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こちら雨の道、Perú - Sierra地域


    ↑出発時に入ったレストラン入口の地面にくっついていた5ソルコイン。
    これは人が入るよう招き猫と同じ意図で置いているのか、はたまた”5ソル以内で食べれますよー”という意味で置いているのか。



お礼を言ってホテルを出て、事前に確認しておいた道へ。
チョタの町から比較的平和に脱出する道だ。

入ってくるときはありえないくらいの傾斜の坂道を死にものぐるいで登ってきたので、その二の舞は踏まないよう気をつける。


それはつまり丘の距離を直線にしたから1kmほどになっていたわけで、その激坂分をゆるい坂に変えるとものすごい長さになる。
しかも途中でコンクリートはなくなるしブレーキが利かないので結局歩いていくことに。

幹線道路に戻るまでにかなりの時間を要した。



見覚えのある道路にもどった。
チョタを見下ろしながら坂をズンズン登っていく。
下り道などという休憩地点は一切ない。


    ↑さいなら、チョタ



    ↑これから進む道。ポツポツと家が建っているので少し安心だ



    ↑天気が悪くなってきた



    ↑悪路に変わってしまった



そんな山道に時間をかけすぎ、10kmほどしか進んでいないのに雨が降ってきてしまった。
小屋の前で雨宿りをする。
1時間待っても2時間待っても雨はやむ素振りを見せない。


    ↑町がまだ見えるというのに


そこの小屋の所有者であるらしい夫婦がやってきたので、ここに泊まる許可をもらった。
この小屋は現在使っていないようだ。


男は水があふれないよう家の前の溝を掃除してくれ、こちらのことを心配してくれていた。

このあたりは何とかという山賊が出るらしく、道路の目の前は危ないからこの崖を降りたところにテントを張ってはどうか、自転車を置くスペースもあるしと提案してくれた。

自分は知っている。
そこはさっきまでブタが繋がれていたところだ。
お粥を食べたりトイレをしたりしていたのをさきほど目にしていた。


しかしそれでも危険が少ないほうがいいだろうと降りていってみると、狭すぎてテントが張れないことがわかった。
目の前が道路でも、さっきのところにテントを張るしかないようだ。

ちょっとホッとした。



暗くなってから、ガスとそこに取り付けるストーブを取り出し、コロンビアだったかエクアドルだったかでかなり前に買ったツナ缶を熱して食べる。

ふたをあけて熱していると、ボコンと大きな音を立てて中身が飛び跳ね、中の油が吹きだしガス缶とストーブがベトベトになってしまった。

ちゃんと中のツナをほぐして底に熱や空気が溜まらないようにしないといけなかったようだ。


失敗失敗。
こんなちょっとしたことでも学ぶことは多いのだった。





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ここで、水をかぶったりひどい腹痛になったりイライラしたりします Chota


さて、2泊もしてしまったし今日こそはChota(チョタ)に行こう!

と気合いを入れたのはいいものの、無料で泊めてくれたおじさんがどこにも見あたらなかったので靴屋に置かせてもらった自転車が出せない。


隣の小料理屋で2ソル(74円)のタコのセビーチェ(シーフード酢の物)を小皿によそってもらいながら、どうしようか考える。

小さな村なので近所付き合いは盛んなのではないか。
小料理屋の店員たちに宿の主人のゆくえを聞いてみるが、わからないらしい。
と、向かいの家のおじいさんが別の店にいることを教えてくれ、無事自転車救出成功。

宿主のおじさんも自分の旅路を応援してくれた。



チョタへは一山越えて、そこから坂道。
その坂が急すぎずなだらかすぎず、ブレーキの効かない今の状況にピッタリの道だった。

自転車の自由にまかせて走らせる。
爽快だ。

空も晴れていて目に映る自然がすべてかがやいていた。






    ↑走っていて気持ちのいい道


せっかくだから疑似ウェアラブルカメラの実験をすればよかった。


説明しよう、疑似ウェアラブルカメラとは。

手作りのスポーツカメラのことである。
三脚を自転車のハンドルにダクトテープで巻き付け、そこにカメラを取り付ければ完成だ。


三脚は水に弱くすぐ錆びるためいちいちテープの付け外しをしないといけないのがやっかいそうで、メキシコから何度もやってみようと思いつつ手をつけていなかった。


そして今回も・・・・・

ちゃんとした実験は、とりあえずブレーキが直ってからまずは平地で試すことにしようかな。うん。



    ↑ここは勢いがつきすぎるのと先が見えないため、さすがにちょっと怖かった






くだり坂も終わり、どこまで行っても町に入れない。
町は左手の丘の上に見えているのに、そこまでの道路がないのだ。

そんなおりに見つけたのは、穴だらけで傾斜もものすごくキツい、ぜったいに自転車むきではない道。
どうやらここを行くしかないようだ。



この心臓破りの坂が本当に大変だった。

まさに前回載せた看板くらいの傾斜があり、5歩歩いては止まりゼエゼエと息を切らす。

         本当にこれくらいあった↑


休むときにもそのまま止まっては自転車がすべってしまうので、うまく地面のくぼみを利用してタイヤのストッパーにしなくては休憩することもできず、もう最悪。


疲れと坂の長さでだんだんイライラしてきた。

頑張って登っている最中にすずしい顔をして話しかけてくる子どもやおばさんが憎く思えてくる。


この疲れたときのイライラ感、自分も体験してみるまでわからなかった。

とある旅行記で、"自転車でいつまでもつづく坂を、口汚いことばをはきながら呼吸を荒くして進んだ"という記述があって、
当時は「なんでそんなんでイライラするんだろう?」と不思議だったが、体験してみるととてもよくわかる。

