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タイヤとおじさん / 雲に沈んだ世界 Joyagshi




テントから出る。

サッカー広場は朝日の強い光にてらされて明るい。


時刻は8時。
いつもよりずっと早起きだが、ここはホテルではなくキャンプをしていることを踏まえるとかなり遅いほうだ。


街中でのキャンプは人が起きてくるまえに出発しないといけないというルールが自分のなかでできあがっている。

邪魔になる前にはやくテントを片付けないと。





昨日の話では、このさきののぼりを終えたらChunchi(チュンチ)まではくだりが続くらしい。


実際に走ってみるとその話とは違いくだりの多いアップダウンだったが、そこまで苦労せずに走ることができた。



苦労があったとすれば、虫が多いことだ。

だいぶ標高が下がったのか、血を吸うやっかいな小さい虫がまた増えたのだ。


蚊ではない。
パッと見た感じ小バエのようなもので、体のまわりをつきまとい、肌に止まっては血を吸うのだ。

吸うのがヘタなのか大口なのか、吸われたところが赤くプツッとなり、そこから血が少し出ることもある。

そしてめちゃくちゃかゆい。


虫除けの薬はアラウシで忘れてしまったから、対策はやつらが追いつけないほど速く走るのみである。




山の谷間を見下ろしながら走行できるので景色はとてもきれいだ。


    ↑左に見える山腹部の道路を走っていく



    ↑くだりはこんな感じ。ぽつんと浮かんでいる雲がいい雰囲気



    ↑崖下には線路とトンネルが見える



    ↑この谷間の
                ↓


    ↑この部分がすごく好き




そんな風景を見ながら、いつの間にか入ったチュンチ。


    ↑こんな夕焼けが見えるんだってさ


    ↑そこからの見晴らし。ほうほう、なかなかいいんじゃない?




そんなに大きくはないが、色々そろっている。
ホテルもあるし、スーパーはないかもしれないが商店や薬局はたくさんある。

リオバンバから出てきてからというもの、現れる村の規模がしだいに小さくなっていっている。

というか今までが異常だったのかもしれないが、
とにかくそんなわけでこの先これくらいの規模の村がないと思うので、ここらで一休みして必要なものをそろえたほうがいいかもしれない。

荷物もなくなったばかりだし、ちょうどいいのではないか。



そう考え悩みながら、昼ご飯を食べてそのまま村をスルー。

まだ昼の12時だし今日はまだまだ走れそうだったので、ここで止まるのはもったいない気がしたのだ。


通りすぎたら通りすぎたでとてももったいない気持ちになる。

時間を取るか体力を取るか。
こういうときどうすればいいのかわからない。





川をわたって大きくグルッとUターン。
来た方向、つまり北へ向かって山を登っていく。


戻ってしまうがいいのだろうか。

不安になったが、トイレを借してもらったレストランの人の言うことには、こっちであってるとのこと。



そこを出てすぐに後ろから声をかけてくる男性が一人。

彼は大きなトラック用のタイヤをゴロゴロ転がしながらこちらへ向かってくる。




こちらがスペイン語を話せないと知って知らずか、ジェスチャーと擬音を多く使ってコミュニケーションをはかろうとしている。

よくわからないが一緒に行こうということらしいので、その人の後ろをついていくことに。


ちょうど登り道で自転車を押して歩いていたところだったので、スピードは同じくらいか、すこし向こうのほうが速いくらい。




通りすぎてゆく車にかん高い口笛を吹いてあいさつしながらタイヤを転がしていく男性。

自分の家についたようで、タイヤをポンと門のところに投げころがす。

が、その後もまだついてきてくれる。



日本のことや日本産の車のこと、自転車のことなどを話しながら、後ろから自転車を押してくれた。
これは本当に助かった。

進むスピードが1.25倍くらいに上がり、体力の消耗もすくない。




しばらくして男も帰ってしまい、一人で自転車を押す作業に戻る。

自転車の体重とザックの重さがのしかかり、かなりきつい。



やはりここから村は極端に少なくなった。

家はちらほらあるが普通の民家だけだし、集落があっても道を外れたところにあるのでそこまで往復しなくてはならないことを考えると億劫だ。



空腹に耐えながら進むと、やっと店の登場。

あまり品の種類はないが、この際なんでもいい、チョコのついたスナック菓子とアイスを購入してむさぼる。




全部食べてあることにきがついた。

寒いのである。


さっきまであんなに暑かったのに、今度はものすごく寒い。
そういえばあの虫もいなくなっている。

防寒として急いで手袋とスリーブを付けた。


天気もくだり坂。
雨が降り出しそうだ。




    ↑ピンクと黄色が混じった花がきれいだったので激写



    ↑ほら見て!なーんもない。こういうところはすごく好き



    ↑この道にはこのようなゴミ箱がたくさん設置されている




    ↑なんだか高い山が見える



    ↑Puñayプニャイという名前らしい。有名なところなのだろうか



この看板があるあたりでついに雨が降ってきたので、バス停で雨宿り。

分厚い雲がかかっている。
このなかに入っていかなくてはいけないのか。

なんとか晴れてくれないだろうか。




雨はとりあえず止まってくれた。
それからまたひたすら山を登る。

時間も体力も空腹もかなり厳しくなってきた。
あたりが青く暗くなってくる。




プニャイ山と同じくらいの高さに来たころだ。

目下に雲の海がひろがる世界が飛びこんできた。





これがすばらしくきれいだった。





いつの間にか雲のうえに出てしまっていたということか。
奥は青空が見えている。





山の横から奥がすべて雲海。
雲に沈んだ世界。





これにはかなり感動してしまい、写真を何枚も撮った。

見てわかる通り、かなり暗い。
ゆっくり見ていたいが急がないと。




そこからくだり坂をおり、腹が減ってフラフラになりながら一軒の商店へ。

「なにか食べ物はないか」

と聞いたところ、

「ここにはないけど、この先のセントロ(中心部)なら1軒あるよ」



え、ここ町なの?

