を「お宿桜子」から「カサデルソル」という日本人宿に替え、その後すぐに出るつもりだったが大風邪をひいてしまい一週間寝込む。
そこからズルズルと滞在が伸び、さらにそのホテルの小学生の女の子を相手に家庭教師をすることになって数週間いつづけた。

前に話した"応援している芸能人"は、今シーズンはテレビに出ないことをほのめかしていたが突然また番組に登場。
試合にはあまり勝てていないようだが、それ以外のところでなかなかいいアピールをかましているようだ。
Eyal Berkoverという名前なので、ペルーに訪れる機会がある人はどうか応援してあげてください。

さて、すべてに折り合いをつけ、これで安心して出発ができる。



「カサデルソル」の小田島さんからこの先の町の情報をもらい、ここの家族と別れを告げる。
いい別れ方だったと思う。

すぐ向かいの店で水を買い、1ブロック隣のガソリンスタンドでタイヤの空気を入れて、
旅はまたスタートする。


パンアメリカンハイウェイという大きな主要道路、そのひとつ隣に小さな自転車道を見つけた。
街中ではこのハイウェイは巨大な高速道路と化し、自転車ではちょっと走りにくいので、その自転車用道路をたどることにした。

ハイウェイと平行に走っているかはわからない。
行き先が同じことに賭ける。


その賭けはみごとに成功。
ハイウェイに通じていた。
見知らぬ登山道にたどり着いてしまったらどうしようかと思った。



    ↑狭くても自転車専用の道があると安心する

途中からハイウェイに入り、リマを抜け出せるように車に気をつけながら必死にペダルをこぐ。


久しぶりの自転車。
足がすぐにパンプアップしてしまった。

レストランに立ち寄り、おいしい肉料理を食べて体力を回復させる。
店の客とそこでかかっていた音楽の話をしたり、この辺は感じのいい人が多い気がする。



小田島さんの話では、リマから25㎞ほど南のLurín(ルリン)という町で今日は終わるのがいいのではないか、ということだった。
出発が昼すぎになってしまったので、この日はあまり走れない。

他の人だったならば、こんなところで立ち止まるはずがない。
だが、自分は足が遅いし暗くなる前に休みたい。

この「25㎞」というのはものすごくちょうどいい位置にある町だと言えよう。


そこはホテルもたくさんあり、安値のところもあるだろうということだった。

ハイウェイを左に抜けて砂漠のなかを少し走り、ルリンと書かれた丘の町へ入る。



が、


全然ホテルがない。



ガソリンスタンドのあったホステルは閉店しているし、看板を頼りに入ったホテルは50ソル(1700円)とめちゃくちゃ高い。

道路の警備をしていたおばさんと一緒に近場のホテルを探すが、すべて部屋はないと言われる。

おばさんが管理している部屋を貸してくれると言ってくれたが、天井に大きな隙間が空いていて寒そうだったのと、1泊20ソル(700円)ということだったのでほかのホテルを探すことにした。
10ソルならば泊まっていたかもしれない。


丘をもっとのぼったところに安いホテルがあったのでそこに決定。
なんとか部屋にありつけた。

店番をしているおじさんが感じのいい人だったし、ネコがたくさん飼われていて、古めの建物だったが気に入った。

この町はなにもない小さなところだし治安も悪いそうなのだけど、人がみんな笑顔で接してくれてとても居心地がいい。
観光レストランの呼び込み、ガススタの店員、道路の見張りをしているおばさん、バイクタクシーの若者、レストランのウェイターをするおじさん、小さな商店のおばあさん。

リマを含め、ペルーの特に海岸線あたりは感じの悪い人ばかりだったから、こういう他人に優しい地域というのは新鮮だった。


食事を済ませたホテルへの帰り道、丘を登りきったところで振り返ってみる。

町に着いたときは小さく見えたこのルリンも、丘から見るととても広く、夜の暗闇のなかいくつもの街灯と家の明かりが光っていた。




ついついもう一泊したいと思ってしまったが、さすがに再出発の当初からそれはイカンだろうと思いあきらめることにした。



翌日、

朝起きたら強烈な胃の痛みが襲ってきた。
昨日食べたサラダか肉かプリンが悪かったのか、それとも食べ過ぎたのか。
変な病気だったら嫌だな。

昼頃には多少痛みは静まっていたものの、この日は大事をとって休んだ。


再出発の2日目にしてこれって・・・
もう1泊したいという望みはかなったが、こういうことじゃないんだよなぁ。


この日はほとんど寝て過ごした。



    ↑日曜日だったので広場では催し物が行われていた。タープの下でレストランが開かれている


※ストップアンドゴー(記事タイトル)
ストップアンドゴー政策とは、経済政策で好景気を伸ばそうとする方針と抑えようとする方針を、短期間で交互に繰り返す政策のこと。一般的に経済成長が遅れてしまい、良くない政策と言われているらしい。
もちろん筆者はそこから持ってきたのではなく、『スーパードンキーコング』というゲームの「ストップ&ゴーステーション」というステージ名が小さいころからただ単に好きだった、という特に意味のない理由からである。