こりゃあそうなるわな。



1km弱の距離をおそらく30分ほどかけたのではなかろうか。
やっと登り終えたときにはもうヘトヘト。
すぐそこにあったホテルへ直行した。
もう無理。




疲れすぎてそこの番をしていた女の対応にもイライラする始末。

ダラダラしていてやる気がなく、こちらが話しかけると電話をかけだして長話をしている。
早く荷物を置いて休みたいのにいつまでもそんな調子なので、こちらもかなりトゲトゲした物言いで威圧的に対応してしまった。

よくないね。
だから疲れないように余裕を持って行動しなくてはならない。



そこのホテルはかなりいいところで、部屋は広く景色もいいしホットシャワーも使える。
wi-fiもちゃんとあって建物自体も新しめ。
そこを経営している家族たちもとてもいい人たちだった。

窓の横に思いっきり隙間があったり、トイレのドアにノブがついてないなど一部作りかけっぽいところがあるが、これで20ペソ(740円)は破格だ。

最初に対応した人は臨時だったのかもしれない。
その後会うことはなかった。




荷物をおろして一息ついてから町へくりだす。
通りを歩いていると、横を通りすぎるバイクタクシーから水を思いっきりかけられた。
水入りバケツを持っていたらしい。


カッチーン!


今、イラついているこんなときにそれをやるかアンタ。

力走してそのバイクタクシーに追いつく。
中に乗り込んでやろうと思ったが、走っている最中にその熱も冷め、後ろをバンバン叩いて煽るだけにとどめておいた。

それを見ていたおじさんが
「あいつらひどいね。悪いヤツらだから今度会ったら殴っていいよ」
ともらした。

そうかわかった、次会ったらこらしめてやる。
とりあえず街中を歩くときには大きめの石を持ち歩くことにした。


ところが後日わかったのは、これは祭りの一環であるらしいということ。
公園や通りでは子どもたちが通りすがりの人たちに水風船をなげている。


そうか、祭りか。
そういえばイスコ村でキャンプさせてくれた人たちも2月初めに祭りがあると言っていたっけ。
そうかそうか。



って祭りだからで許されると思うなよ!!!

早く終わってくれないだろうか。
こんな祭りはいやだ。




さて、ここで胃腸の調子が悪くなり、1週間ほど休むことになった。
レストランで出たジャガイモの芽があたったのではないかと予想したが、標高の関係かもしれない。

症状はかなりひどく、なにか食べるたびに激しい胃痛に見舞われた。
それはそれは、もう歩けないほどの痛みだった。


ホテルの人たち、特に娘がこちらの心配をしてくれ、

「薬を飲んだほうがいい。温かいものも飲まなきゃ」とか
「ちゃんと食べないと治らないよ。頬もこけちゃってるし」

と、スープや mansanilla マンサニージャのお茶(カモミール、腹痛に効く)を持ってきてくれた。
いいところに泊まっていてよかった。

やはり自分のホテル眼はするどい。



腹の具合がいいときを狙って町を見てまわった。


    ↑中心広場



    ↑路地にはホテルもたくさんあった



    ↑メルカド(市場)の様子



    ↑天気のメルカドは朝から昼にかけて毎日にぎわっている



ナイフのシースを直せるところを探してみた。
ミシンがある靴修理屋で「素材があれば直せる」とモンスターハンター的なことを言われたのだが、革がどこを探してもなく、ここでは無理そうだった。

ベルトを買って切断してもらい無理矢理直すことも可能だったかもしれないが、そこまで急いではいないし最悪直らなくても別に困らない。

とりあえず様子を見ることにしよう。


    ↑落としたときに後ろのコンパスが取れたようだ。中が空洞になっていたので探ってみると、なんとマッチと針と糸が出てきた。わー、ザッツ サバイバルナイフ!



    ↑プリンやゼリー、それから甘食のようなどら焼きのようななんともいえぬ菓子パンが売っていた。中は餅を混ぜたうぐいす餡のような感じで、おいしいところのはおいしい



    ↑ちょっと高めのソフトを買ってみた。2ソル(74円)。バニラは色が若干茶色。あまり着色していないのかも。味はまあまあ



    ↑このreyenito(レジェニート)という菓子パンは、中のチョコがガツンとデロンと主張してくるので好き



    ↑拾ったり買ったりもらったりした宝石が増えてきたので箱を買ってみた。作りは簡素。あとケーナも買ったけど鳴らすのが難しい。両方とも10ソル(370円)前後



    ↑このラーメンみたいな料理って caldo de gallina(カルドデガジーナ)っていうんだ。知らなかった。カルドデガジーナはこれ単品で出てくるくせに値段が高いからガッカリ感が高い食べ物だ



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ホテルご主人「金はいいからもう一泊しなよ」 Lajas(修正済)