よく見ると先に建物の群れが見える。





よかった!
これで食事と寝床が確保できる!



そこはJoyagshi(ホジャグシ)という、なんとも言いにくい名前の村。


急いでその村の中へと入り、村に一軒しかない小さな食堂へ。
料理を提供してくれるおばあちゃんが優しい。


それからとなりの店で飲み物を買うと、そこのおばちゃんが

「ここに泊まるならホテルはないからそこの広場にキャンプしたらいいんじゃない? 屋根もあるしすぐ裏は警察があるから安心だよ」

と言ってくれた。


道をゆくおじさんも、
「そこに共用のトイレがあるからここでキャンプしたらいいんじゃないか」
というようなことを教えてくれる。





こうしてこの日もキャンプ。

前日とは違いかなり人目のあるところで居心地はよくなかったが、夜に降る雨も防ぐことができて文句はない。


深夜にスリっぽい3人組の子どもがいたが、ナイフを持って見張っているうちに警察が来て逃げていった。



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ハプニングはまだまだ続く



アラウシの村も今日でお別れだ。

ちいさいのに意外とバックパッカーが来ていたところだった。

実は知られざる名所だったのかもしれない。




アラウシは山中のくぼみにあるので、坂をのぼってそこから離れる。

ここから大変だった。

ずっときついのぼりが続き、しかもクネクネと行ったり来たりするのでまったく進んでいる感じがしない。

坂の下にはいつまでもアラウシが見えている。

山の向こうから雲が漏れだし、その頂上に来るころには雲がブリザートのごとく目の前から襲ってきた。

これでは湿気でまたブレーキがやられてしまうと思って尻込みする。

しかしその先は下りだったためすぐさま雲を抜け出し、青空の見える場所へ移ることができた。




一安心したところでグアスントスという村に入ったので、すぐに見えた一軒のレストランへ。

距離はほとんど稼げていないが山登りでかなり体力を消耗したし、とにかく腹が減っていた。

ここでまたまたハプニングが発生。

トラブルメーカーの自分の手にかかれば、話のネタは尽きない。



さっそく店の中に入り、

「アルムエルソはある? いくら?」

と聞くと、その店員は料理の内容を羅列してきた。

それには答えずもう一度値段をたずねると、料理によって値段が違うというとこだった。

いつもならアルムエルソはその店その店で一律価格なのだが、まあそういうところもあるだろうと思い、

「じゃあ一番安いのは?」

すると「アロス(米)なら~~で、ステーキと~~が~~~で$2だ」と返ってくる。

ところどころ聞き取れないが、まあ$2なら予算内だからいいだろうとステーキを注文する。

本来アルムエルソ、つまり昼食というのは、スープとジュース、それから一皿に米や野菜や肉などが盛りつけられた料理がセットになって出てくるものだ。

しかし今回出てきたのはその一皿料理のみ。

しかも肉は細切れでちょっとしか入っていない。

店員を呼んで「飲みものは?」と聞くと、

「アルムエルソなら$3だ」という意味の分からない返答。

どうやら"アロス"という単語がこのあたりではその一皿料理のみを指す言葉だったらしいことに翌日気がつくのだが、



そんなの知るかよぉ!!!



コロンビアではそれをバンデーハと呼ぶので、それがどこもそうなのかと思っていたのである。

そこから喧嘩が始まった。

言い争ったあげく、払いたくないので去ろうとしたが、それはさすがにないかなと思い直してとりあえず$1コインを置いておいた。

店員たちは「これをもう一個だよ!」とバカみたいに言い続ける。

今回は言葉が通じなかったばっかりにこのような事態におちいってしまったわけであり、勘違いで了承した自分も十分悪いのである。

が、以前何度かレストランでぼったくられた経験があり、それをいまでもずっと根に持っているし後悔しているので、ここは絶対に譲りたくない。

それに数日前に$80がなくなったばかりだし、ほかのことでも色々とストレスが溜まっていたので、こちらはもうブチ切れて止まらない。

というかこんなので$2も出したくないし!