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リマにある2つの日本人宿をレポート! Peru



リマでは2つの日本人宿を訪れました。

せっかくなのでそれぞれのレビューを書きたいのですが、
このブログは今のところ大体すべてを正直に書くというコンセプトのもとやってきているので、ここでも自分が思ったことを正直に書こうと思います。




  以下、すべて2016年7月情報です。



まずはペルーで今一番有名だというお宿桜子

正面写真がこちら。



桜子と書かれていないし少しだけ奥まったところにあるのでわかりづらいですが、「サウナ トモダチ」と書かれた看板が目印です。

メトロという電車の駅「Piramide del sol(ピラミデ・デル・ソル)」が近くにあります。



    ↑以前記事内で「店の人に宿の位置を教えてもらった」と書いたが、彼がその人。オーナーの夫であるマリオさん


「お宿桜子」というホテル名なので、てっきり主人は桜子さんという名前なのだと思っていたら、実はこれは飼っている愛犬の名前から取っています。
オーナーの本当の名前はなつきさん。


   ↑お宿の女将だからすごい撫子的な人なのかと想像してが、結構サバサバした性格でイケイケな雰囲気。女性にモテる感じの人だった


ここは日本人宿にありがちな汚い内装ではなく、室内がとっても清潔に保たれています。

そして洗濯機が無料で使い放題!(洗剤は自腹)
 ↑ここが一番のバックパッカー喜びポイントらしいです。

キッチンにはケトルや電子レンジがついていて、ガスもマッチやライターなしで付きますし、調理器具も豊富にそろっています。
フリーフードもたくさんあります。



ほかにも、
女性に嬉しいマニキュアやドライヤーの無料貸し出し、
電車のカードもデポジットを置いておけば貸し出し可、
小説や漫画も多数用意。

特に漫画は要チェックです。
これでかなり時間が潰れてしまいます。

個人的にはもっと、そうだな、たとえば蟲師とかよつばと!や ばらかもん あたりとかロトの紋章とか、少女漫画ならキャットストリートや矢沢あい系なんかもあってもいいと思う。


そして一番自分が嬉しかったのが、メトロというスーパー(電車と同じ名前でややこしい)の会員証を貸し出してくれていたこと!
ボーヌスという、バーコードが入ったプラスチックのタグがあるのですが、これがあると結構安く買い物ができるのです。
これがもう素晴らしかった!!

2番目に嬉しかったのは、犬と猫がいること。


バックパッカー系の人たちがたくさんくるので、この辺やペルーの情報がほしい人にはうってつけでしょう。


    ↑地図もくれる!


プールやジャグジー、サウナ、ジムの宿泊者値引きは今はもうやっていないようですが、入場料を普通に払えば使えます。

部屋は離れのドミトリー部屋がある一軒家と、2階に上がったところのカウンターの向かいにある個室が並ぶ部屋の2か所に分かれています。
それぞれにキッチンやテレビなどが完備。



料金は先払い。
値段は、自分の場合はドミトリーで2週間目までが長期割引で29ソル、3週間目から25ソル、1か月以上で朝食付き20ソルと徐々に値下げしてくれました。


時期やその時々でまったく変わると思うので、これはあまりあてにしないでください。
ただ一応、長期割引は受け付けているそうです。


この宿のデメリットは、やっぱり立地。

ちょっと半端なところにあり、旧市街まで歩いて1時間かからないくらい、一番近くのスーパーまで歩いて20分。
バスは出ているので慣れればそれほど苦戦しないと思いますが、さっと行ってパッと帰ってきたいという人にはあまり向かないかもしれません。

それから、ここはリマの中でも治安が悪いと言われる地区にあります。
本当に治安が悪いのはもっと奥なので、ここはそれほどでもないのですが、それでもタクシーの人や通行人に住所を聞くと、
「なんでそんなとこに行くの!?」
と言われてしまうほど。

気を付けていれば問題はないとは思うのですが、まあそこがデメリットのひとつでしょうか。
実際にスリの被害にあった人も数人います。


スタッフの人たちの多くは日本語を話すことができますし、みんな歓迎ムードで迎え入れてくれます。
知りたいことがある人やたくさんの人と会話をしたい方にはオススメです。