地図を見ると、このさきにChota(チョタ)という名前が大きく書かれている。
きっと大きな町に違いない。
チョタはもうすぐのはずだ。
天気も悪くないし、ガンガンいこう。


川が流れる谷間を走る。



ここから道路状況が悪くなる。
ところどころコンクリートがなくなり、未舗装路になっているのだ。
それを注意する看板もたてられている。

自転車にとってはつらい道である。


    ↑「アスファルトの終わり」



    ↑坂の角度がこれもう道ではない。壁! 実際はゆるやかな坂でした



    ↑きれいな層になっている岩



    ↑こんな可憐な花が咲いていたり



    ↑岩にはりついた結晶が太陽の光を金色にかえて反射させている



今日の出発地であるコチャバンバではなにも食べずに出発したため、走り出しからすでに腹が減っていた。
そのうちレストランくらいあるだろうと高をくくったのがいけなかった。

面倒だから、とよく朝食や昼食を抜いてしまうことがよくあるのだが、これは自分の悪い癖だ。
だってさ、一々荷物と自転車を置いてメニュー聞いて食べて金払って・・・っていう手順が本当に面倒なんだもの。



運よく商店があったので、そこでお菓子とジュースを買い込み、むさぼる。


    ↑ここで買ったのがこのお菓子。チョコもクリームもはみ出るほどたっぷり挟まれていておいしかったが、他で売っているところを見たことがない


店のなかには舌がまわっていない酔っぱらいがビールを飲んでいてからまれてしまった。
酔っぱらいたちを相手にすると時間をとられてしまうのでやっかいだ。

しかし今日は時間があるので大丈夫。
チョタはもう近いんでしょ?


…近いんだよね?



えっと、全然着かないんですが。
けっこう来たはずなんだけどな。



    ↑晴れてきた。空が晴れると景色がきれいに見えるから、モチベーションの意味でも天気は大事



    ↑丘の上に石垣が。そんなことより町まだー?



道路工事をしている人たちに「チョタはまだか」と質問してみる。

「もうすぐだよ。この先の~を~したら着くよ」(ちゃんと聞き取れない)

本当だね? 信じるからね?


  
    ↑スピードを出すと穴ぼこで危険



    ↑川の流れが激しくてゴウゴウと流れる音が心地よい



胃におさめたお菓子のスタック分が底をついたようで、また腹が減ってきた。
アップダウンを繰り返しさらに石がちらばっている道を急ぎめにゆくと、ついに町が見えた。





ここがチョタ?
イメージよりずっと小さい。


たまたまそこにいた子どもに聞いてみると、
「ここはLajas(ラハス)で、チョタはもう少し先に行ったところだよ」

よし、もう一息というところか。
それなら一気に!






…行くとお思いですか?


もちろん、ここに泊まりましたとも。
自分がそんなにがんばって走るわけないでしょ。



近くのレストランで食事。
4ソルと安いしなおかつうまい。


    ↑鶏肉が入ったおいしいやつ。料理名はわすれた



    ↑こっちはlomo saltado(ロモサルタード)。ペルー版チンジャオロースという感じ。サルタードは多分醤油炒めのことと予想
 ※訂正加筆しました



インターネット屋に行ってみたがそこではラップトップをケーブルに繋いでも反応せず、wi-fiのパスワードもわからないということで、わざわざ他のネット屋を紹介してくれた。


この地域のネット屋は、wi-fiはあるがパスワードがわからないというところがなぜか多い。

パスワード解析できたら解決してあげられるのになぁ。
そもそもパスワードを解析することなんてできるのか。
ハッキングとか?
パソコン関連に疎い自分にはわからない。



ホテルは15ソル(555円)ととても安く、しかも次の日チェックアウト時間ギリギリまでベッドでうだうだしていたら、ホテルのオーナーとそのいとこが部屋まで来て
「もう一泊していきな。金はいらないから」
と言ってくれたのだった。

すてき!


どうやら具合が悪いと勘違いしたようだが、ジェスチャーと知っているスペイン語を駆使してただの筋肉痛だと伝えることに成功。

いや、うだうだしていたのは筋肉痛が原因ではなく、昨日フリーゲームをダウンロードしたからなのだが、(http://www.ariaru.com/works/digital/dunmap.html ←これ)でもほら、まだ昨日の体の疲れが残ってるし。

足首と臀部と腰がね、痛いなーって。

なんかザックの腰ベルトが変なところに当たってて、痛いなーって。

思っていたところだったんですよ。いやマジマジ。



で、お言葉に甘えてもう一泊させてもらったのだった。

おかげでゲームの表面をクリアすることができたよ。
ボスの攻略も完璧に把握。
ありがとう、ホテルと靴屋2軒を切り盛りしてるおじさん!