彼らは警察を呼ぶと言い出した。

呼ぶがいいさ。

来たらこいつら詐欺だと訴えてやろう。

いつまでも同じことの繰り返しで終わらないので、店内に居座って相手が折れるのを待つ作戦に変更。

そうすると、家族経営なのだろう、そこの夫がこちらへきて、

「この料理は$2だ」

と同じ説明を繰り返す。

それしか言えんのか。

「アルムエルソの値段を聞いたら$2だと言っていたし、もしこれだけだとわかっていたら頼まなかった」

ということをカタコトなスペイン語で伝えるが、相手はまったく聞く耳を持たない。

「アルムエルソが$2なわけないだろう。ペルーならまだしもここは高いんだから。アラウシでもカリでも$3以上はするね」

と豪語する主人。

おいおい、アラウシもカリもリオバンバもアンバトも行ったことがあるしどこも3泊以上泊まったが、もっと安い料理屋はたくさんあったぞ。

勝手なことを言うなよ。

と言ってやりたかったが、しかし言葉がわからない。

最後には、$2も払いたくなかったのでこれしか払えないと財布に残っていた小銭$1.52をテーブルに出しておいたのが功を奏し、

「これでいいからもう帰れ。ほかじゃ警察のやっかいになってるところだぞ」

と夫は捨て台詞を吐いてこの件は終わった。

どうやらこちらが金をもたずに食べたと思ったらしい。

やれやれやっと終わった。

自転車にまたがり、さっさとその村を出ていった。

だが、場所が悪ければ殺されていたかもしれない。

気をつけねば。

ちなみに普段はこんなことは滅多にない。

もっとお互いをうやまいながらにこやかにテーブルは進んでいくので、今回はイレギュラーな出来事だった。

すぐ近くにある2つ先の村に入り、そこにちょうどキャンプがしやすそうなサッカー広場があったので、ここでキャンプしていいか人に聞いて許可をもらい、テントを張った。

本を読んでいると、その近くに住んでいるという男とその家族がやってきた。

さっきのとは違い、非常に友好的だ。

こちらのことを質問されたのでその受け答えをする。

「こっちのほうが暖かいんじゃないか」

と、わざわざデッキブラシと水まで持ってきて下の砂を掃いてくれ、壁があるところにテントを移させてくれた。

ああ、こっちはなんていい村なんだろう。

向こうとは違って。


 

インスタントラーメンを作っているところを見にきて、クッカーとストーブ(調理器具、小型の鍋とガスコンロ)を見ながら「すごいね、すごいね」と騒いだり、なかなかゆかいな一夜となった。





寝る時になって、アラウシのホテルに普段使いの洗面用具を忘れてしまったのに気がついた。

しまった、起きるのが遅くなってしまってあのとき急いで支度したから・・・

歯ブラシやシャンプーは買い替えようと思っていたのでいい。

だがホテルのアメニティで集めた石けんとシャンプー、それから虫除けの薬がなくなったのはつらい。

そして一番痛いのは、アラスカのアウトドアショップで買った石けんケースだ。

使い勝手は悪かったものの、携帯用の石けんケースなんてピンポイントなものなど、こっちの国ではなかなか見つからない。

後悔してもしょうがない。

それらはあきらめきれるとして、これからどうしよう。

そう考えながら立ち尽くしていると、ここぞというタイミングでさっきの家族の別の一人がこちらへ様子を見にきてくれた。

「洗面用具をわすれてしまったのだよ」

笑いながら言うと、

「すぐ近くに店があるから大丈夫だ」

と崖下のほうへ連れて行ってくれる。

さきほどテントのところに遊びにきたおじさんがテントの見張りまでかってでてくれた。

すぐそこにあった店は最初にここで話しかけてくれた男性の家だったようだ。

ここで歯ブラシと歯磨き粉をゲット。

悪いことが起きればいいことも来る。

彼らに水を使わせてもらい、静かな広場にてテントの中で睡眠をとった。


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消えた$80… 雲の村 Alausí より




アラウシに来て2日目。
昨日は夜についたために食べて寝ただけだったので、今日は本格的に町探索といこう。


ここにも駅があり、木でつくられた電車がサンプルとして一両置かれている。



駅のあたりの景観がきれいで、家はカラフルに塗られているし、カフェやお土産屋なども数軒見られる。


 
    ↑駅横のひろば


 
    ↑曇っていると寒いのでポンチョやセーター、マフラーなどが売っている



    ↑カフェでもある骨董品屋




    ↑あまり電車がこないため、線路は学生たちの歩くエリアになっていた



    ↑駅は小さい



そこを外れ中心道路に出るとけっこう立派な建物が建っている。






それ以外は庶民的な家が建ちならぶ。

そんな感じの街並だ。


昨夜うえから見た印象よりも規模はずっと小さいようだったが、町づくりはなかなかがんばっているようだ。


 

こちらでもチョコバナナは「チョコバナナ」と呼ぶ。



日本のものとは違い、冷凍庫にカッチカチになる直前の温度で保たれていて冷たい。
値段は$0.25。






とおくに大きな像が見えたので行ってみる。





道を守るように立つオオカミっぽい犬。

見た目とは裏腹に、近づくとなでてもらいたそうにしていてかわいかった。





像。

思ったより小さい。



そこからの眺めがこちら。



2日目は曇っていてほとんど真っ白だったので、これは別日に撮りました。




これから進むべき道。

こりゃ大変そうだ。



もうすこし探索してみる。




商店街。




焼きバナナ。





みんなパナマハットをかぶっている。





ちょっと欲しいけど、買っても潰れちゃうから買えない。





トラックのソフトクリーム売り。
$0.25と安いが、そのぶん量がすくなくて味もまあまあ。





プールやスパがあるみたいだ。
入ってみたいけど、高いんだろうな。





広場は中心から少し外れているため人が少ない。

スズメがたくさんいていいところだ。




広場の教会。
この辺の教会はどこも柵がしまっている。



別の教会へ。

  