 
    ↑いつも話し相手をしてくれた(無理矢理話し相手をさせたとも言う)プール・サウナスタッフのアルトゥーロ。日に日に避けられていった気がする


予約はしなくても泊まれますが、できるなら予約したほうがいいそうです。
メールで連絡するだけなので、簡単に済ませることができます。



お宿桜子 ホームページ↓
http://oyadosakurakolimaperu.jimdo.com/




つづいて、Casa del Sol(カサ・デル・ソル)


    ↑窓から見た景色


こちらはホテルというよりもどちらかというとホームステイに近いかもしれません。
部屋をひとつ借りるような形で泊まることができます。

現在は子どもたちの学校や仕事の都合上、オーナー家族は少し離れたところに住んでいるため、ほとんど一人で使えます。


ここはとにかく立地がいいです。
これはとても魅力的。

新市街も大型ショッピングセンターのジョッキープラサもわりかし近くにあり、電車の駅も近いです。
ただ、ここからならわざわざ電車のカードを買うよりも、バスを使ったほうが安くて便利だと思います。

新市街に簡単に行けるのは本当に便利でした。
オシャレな店やおいしいレストランがそろっているし、観光するにもうってつけ。

旧市街には時間もかかるし少し行きづらくなりますが、バスで1.20ソルと安値でたどり着けます。

スーパーも徒歩5分圏内に3軒あり、すてきです。


ホテルですが、基本的にリビングとキッチンは自由に使っていいそうで、冷蔵庫にある食材なども食べていいと言ってくれました。

部屋は3つあり、バスルームがついた部屋と個室、それから大部屋。

室内は狭いですが、さすが高級住宅街と言うべきか、とても清潔です。
玄関には見張りが24時間いつもいますし、部屋がある4階へはエレベーターで登ることができます。
前々回の偽金の見分け方を教えてくれたのが、ここの門番さんのひとりです。

単身赴任者や旅行者向けにしているためお値段は高いのですが、バックパッカーの人にはバックパッカー料金にしてくれるそうです。
自分の場合は30ソルにしてくれましたけど、他の人はいくらになるのかはわかりません。



    ↑バスつきの部屋



    ↑個室。バス・トイレは別だが、部屋やバスルームはこっちのほうが広い


欠点は、このあたりの物価が若干高いこと。
一応探せば安い店はちゃんとありますし小さなメルカド(市場)も近くにいくつかあるのですが、多くの店は基本的に高めの値段設定です。


それから、家に誰もいないことが多いので、話し相手がほしいという人には向きません。
情報もまったくないので、自力で調べたり、実際に動き回って探索することになります。
逆に「一人で全部やりたい!」という人はこれがメリットになるわけですが。


カサデルソルへオーナーの小田島さんから連絡が来るときには、基本備え付きの固定電話からなので、電話が苦手な人はあらかじめメールで連絡をお願いしておきましょう。


もう一つ、これは長期滞在者のみの問題になりますが、床の汚れが気になっても誰もいないので、自分で掃除することになります。
トイレやキッチンのゴミ袋ももちろん全部自分で。

一度業者を呼んで掃除してくれたり、時々シーツを替えに来てくれたり服を洗濯してくれたりということはありました。
割引なく正規の部屋代を支払っている人の場合はちゃんと掃除してくれると思いますが、割引してもらったときはそういうサービスはカットされる可能性があります。

まだ探り探りという感じらしいので、これからどうなるかはわかりません。


治安はリマの中でもかなり良いほうでしょうし、少しリッチな気分でゆっくり静かにすごしたい人にはピッタリです。



    ↑ペルー独立記念日のときの光景。どこも国旗を掲げている。これをしないと罰金なんだって!


    ↑オーナーの小田島さんとその一家


ここは最近ホテルの経営を再開したそうで、まだ色々と模索中なのだそうです。
滞在した際には感想や要望を言ってあげると喜んでくれるかもしれません。


予約は必要、というか連絡しないとマンションのなかに入れませんし、見た目も普通のマンションなので場所がわからないと思います。


ということで、予約の際はホームページからどうぞ↓
http://casadelsolperu.com/  カサデルソル



  上記日本人宿2軒はすべて
       2016年7月の情報でした。


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ペルーメディアの腐敗を見た



この話は書くかどうか迷っていたのですが、書くことにしました。

ちょっと長いのですが言わせてください。
思いのたけを。


(長いしすこし暗い話なので、トップページから分割します↓)


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