ちなみに、腰ベルトが当たっていた部分は紫色のアザがくっきり残っていましたとさ。


    ↑犬が多い。ペルーの街中は犬もネコもたくさんいる



    ↑集団でいっせいに同じ方向を見る犬たち



    ↑ホテルの屋上から



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自転車なのにくだり坂が苦痛すぎてつらい Cochabamba

ウアンボスを出て山の頂を目指す。




それはすぐにやってきた。
約1km先。
頂上にはいくつか家が建っていた。
そこからくだりがひたすら続き、高まった標高をここぞとばかりに一気に解放する。






今日はブレーキの調子がよさそうだったので自転車に乗ってさっさとおりてしまおうとしたところ、

これまたブチンと、

ブレーキのワイヤーが切れてしまった。


もう当然のごとく切れるワイヤー。




いっそ直さずに行こうかとも思ったが、自転車の調子はなぜか自分の調子にも影響が出てくることが多いので、道のよこの草むらに荷物をおろしワイヤーを取り替えてやった。

これが最後のブレーキワイヤーだ。
また切れたらもうスペアはない。



道が急すぎるので押してくだっていく。


    ↑めっちゃ急!!


…最近自転車にあまり乗れてないんですが。
ここんとこずっと、ほぼ一日中歩いてるよね?

登りも下りも押してかないといけないなんて。
こんな山道でブレーキなくして自転車の高度な仕組みを有効に使うことなど不可能なのです。

自転車仕事しろ! 某マンガ家じゃないんだから。






先へ先へと行こうとするせっかちな自転車を腕とふくらはぎの力で制しながら歩いていく。
と、水が道路までもれ流れているところに出くわした。



水深は浅いので靴もそんなに濡れないだろう。
さっさと渡ってしまおうとそのまま歩いていくと、









こけた。



体が濡れるのはいいが、自転車とザックの荷物に泥がつくのはできれば避けたかった。
避けたかったのだが、苔で体勢が不安定になったため倒れそうになる自転車を支えることができず、すべてべっちゃべちゃになってしまった。

怪我はないが精神的に傷をおった状態だ。



    ↑靴裏に完全に穴が空いてしまったのをここで発見。中に砂やら水やらがどんどん入ってくる



そんなことがありながら、ずっとずっと坂を降りていく。
ああ、自転車に乗れたらあっという間に下まで着くのになぁ。


横の土壁は脆いようで、道路脇に頭よりも大きな岩がたくさん落ちている。
さっきからパラパラと砂や小石が落ちてくるのも気にかかる。

これは運が悪ければ危ないのかもしれない。
なだれて下敷きになるかも。
しかしその崩れた岩の色がきれいなので一々立ち止まっては手でふれ、全然急ごうとしない自分。


    ↑だってほら、こんなに変わった模様がついてたりするんですよ

おかげで白くかがやく結晶を見つけることができた。
これはなんという結晶だろう。
それとも何の変哲もないただの小石だろうか。

 
    ↑フラッシュで光ってしまっているが、白い半透明の結晶がついている



ヘビのような道をなんども折り返し、やっとCochabamba(コチャバンバ)という町に着いた。
自転車に乗れば1時間ほどで終えるこの道を、5時間かけて進んだのだった。

ここから道は2つに分かれる。
片方はクテルボという町に入りながらグルッとまわってChota(チョタ)へといく道、もう片方はチョタに直通の道。

 

もちろんチョタ直通で。
もう坂道はいいや。
自転車直させて。


街中を歩きさまよう自分を呼び止めたバイクタクシーの男たちの言うことには、あと1~2時間ほど行けばチョタに着くらしい。
現在3時すぎ。
行こうと思えば行ける距離だ。

が、体はくたくた。
ずっと下りだったため、変なところが痛い。
腰と足首がギシギシいっててちゃんと歩けないし、手首も痛くてあまり曲げられない。
なぜか尻の頬の奥あたりもかなり痛い。

疲れが見えていたのでホテルをとった。
このホテルの人たちはとてもフレンドリーで、居心地がよかった。

「洗い場があるから洗いものしていいよ」と言ってくれたので、さっきこけて汚れたパーカーを洗わせてもらう。


ちょうどボランティアのアメリカ人たちが泊まっているとホテルの人に言われたが、英語はそんなに話せないしアメリカ人にいい思い出がないのでまったく興味が持てなかった。

ふーん、と返しておいた。



ちいさな町を少し歩き回る。

 


道の分かれ目にある小さな町というのは、なんだかちょっと不思議な感じがする。

たまり場、と言えばいいのだろうか。
多方向から人がやってくる町。

一緒に同じ道をきた人たちが、これから別方向へ行く可能性があるのもなんだか感慨深い。
様々な人の別れと再会がここにたまっているんじゃないかな。


飲みものなどを買って帰宅。



この町にはネットが通っており、wi-fiはないがケーブルを繋げることができたので、使用料1時間につき1ペソかかったがついにパソコンをネットに繋げることができた。
しかもこのホテルがそのインターネット屋もかねていたため、わざわざケーブルを延ばして部屋のなかまで入れてくれた。

約一週間ぶりのネットは快適だった。




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Huambos にて



ウアンボス村の門をくぐりガタガタの未舗装道路を抜けると、2階建ての家が建ちならぶ通りへと出た。
壁はカラフルに塗られているがペンキが剥げてくすんだ色になっている。
いつかの祭りにかけられた三色の三角飾りは雨と風でボロボロになり、ただの汚れたロープとなって通りの上にぶらさがっていた。