ここの居心地のよさはすさまじかった。

温かな家みたいな落ち着く雰囲気は、おそらく木の素材のぬくもりによるのだろう。




ここは野良犬がものすごく多い。

しかし人を襲うということはなく、平和そのもの。
犬たちはじゃれ合いながら転がったり、安らかな表情で歩道のすみで眠ったりしている。





このへんでは珍しいネコ。





銀行でお金をおろしたのだが、気がついたら$80なくなっていた。

使ったわけではない。
ここで$80使うとなると、かなり大盤振る舞いしなくてはいけない。


どこにいったのだろう。

$80といったら大金である。
もうお金ないのに。



 〜ここから推理パート〜


もしかして、部屋に置いておいたときに誰かが盗ったとか・・・?

でも全額ではなく$80だけ?
一緒に入っていたカードやパスポートも盗まれずに?




もしくはATMから出てきていなかったとか・・・

ちゃんとすぐに数えてチェックしたつもりだったが、あのときは寝不足で頭がボーッとしていたし、それに別のことを考えていたからなぁ。

そう考えたらそのような気もする。




答えはわからないが、いろいろと曖昧である以上どうしようもない。



まあ貧乏暮らしってものわるくないか。

詐欺に合わないようつぎは気をつけよう。


そう心に決めたのであった。





さてそんな中、動画を制作・投稿するためにこの町にまだまだ連泊することになる。


心苦しい。



いや、別にいつどこに行こうがどこにいようがこちらの自由なので、なんにも気にする必要は全然ないのだ。

しかしどこからかくるこの背徳感。



それは節約しなくてはいけないのにこうやってひとところに居続けているせいだ。
次の目的地クエンカまで一気に移動しようと思っていたのに。

次々と移動していかなくては、日をかさねるごとに資金がどんどん出ていってしまうのだ。




でもあれですよ。

$0.50でLサイズぐらい出てくるフライドポテトとか$0.15のおいしいクロワッサンが売っている店とか、食費はかなり安く生活できているはずですから!

節約してますから!!


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ブレーキの利かない坂道 Alausi





この日もチェックアウトギリギリの11時にホテルをでる。



ここグアモテ村で売られていたサルチパパ(フライドポテトと揚げソーセージ)は$0.25と激安!


それもそのはず、ソーセージはほんの5センチにも満たない長さの切れ端が1個だけポンと乗せられているだけなのだ。

うえにキャベツと玉ねぎのマリネのようなものが乗っていてマヨネーズとケチャップをかけてくれるのでボリュームは申し分ない。


これがこの日の朝食となった。




    ↑グアモテの駅前



そんなグアモテを出ていつものように道路を走る。





    ↑線路と小さな鉄橋が自然のなかにポツンとある。もっとアップで撮ればよかった



    ↑ここまではまだ穏やかな道



    ↑自己主張の激しい花が咲いている。ポンポンでトゲトゲ





しばらく走ると、パルミラという村があると書かれた看板があった。

コロンビアでもカリの近くに同じ名前の町があり、気になってはいたのだが立ちよらなかったので、その代わりとしてこっちのほうを見に行ってみよう。






静かな村だ。
なにもないが、それがいい。


もし住むとしたらと考えると、こういう静かで優しい村へのあこがれの気持ちがあるが、なんでもそろっている賑やかな町も捨てがたい。

どっちがいいか、
と本当に住むわけでもないのに勝手な妄想にちょっと本気で悩んでみたり。



教会があるらしき方向へ行ってみると、滝の絵がついた看板が目に入った。

そちらへ向かおうとしたとき、村の住人が声をかけてきた。


彼が言うには、どうやらその滝への門は金曜日にしか開いておらず、これ以上先へすすんでもなにもないということだった。



外人がめずらしいのか、みんな笑いながらジロジロとこちらを見て挨拶をかわしてくれる。



腹が減ったので一軒の商店へ。





店番をしている子どもたち。

アイスをひとつ買って食べた。
$0.25(約30円、2015年現在)。


これがこの日の昼食となった。




すこし休んで再出発。

ここから元の道路にもどる坂道が急すぎて、ブレーキが削れてしまった。
前ブレーキがほとんど利かなくなってしまった。




そのすぐさき、むかって左手側にある山のうえからクワを持った男が降りてきた。


少し世間話をしながら一緒に歩く。

この先はくだりが多いから楽だよ、と教えてくれる男。


しかしブレーキが利かない今、それはあまり喜ばしいことではない。




男と別れて坂をのぼり終えると、見晴らしのいい場所へとでる。








エメラルドグリーンの民族衣装が枯れ草のなかで光っていた。




そこから、男が言ったようにものすごく急なくだり坂となる。



これではらちがあかない。
しょうがないので自分の手で調整をこころみる。

自分でやるとブレーキプレートが擦れて重くなってしまったりなど、おかしなことになることが多いのであまりいじりたくないのだが、このままでは時間がかかりすぎ、真っ暗ななかを歩いて進まなくてはいけなくなる。

四の五の言ってはいられない。



六角をつかってブレーキを狭め、なんとか調節に成功!