村の中心をめざし歩いていると、玄関先にいた人に声をかけられた。
彼女と話している間にどんどん周りにやじ馬が集まってきて、総勢15人くらいにまでふくれあがった。

疲れているので早くホテルを見つけたかったのだが、なかなか離してくれない。


30分ほど時間がたちやっと解放してくれたので、ここからホテル探しスタート。


この町には3つホテルがあった。
なかには安い部屋もあったのだが、この土地は結構寒くホットシャワーがないと少々キツいので、少しいい部屋を取った。
それでも20ペソ(740円)だから、安いほうだろう。

wi-fiが繋げられるならそこにしたのだが、どこも「ない」と一蹴されてしまったので、インターネットはまだまだ諦めざるを得ない。


    ↑ホテルで渡されたレジンのキーホルダーつきの鍵



体を休めるためにここには2泊した。

町を見回っているとおじいさんが明るく話しかけてきて、町から少し離れた崖の上まで案内しようと言ってくれた。

日本人の知り合いがいるそうで、その縁でこちらに声をかけてくれたようだ。




彼は現在新しいホテルを作っているらしく、その中を見せてくれた。
内装はまだなにもない状態だったが、2階からの眺めはよかった。

  



ここへ来たときとは反対の砂利道を通り抜け、明日通るであろう道路へと出た。
そこから、町や遠くの谷もよく見えた。

おじいさんはもっと先の峠までよく散歩にいくらしい。
そこから川が二手に分かれていて、風もこっち側と奥側から吹き上げここでぶつかるのだという。
だからこの場所は風が強いのだそうだ。

ということは、このてっぺんがこの辺りで一番高いところということだろうか。



    ↑隠れてしまっているが、ウアンボスはもう少しだけ広い


    ↑山頂方面へカメラをむけた写真


ホテル予定地まで戻り写真を撮らせてもらってから別れた。
「あなたの幸運を祈っているよ」と笑顔で言うおじいさん。




広場では果物売りたちが商品を広げ、精を出している。
それを眺め、手に取る買い物客たち。

こんな小さな村なのに、その営みには町に負けない活気が感じられた。





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標高マックス!エメラルドグリーンの岩壁 Llama - huambos




ドラえもんの道具で今使いたいものbest3



3位、リフトストック(傾けて坂にするステッキ)
2位、4次元ポケット

そして栄光の第1位は、


  タイム風呂敷



というのも、とにかく身の回りのものが壊れる壊れる。
次々に使えなくなっていく。

ほんと、タイム風呂敷ほしい。
さっとかぶせて修理や売ってる店を探す手間をなくしたいし、壊れる心配とかなくしたいし、なんならいっそ自分にかぶせて若返りたい。


問題はパソコンやメモ帳などの記録物には使えないというところですよね。
パソコンに使ってしまったら中に入っているデータも戻って消えてしまうので、それはかなりマズい。
バージョンが戻るのは更新やアップデートでなんとかなるとしても、写真なんかはバックアップ取ってないとどうやっても戻りませんからね。

ところでタイム風呂敷で時間を戻すとその後同じ時間経ったときにデータが増えていったり同じ傷ができたりということはないんですよね?
ということは時間を戻したあとは別次元を歩むことになるんだ…
そう考えると、ちょっと怖いですね。


でも欲しい!
だってもうすぐザックの肩ベルトが切れそうなんだもの。
自転車もボロボロ。
カメラもなんか中からカタカタ聞こえる。


今日もザックカバーがバチンと大きな音を立ててゴムが外れまして、使用不可能になりました。
とりあえず気持ち程度にザックの上にパサッとかぶせておいて雨にも負けず風にも負けず、頑張ってもらっていました。

休憩中に直したのですが、外れたところを固定しようとライターで炙ったのがいけなかった。
紐が裂けて余計にちぎれやすくなってしまったのです。


この日は頭を思いっきり、具合が悪くなるほどぶつけたり、本当に不運な日でした。



幸運なことと言ったら、今日が晴れたということ。

晴れたといっても雲の量は多いのだけど、現在雨期のこの地で真っ青に晴れることは少ないと思うので、霧がない=晴れのようなものだろう、きっと。
一応太陽も顔を出しているし。


    ↑ホテルから。昨日までこの山すら見えていなかった



    ↑看板通り、Chota(チョタ)を目指します


おかげで今まで見ることができなかった風景をおがめることができて、それは本当に幸運だった。


    ↑こんな風景になっていただなんて、歩いているときは思いもしなかった



    ↑山の連なりがきれい



    ↑ジャマ。こう見るとそんなに大きくないな



    ↑今まで歩いてきた道が見える。美しい森がひろがっている
 


    ↑次の町、Cochabamba(コチャバンバ)まで58km



この先またまたのぼりが待っている。
どんどんと標高を上がっているのが、崖から見えている世界の広がり方でわかる。



    少しずつ


    少しずーつ


    高くなっているのがわかるでしょうか。






    ↑紫の土壁がサラサラと崩れ落ちていく。粒子が細かく脆いらしい。岩がないので落石の危険はなさそうだ


休憩しながら進んでいく。
こちら↓は立ち休憩のポーズ。ザックをサドルに乗せて立ったまま休む。


    ↑こう見るとカッコわるいね

注意点は、後ろの荷台にザックを載せると荷台が折れてしまうのできちんとサドルに載せること。
自転車をこぐときも荷台に載せてはならない。肩で支えなくてはいけない。

荷物を降ろしたり背負ったりするときにかなり体力を使うのと、ザックに負担がかかってしまうので、ちょっとだけ休憩したいときはこの立ち休憩をつかう。


休憩がてらに写真も撮る。




  