・・・したものの、ブレーキをグッと握るとなんと前ブレーキのワイヤーが切れてしまった。

そりゃもうブチッと。




…最近ワイヤー切れすぎじゃないですか?

こんなに脆いものだったか。
簡単に切れるイメージではなかったのだが、こちらのワイヤーは素材が弱いのだろうか。




後ろのブレーキだけではスピードを抑えることすらできず、ヒヤヒヤしながら道をおりた。


黄金にかがやくきれいな景色があったのだが、止まることができずにほとんど写真に収めることができなかった。



    ↑端っこだけ撮影できた。谷間はもっとずっとすごかったのだけどそれどころではなかった




ここからアップダウンが激しくなり、本格的な山道になってくる。

現在いるところはきれいに晴れているが、目下数kmさきの地点は雲におおわれていて先が見えない。





これが、





こうなる。

一部砂砂漠化しているのが見てとれる。





一山越えてそのままずっとくだり。

ふだんなら嬉しいはずなのに、ブレーキがない今、決死のグライド。
霧もだんだん濃くなってきた。





Tixan(ティクサン)という村が見えた。

しめた!
ここで自転車を修理してもらおう。

でなければ事故ってしまう。






何度も「そんなところはここにはない」と言われたが、町の人にしつこく聞きまわりなんとか修理屋を見つけることに成功。


たしかに見た目は普通の民家だ。


修理になれていないようで、おじいさんはワイヤーの取り付けに悪戦苦闘。

「ここら辺は安全だけど、グアジャキルはすごく危ないから気をつけなよ」
という話を聞きながら、なかなか作業は終わらない。


グアジャキルといえば、たしか去年新婚夫婦がタクシーで殺される事件があったところだったはずだ。

あまり行きたい町ではない。



新しい品もなかったらしく、少しさびついたワイヤーを最終的には息子にやらせて修理は完了した。


かなり時間をくってしまった。





彼らが言うには、30分ほどで次のAlausi(アラウシ)の町まで着くらしい。
そこにはホテルもあるしなんでもあるという。

その言葉を信じ、時間的にもう遅いので村のはずれにあったガソリンスタンドに泊まらせてもらおうか迷ったがここをスルー。




そうしてまたまた命がけのドライブが始まった。




標高がさがり完全に雲のなかにいる状態。
視界は30mほど前しか見えず、あたりはどんどん暗くなっていく。


乾きかけていた洗濯物は霧のせいで濡れてしまった。

でもまあいいや。
アラウシでまた洗うし。





























アラウシで洗うし。














目に水滴がつき、なおさら見えにくい。


そしてその坂の急斜面と水気により、ブレーキがまたしても利かない。

せっかく直したのに、これでは意味がないではないか。




前がほとんど見えないのでスピードは出せない。

しかし暗闇がせまっている。



1時間たってもまだ着かない。
だれだ、30分なんて言ったやつは。





車のライトをたよりに黙々と自転車をすべらせ、
そしてついに崖のしたに町の明かりが見えたのだった。

よかった、助かった。






町は山に囲まれた盆地にあるようで、これまた坂をくだらないといけない。

上から見ると、道路がものすごく広いのに気がついた。
これはなかなかよさそうなところだ、と一目で気に入った。





大きな通りまで坂を降り、最初に目についたホテルへ。

値段交渉のすえ、$10で泊まることができた。
もっといいところがあるかもしれないが、もう疲れたしここでいい。

熱いシャワーを浴び、ホテルと繋がっているレストランでおいしい夕食を食べる。



飲み物を買いにいった店の主人が

「おれは日本を知ってるぞ。テレビでやってた」

と、はつらつとした笑顔で語る姿をみて、ここはいい町なのだなと思った。




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グアモテでモテモテ? Guamote




カハバンバのホテルをチェックアウト。
時刻は12時を表示している。


昨日の自転車屋の話では、

「すぐそこの坂をひとのぼりするとあとは緩やかだから、Guamote(グアモテ)まで1時間くらいでつくよ」

ということだった。


しかし町の案内看板には
  Guamote 31km
と書かれている。


31kmを1時間はちょっと無理があるかな。




カハバンバを出てからというもの、まわりからの声援がよりいっそう強くなった。


通りがかりの人は7割がたbuenos tardes(こんにちは)と挨拶してくれるし、自宅の前で立ち話をしている住民たちはこちらに手を振ってQue bueno!(すごいね、とか多分そんな意味)と大声で叫んでくれる。

車は”プップーップープー”とリズミカルなクラクションとともに窓から手を振ってくれたり親指をグッと突きだしてみせたり。

なかなか外向的な人たちである。



もしかしたら黄色で目立つコロンビアのサッカーユニフォームレプリカを着ていたせいもあるのかもしれない。





坂をのぼりきると、そこは村。

ここが本当のコルタだろう。


目の前に現れた石造りの教会のところに観光客がいたので、それにつられて入ってみる。





外観はいかめしいが、中はなかなかあっさりとしている。
こういうのは嫌いじゃない。

むしろ好き。







そのそばの交差点で見つけたトラック。
以前書いたHINOのトラックだ。





注目してみると、たしかに走っているトラックの多くは日野産だった。
バスにも日野と書かれている。




そして噂の湖、コルタ湖。


があったのだけど、入場料が必要らしいので外から見るだけにしておいた。

それよりほら、まわりにいっぱい動物たちがいるよ。




    ↑乳を飲む羊



そしてアルパカも。




この手前のアルパカがものすごく活発で、野原を駆け回っていたかと思うと
堂々とこっちに近づいてくる。




かわいい。
競馬のマスクみたいな模様してんね、きみ。


ほかにもブタや犬などたくさんの動物がそこら中で見ることができた。





その少しさきにコンビニのような店があり、人がかたまっている。
バス待ちだろうか。


ちょこっと店をチラ見し、それからとなりから見える景色を写真に撮っていると、その団体さんのうちの一人がこちらにきてジュースを一杯くれた。

そしてしだいにほかに人たちもぞくぞくとこちらへやってくる。




自転車とザックを借りてポーズを決める。




重いね、とか言ってる。




それを見て笑う女の子たち。

スマホで記念撮影。




このへんは人も動物もみんな社交的だな、それともモテ期が来たのかな、
などと考えながら進む。


たしかに言われた通り、このあたりは道がなだらかだ。
とても走りやすいし、景色も自然が豊かで美しい。

線路とならんで走行するが、その敷石が白く光っていてきれいだった。












耕された山がブロック模様になっていておもしろい。





木はたくさん生えているのだが、サボテンも負けじと顔を出している。

サボテンは荒野や砂漠というイメージだったので違和感があったのだが、山の上は乾燥しやすいためにこのへんも生えているのかもしれない。


サボテンに花が咲くのは珍しいと聞いたことがあるのだけど、ここのサボテンはそんなことも気にせず赤い花をたくさん咲かせていた。




途中で見つけた店でランチ。





客として来ていたおじいさんに話しかけられるが、全然まったく本当に聞き取れない。

どうやらスペイン語とは違う言葉で話していたようで、

「これは"どこから来たの?"と同じ意味だよ」

と言葉を教えてくれるのだが、音としてすら聞き取れないので結局わからずに「はあ…はあ…」と空返事をするしかなかった。



その店でバナナを買ってみた。




エクアドルに来たのにいままでチョコバナナ一個しか買ったことがなかったので、ためしに買ってみたのだ。

一本15usセント。

日本のスーパーと比べて考えるとそんなに安くない。


食べてみたが、とても甘いというわけでもない普通のバナナだった。

海側の暖かい地域のバナナならおいしいのかもしれない。





写真を撮りながら気持ちのよい道を進んでいると、道路の脇に座っている人たちに呼び止められた。

「休憩しなよ」

と言われたのでそばによって何をしているのか聞いてみる。





キヌアという穀物のもみがらを飛ばしているらしい。





ロバがむしゃむしゃ食べちゃってますけど、いいのそれ?





サラサラで触り心地がいい。





そしてやっと到着、グアモテ。








看板の下にbienvenidos(ビエンベニードス)、welcomeと書かれ、その隣に

Alli Shamushka

というなぞの言葉が書かれていた。
言葉が3言語も並んでいるため、これがすべて同じ"ようこそ"という意味だというのはわかる。



さっきも聞き慣れない言葉を教えてくれようとしていた人がいたが、これはなんていう言葉なのだろう。


そういえばリオバンバ手前まで来てから、よくスペイン語とは違う感じの文字を目にした。

shumakとかそんな感じの、最後が子音で終わったりシャ行が多かったりする言葉。


この辺で目にする町の名前に含まれるbambaももしかしたらこの言葉由来かもしれない。

別れる時に「チャオ・バンバ」と言っていた人を一度見かけたから。



※いま調べてみたところ、インディヘナの言葉と書かれていました。
 たぶんケチュア語だと思います。







グアモテまで大体2〜3時間かかっただろうか。

くだりが多く走りやすかったので、たしかに速い人だったら1時間ていどで着けそうだ。



グアモテの入口に来ると、女の子がこちらをみて笑顔で「Que bien!」と叫ぶ。
こちらも適当に「Hey」と叫ぶ。


チャリダー人気か、それともサッカー人気か。
自分がモテているわけではないのはなんとなくわかる。



街中へ入り、自転車とともに探索。



    ↑小さい村だが、駅周辺は家がたくさん建ち並んでいる





山の奥にサイクリングロードがあるようだ。
そのさきには池へとつづいているらしい。

さすがに行くのはちょっときついかな。




ここの教会はけっこう大きくてよさそうだったが、扉は閉まっていて入れなかった。





見たかったな。





ホテルを発見。

$15と言われたが$10まで値下げ交渉に成功。





木でできたバンガロー風のホテル。

外から見ると普通の家のようだが、中は凝っていてかわいい雑貨品があちこちを飾っていた。




シュナウザーが飼われている。
人懐っこいがわりに大人しい。
よく躾けられているようだ。




オカリナがどうしても吹きたくなり、町はずれへ行って演奏練習する。


 

するとバイクに乗った男がわざわざエンジンを止めてこちらに話しかけてきた。

道沿いの草むらに腰掛け、楽譜を書いたノートを見せたり演奏を聴かせたりしてすこしの間過ごす。


本当にみんなオープンな性格をしているなぁ。




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コルタという名のカハバンバ



おもい腰を上げ、リオバンバを発つときがやってきた。


ここはおいしいフラペチーノが飲めるし、ちかくにサルチパパ(揚げたポテトとソーセージ)とコーヒーをまずまずの値段で買える屋台もあるし、となりにおいしいソフトクリームも売ってるし、
そんなところを出ていくのはかなり骨が折れた。