    ↑誰かが並べたのだろうか。ポトポト落としたにしてはきれいに並びすぎている



    ↑親子の犬。仲がよさそう



かなり高い所まで来た。
町はまだだろうか。


後ろから雲がジワジワと迫ってきている。
さっきからパラパラと雨が降ったり止んだりしているが、あの雲が来てしまったら本降りになってしまうかもしれない。

この峠をこえれば雲がひっかかってこちらに来るのに時間がかかるだろうと予想する。
雲との追いかけっこが開始。


体力的にも限界が来てしまい、民家のベンチで休ませてもらっているとき、ついに霧があたりを包んだ。

気温が一気に下がる。
汗が冷えて寒いところを耐え、霧がうすくなった瞬間を狙って自転車をこぎだした。


ここからちょうど下り道になる。
これはナイス。
一気に進んで雨を追い越そう。

と思ったら、ブレーキが利かないのを忘れていた。
全然ナイスじゃない。

先の見えるところや急すぎないところだけ運転し、あとは自転車を押しながら自制していくことになった。

これ、自転車の意味ある?



下りはずっと続いていく。
その途中でトルコ石のようなエメラルドグリーン色をした岩場を発見する。
その色合いは芸術だ。




それまで大きな植物があまり生えていなかったのだが、このあたりだけ緑があふれ低地の草原のようになっている。

この青い石が関係しているのだろうか。
もしかしたら栄養価が高いのかもしれない。


    ↑この一角だけフッサフサ!



行けると思った坂が実はけっこう急だったりして足裏でのブレーキを駆使しつつ、ヒヤヒヤしながらやっとこさ小さな村に到着した。


    ↑村からの景色↓↓







さっそくレストランに入る。
今はスープしかないと言われ、値段は7ソル(259円)。


ちょっとちょっと! 高すぎない?
セットメニューでもまだ安いよ。


体も冷えて疲れきっていたのでしぶしぶそれを頼む。

スープ食べていると喉になにかが刺さり、すごく痛い。
災難つづきだ。



店を出ようとしたところで、イスコで泊めてもらった家族の男性にまたここで会った。
前回、道で休憩中にバイクで来た人と同じ人だ。

         ↑この人ね

「おお、こんなところまで来たのかー」

と再会をかるく喜びあい、かるい立ち話をする。
彼の話では、この先すぐHuambos(ウアンボス)という町があるという。

ホテルもあるということで、そんじゃあそこまで行ってみようということになった。

彼はレストランで休憩するらしいのでここでお別れ。
今度こそ本当にお別れになってしまうだろう。



山の尾根を通る。
両サイドが見下ろす崖になっていて少し怖いが、美しい道だ。


そこから道を下ってウアンボスの看板の下を通り、無事にこの日、町まで着けたのだった。



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迷いこんだ霧の村 Llama




泊めてくれた家族と別れ、山中の激しい傾斜のなか、自転車を押してすすんでゆく。




途中でちいさな商店が一軒、レストランが一軒あるのを見つけ両方とも入ろうかと思ったが、ちょうど観光バスがきて混みはじめたり店の人が出ていったりと間が悪く、面倒に感じてどちらも通りすぎてしまった。

このあたりになると店は極端に少ないので、今後のために入っておいたほうがよかった。

考えがあまかった。

これは大きな過失だ。反省するべき。

休憩中、ガソリンスタンドの店でサービスしてもらったマンゴーとブドウを草むらで食べていると、今日まで泊めてくれた家族の一人がたまたまバイクで通りかかった。

彼は少し離れた所に住んでいるようで夕方にしか顔を出さない人だったので、今日は顔を見ていなかった。

はつらつとした性格をしており昨日はバナナをくれた男性だ。

    ↑この人

「もう行くのか」と驚いていたが、こちらも驚いた。

もう会えないだろうと思っていたら、まさかこんなところで会うなんて。

少し立ち話をしたあとに

「気をつけていけよ」

と握手をして、バイクで去る男性。

手を振りながらコーナリング。

って、危ないよ!