部屋の中で、

行こうか行くまいか、
天気はどうだ、もしかしたら雨が降るかも、
明日のほうがなにかいいことがあるんじゃないか。

そんな葛藤を心にえがきながらの出発となる。




一度北へ進路をむけ、線路のよこを通り左へ右へ。

そのまま坂をのぼって西からグルッと南へと方向転換するようなかたちで進むことになる。



じつはこの道、チンボラソへいくときにバスで通ったのだった。

なので途中までの道はなんとなく見覚えのあるものになった。



しかしバスと自転車の違いはここにある。
つまり、自由に止まれるか止まれないかだ。

となりの村であるリカンというところで休憩がてらにたちよった。



立派な教会が建てられており、そのすぐとなりにはhostalと書かれた看板があがっている。

村はしずかで落ち着いた雰囲気。
学生がちらほら見える。


ああ、リオバンバじゃなくここに泊まればよかったかな、
とそのときは思ったが、そのホテルはどこを見てもシャッターが閉まっていて入れる余地はなかった。




    ↑残念ながら扉は閉められていた




さきを進む。


空は雲が広がっていて暗い。

せっかくの草原の緑もそのせいで色が映えず見栄えがしない。



教会のような外観の工場があらわれ、ここで分かれ道。





ここを右に曲がれば30kmでチンボラソ山へと行くことができる。


通り道ならバスを使わず自転車で行けばよかったとも思うが、しかしこのさきはひたすらのぼりで苦しい道のりが待っている。

補充できそうなところはなにもない。(バス内では寝てたので、もしかしたら何軒かあったかもしれない)

着いたところで荷物はどうするか、自転車はどうするのか、登って帰ってきてその疲労を残したままどこに泊まるのか。

そういうものを考慮するとバスで行ってよかったと思う。


なによりルートが違うので、戻ってくるのがめんどうだ。




    ↑晴れていたらもっときれいに撮れていたのになぁ



全然進んでいないが、そろそろ疲れてきた。

やっぱり自転車は休んでしまうとすぐに体力が元に戻ってしまう。



アップダウンを繰り返して17km離れたCaja bamba(カハバンバ)へとたどりついた。






ん?






なんかColta(コルタ)って書いてますけど・・・?


しかし次の目的地クエンカへのバスは進行方向に進んでいるので道は間違っていないはず。




町の端っこまで走ってみる。



どうしようか。
今日はここで泊まろうか。

でももうちょっと走れるかも。



と悩んでいると、おじさんが話しかけてきた。

尋ねてみると、どうやらここはカハバンバであっているらしい。


広場の看板を見たところ、この先すぐのところにコルタというところがあり、そっちのほうが湖があって有名なんだそうだ。


おじさんが
「ここをまっすぐ行ったところに$12のホテルがあるよ」
という話を聞く。

$12でも高いが、ここはそれが最安値らしい。



とりあえずそちら、Uターンして坂をのぼる道を進んでみるが、ホテルはない。


ほかの人にも聞いてみるが結局見つからず、そんなことをしているうちに後輪のブレーキワイヤーがちぎれてしまった。


最近ブレーキに問題がよく発生するのだが、なにが原因なのだろう。
コチャで雨に当たったのがやっぱりいけなかったのか。




小さな自転車屋で修理してもらう。
そこの兄ちゃんからこのさきの道の簡単な情報をもらうことができた。



    ↑町のおくにチンボラソ山が見えた。晴れてたらなぁ




そうこうしているうちに時刻は5時をすぎ、暗くなってきてしまった。


しょうがなくハイウェイ上にあった高そうなホテルにチェックインする。
お値段$15。

部屋はきれいだったのだが、wi-fiは途中で切れるしシャワーのお湯はスタッフに言わないと出ないし夜に水が止まるし、なんだかやりきれない。



この日は疲れていたし、まあ安心できるところで寝ることができただけでいいとしようか。



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山男とビクーニャ … チンボラソ山ハイキング



登れないだろうけどせっかくだからと行くことに決めたチンボラソ山。


実はエクアドルに入る前にwikipediaを見たんですよ。
そしたらチンボラソ山のきれいな写真があって、それで興味を持ったんです。

それまではこの山のことをまったく知りませんでした。




毎日降っては止む雨と遅起きに悩まされながら日を見て、ついに出発。


観光案内のスタッフが言うには朝7時のバスに乗りなさいということだったのですが、起きたのが8時。


いや、これでも自分にとってはかなり早いほうなんですよ!



しょうがないのでそのまま支度してホテルを出ました。

外は曇り空ですが、そんなに暗くないのでもしかしたら晴れるかもしれない。
そんな淡い期待を胸にバス停へ向かいます。



9時半ごろにグアランダ行きのバスは発車しました。

バス内で乗車賃をもらいにきた人に$1.50渡し、「チンボラソで降りたい」ということを地図を使って伝えます。


そのまま具合が悪くなったので、寝ました。





「チンボラソだぞ」


と起こされ下車。

いきなり動物がお出迎えです。



これは・・・リャマ?