それからが大変だった。

とにかくのぼり坂がひたすら続き、そして霧の中。

霧雨まで降ってきたのだ。

霧でよく見えないが、道はクネクネと左右を行ったり来たりしているようだ。

うなぎの串焼きのようにそのクネクネの真ん中を貫くかたちでショートカットの階段が何度も現れる。

この階段を使えば回り道せずにまっすぐ登れるのだが、自転車と一緒じゃ通れそうにない。

うらめしそうになんども横目で階段を見上げては長い道路をひたすら歩く。

家が3軒ほど建っている広い敷地内で雨宿りさせてもらいながら、お腹がすいたのでククリ村の人たちからもらったクラッカーを食べる。

運良く家があってよかったが、ここ以外はほとんど家はなく、あっても柵が閉まっていて中に入れないようになっていた。

服が濡れて寒い。

さすがに標高も高くなってきているようだ。

とりあえずザックカバーをかけて荷物だけでも濡れるのを防ぐ。

そして霧が薄くなったところを見計らってまた路上へ。

変に曲げた状態で固定しているためグリップを握る手首が痛みはじめている。

ザックが重たい。

そして体が濡れて寒い。

景色も見えずになんにもない無人地帯を歩くのはかなりつらかった。

ただ、体自体はそこまで疲れていないのが救いだった。

晴れていたらもう少し元気だっただろう。

つらいのは濡れによる体温低下と重量アップ、先の見えない不安、そして空腹。

そろそろ諦めてどこかにテントでも張ろうか、

そう思いながら往生際わるく前へ上へとすすんでいると、トラックが路肩で止まっており積み荷をなおしているところを発見。

つぎの町までどのくらいか聞いてみる。

すると、意外な答えが返ってきた。

なんと、ここのUターンを越えたらすぐに町があるというのだ。

だしぬけに舞いおりる福音。

一気に明るくなる未来。

200mほどいくと、霧の向こうから売り物小屋の影が見えた。

飲み物やお菓子などを売っているそこの主人に引き止められる。

彼は酔っているようで、こちらに質問をぶつけたりビールを勧めたりしながら大声で笑っている。

町がすぐそこに見えるので早く行きたかったのだがさすがに振り切ってしまうのもかわいそうなので、彼の言うことに一々うんうんとうなずきながらさりげに質問を投げかけてみた。

レストランはこの町にあるか尋ねると、2軒あるという。

ホテルはどうか聞くと、やっぱりあるという。

よかった、これで食事もできるし濡れた服を乾かすこともできる。

酔っぱらいの主人をなんとかおさめてから左折して道を逸れ、Llama(ジャマ)に入る。

レストランが2軒あったのでとりあえず右の店へ。

そこのおばあさんがなかなかユニークな人で、スペイン語のジョークを言って和ませてくれる。

今日はこの町に泊まることを話すと、食後にこの村唯一のホテルまで案内してくれた。



    ↑食堂では日本語でコカコーラとかかれたコップを出される


立派な看板がつけられたそのホテルで料金を支払う。

その値段、なんと10ソル(370円)と激安!

安さはこの旅で一位タイだ。

共同トイレはきたなかったりトイレットペーパーがなかったり古かったり値段相応だったが、部屋が広めで満足。

このホテルはちょっと変わった造りをしており、おそらく読者のみなさんが今想像しているホテルの形とは違っているだろう。

ここは横長のアパートを四角くくっつけたような形になっている。

□ ←こういう状態。

空いた真ん中は広いスペースがあり、上を見上げると空と山が、地面には洗濯場のような石の台が並んでいるのが見える。

ホテルの部屋は2階にあり、下の階は小さな商店や事務所になっているようだ。

もしかしたらイベントホールとして作られた場所なのかもしれない。

夜は下の階の門を閉めるから安全だということで、自転車はその囲われた広場のすみっこに置かせてもらった。

この時期、ここは雲によく包まれるようで、基本的に深い霧がかかっている。

そして雨が降り続ける。




その天気につられてか村人たちの多くも愛想がよくなく、村の雰囲気は霧に沈んでしまったかのように静かでもの悲しげだった。


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山奥の家でのくらし Maychil - Izco





「山のほうは危険なヘビが出るから自然のなかでキャンプしちゃダメだよ」

という助言とともにククリ村を出て、まず真っ先に遭遇した出来事がこちら。


小川が氾濫している。
サラサラゆきすぎた結果。



    ↑小川じたいは透き通っていてきれい


    ↑魚も泳いでいる


完全に道路を封鎖していて迂回もできないので、渋々水の中へ突っ込んだ。

下に苔がはえているようですべりやすい。

一度足をとられて転けそうになったが踏ん張ってこらえる。

ここで転けたら大惨事だ。

なんとか渡りきったがそれでも靴のなかはぐっちょぐちょ。

とくに左の靴の裏はゴムがけずれてクッション部分が露出しているので、そこから水がしみ込んでとても冷たい。

が、どうにもできないので気にせずそのまま進むことにする。

ひきつづき原始時代な景色を走る。

煙がたなびいているところもとても原始チックだ。








    ↑ダムが多い



このあたりから山道になってきて、くだりが激しくなっていく。



山を登るはずなのになぜくだりなのか疑問に思いながらも、脇を走る崖下の景色に見とれながら進んでいった。


 

    ↑こんなところを通ることになるのか…。少し気が重い




    ↑道を作るために切り崩した山の断面は石だらけ



    ↑なんがーい道をクネクネと走る



    

 



レストランがあったのでスープだけ注文する。

セットだと高かったからだ。

昨日のキャンプのせいか、この日はものすごく眠い。

食後にウトウトして眠りそうになっていたら、店の人が休んでいきなと言ってくれた。

しかし今日はもっと先へ行きたかったので、ここは我慢して申し出を断り、店を出ることにした。


その先にあった分かれ道。

右の道は小さかったのでおそらく左の大きな道だろうと予想し、そっちへ進んだ。

が、これが大失敗。

実は右の道が正解で、近道であり大きな町も途中にあったのだった。


     ↑サンタクルスの道のほうがよさそうだったのに


一応事前に地図で調べていたのだがこのときはそのことを覚えていなかった。

現在地もあやふやな状態だったのでしょうがないといえばしょうがない。

間違えた道は険しく、のぼりがひたすらずっとつづいていく。

村はいっさいなく、道だけがのびている。

昨日もらったクラッカーやフルーツを途中で食べながら元気をつける。


 
    ↑しかし景色はよい。さすが山の中



    ↑奥の雲に隠れている山のてっぺんがものすごく高いところにある。なんかすごい所に来てしまったな



昼下がり、こんなところに人が一人で歩いている。

これは近くに村があるのかもしれない。

まわりに落ちているゴミの種類や量からもそう推測できる。



道は谷から逸れグルッと山の半径を回る。

そこで小さな集落に到着。

レストランが一軒あったので食事をもらう。

ちょっとばかり高いが、ここはしょうがない。

そこの人に話を聞くと、この先20分ほどで次の村がまたあるという。

それを信じ、もうちょっと歩くことにした。

彼女の言う通り、20分で次のMaychil(マイチル)という村に入ることができた。


ここまで正確な話、というか、自分にぴったりの情報が手に入るのは珍しい。

いつもなら自転車で30分と言われても2時間くらいは進まなくてはならないのだ。


家のまえで座っていたおじいさんに村のなかでキャンプできるか聞いてみると、通りすがりのおばさんが何か言ってくる。

「向こうになにかの家があるからそっちのほうがいいんじゃないか」

というようなことらしいが、ほとんど聞き取れない。

とりあえず言われた通りそちらへ行ってみることにした。


もっと奥、もっと奥
と村から離れてしまったが、いいのだろうか。


すぐにIzco(イスコ)という地域に入るが、ほとんど家はない。

その崖の上にガソリンスタンドが建っていた。

おばさんが言っていたのはここのことだったのだろうか。



話しかけてみるが、話がまったく通じない。
ジェスチャーもうまく機能していないみたいだ。

「キャンプ」というスペイン語自体を知らないようだが、それをもっと遠回しに言う方法を自分は知らない。

するとなぜか隣の家に案内され、そこで空き家の修理をしている男がこちらの状況を察してくれたようでテントを張らせてもらうことができたのだった。


    ↑トタン屋根を張っている最中

    ↑テントを張らせてもらった

仮設のシャワールームもあり、体も洗うことができた。

何か変な臭いがすると思ったら、はいていた靴がものすごく臭い。

そういえば朝に濡れたんだった。

これ、乾かさなきゃいけないな・・・・・

翌日、家の家族に「今日も泊まって」と頼まれ、もう一泊することになった。
洗濯物も乾かしたいし、ちょうどいいや。
ありがたく泊まらせてもらおう。


昼寝をしたり子どもたちと遊んだり高校生くらいの男子学生たちと話をしたり、空き家修理の仕事をほんのちょっとだけ手伝ったり。

そんな風にしてすごした。

ご飯は3食作って食べさせてくれる。

鶏の料理を出すときにはそこで飼っている鶏を捕まえ、屠殺して出してくれる。


なるほどこういう風にして暮らしているのか。

現地の人の暮らしを見ることができて、貴重な体験だった。

さっき首をナイフでゴリゴリ切られていた鶏は、少し固かったけどおいしかったです。



    ↑粘土のようなものでいろんな動物を作ってあげたら喜んでくれた


    ↑左の人が最初に泊めてくれると言ってくれた人。右の子もこちらの意図をよく汲み取ってくれ、スペイン語の発音もきれいで聞き取りやすい



    ↑クイ売りが来た


    ↑話しているのを横で聞いていたが、そんなに高くなさそう




坂を降りて村へ行ってみると、変なばあさんがこちらを呼び「自転車と金はどこにある?」と猫なで声で何度も聞いてきた。

しつこいのでカメラを取り出しムービーを撮ると、その態度はコロッと変わり、天を指差しながら何かブツブツ言っている。

泊めてもらっている人たちからは「ここは盗む人もいないし安全だ」と言われていたのにこれか。

自分の荷物が心配になり戻りこのことを話すと、「ここにそんなことする人はいない」と信じてくれなかった。

不信感も感じて警戒する自分。

それでも好意的に接してくれる彼らとはうまく付き合えたと思う。


とりあえず今はCajamarca(カハマルカ)を目指していることを伝えると、2月の初めに祭りがあるそうで、その流れで「もう一週間ここにいてよ」と言われる。

彼らのことだからきっと食事は用意してくれる。

こちらの面倒を見てくれるので、お金はほとんど使わなくてすむだろう。

現に今日はほぼ使うことはなかった。

自分はここで子どもたちと遊んだり、英語や(一生のうちで使うことはないであろう)日本語を教えたり、オカリナを吹いて聞かせたり、修理仕事を手伝ったりするだけでいいのだ。

居場所がここにある。





迷ったが、やっぱり次の日に出発することにした。

ここにいるのもいいが、先へ進まなくては。

ペルーの滞在日数は183日もあるとはいえ、この調子ではさすがにタイムリミットが来てしまう。


次の日、テントを片付けて荷物をすべてしまいこむ。

みんな悲しそうな目をしていた。

仲良くなった高校生の男の子と母親は彼らの父親のところへご飯を食べにいったらしく不在。

「あと1時間待ってて」

と言われたが、もう昼になるので出発することにした。

ここにいるみんなに握手する。

おばあちゃんは泣きながら見送りをしてくれた。




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