というかここ、なんもない。
見渡してびっくりしました。








空はさっきより曇っています。

チンボラソのチの字すら見えません。



そしてバス酔いしたせいでものすごい頭が痛く、ガンガンしています。
頭の中はぼーっとしていて物事をはっきりと考えられず、指は少し膨らんでパンパンになっていて、体中が少々チクチクしていました。

これは高山病もあるのかな。


なんといっても現在の標高はこちら。



4386mですからね。

いきなり3776mの富士山より高いわけですから、そりゃもう高山病にかかってもおかしくありませんし、寒さに凍えても不思議ではありません。


しかし寒さ対策のほうは万全。

網シャツとTシャツとパーカーと薄手のダウンジャケットに手袋と自転車用グローブ、それからカナダで買った耳付きモコモコ帽子。

なんならバックパックのなかには温かいセーターとレインジャケット&パンツも用意しています。


結局そのままの服装で大体OKだったので、セーターはいらなかったようです。

飲み物も多めに持ってきましたが、天気が悪かったおかげで気温が低いのでほとんど必要ありませんでした。

晴れてたらどうだったかわかりません。




ゲートでサインして地図をもらいます。
途中までなら入場料無料だそうなので、じゃあ遠慮なく。

途中で山小屋があるそうなのでそこを目指してみましょう。


ただし、この天気なので山の全景を見るのは難しいかもしれないと門番さんは言っていました。




こんななにもない道をいきます。


坂はなだらかで、地面はちょっとボコボコですが車も入れるみたいです。

雲で先が見えないので、これ以上天気が悪くなれば最悪ヒッチハイクしていきましょう。




地図に載っていた動物の説明。



さっき見たのは一番上のビクーニャという動物だったのかもしれません。
なんか形が鹿っぽかったし。

もしかしたらこの写真のビクーニャが猫背、もしくはリャマの姿勢がよすぎるのかもしれません。

ほかにもうさぎやスカンクもいるんですね。




霧はどんどん濃くなっていきます。




自身を撮影してみましたが、三脚を忘れたためカメラが傾くわ霧がすごいわ、大変です。



視界は少しずつ狭まっていき、下のほうで雷の音が。



  ゴロゴロゴロゴロ…



これは帰ったほうがいいかと振り返りましたが、しかし雷がなったほうへ行くのは逆に危険ではないか、むしろ先に山小屋があるのはわかっているのでそっちへ早く向かったほうがいいのではないかという考えの元、先をいそぐことに。


ここで戻ったら後悔しそうという思いが一番大きかったのですが、山の中でこれはあんまりいい選択ではないのかもしれませんね。

山小屋がどのへんにあるのかもわからないのに。





しかし今回に限ってはこの判断は正しいものだったようです。


上方の雲が少しずつ取れ、青空がのぞいてきました。
これはもしや・・・




チンボラソ山が・・・





見え・・・・・





見え〜?





見えた!!!

けど頂上は見えない!



それでもまったく見えないかもしれなかったこの状況でこれは大きな収穫でしょう。

よかったよかった。



と思っていたらちょうど奥に赤い屋根のお家が見えますね。

 

あそこが山小屋でしょうが。
もう一踏んばり、がんばりましょう。




道端にはなんと雪が!



雪をこんな間近で見たのは何年ぶりでしょう。
2年くらいでしょうか。


久しぶりの雪に大興奮。
冬が好きな雪国育ちの自分としては、これはとてもうれしかったです。


    ↑あられのように粒がとても大きい


雪があるというのに植物は息づいています。



高山植物ってすごい。




そして辿り着きました、山小屋。
ソーラーパネルが設置してありますね。

手前にちらっと写っているのはゴミ箱。



大体10時半ごろふもとについて、今が12時近くなので約1時間半。
坂が緩やかなおかげでそんなにかからずに辿り着けました。






これ以上はこんな恰好で行かないといけないんですね。
登ってみたいなぁ。


店内にいた別グループがなにか頼んでいたのでそのガイドに英語で尋ねてみました。

「コカ茶といって高山に生えていて高山病に効くんだよ」

とのこと。

コカ茶!
聞いたことある!


ちょうど頭もふらついていることですし、どんな味なのか飲んでみたいしで、さっそく自分も頼んでみます。



味は普通の緑茶と同じでした。

ただ、コカ茶を飲んで温まったおかげで頭のボーッとした感じと頭痛は治りました。





エベレストとチンボラソを比べているようですが、よくわかりません。
頂上への道のりだとこっちのほうがちょっと長いよってことですかね。


今はどの辺なのでしょう。
地図を開いてみます。



全然わかりませんね。

たぶん標高5100mのあたりだと思うのですが。




この山小屋のなにがすごいって、山小屋なのにトイレが水洗でしかもめちゃくちゃきれいなこと!

車が通れるということで設備は割となんとかなるとして、水はどうしているのでしょうか。

室内も清潔に保たれていて、ここで働いてみたいとさえ思いました。




バスは3時までしかないと聞いていたのでそろそろ降りようと思います。

外へ出てみると、



車に積んだ自転車で降りていく人々。
楽しそうだけど怖そう。

タクシーが左に見えますが、タクシーでも来れるんですね。
登った時にもすれ違いましたし、降りていく時にもすれ違いざまに中の人と手を振り合いました。




墓のようなものがたくさんたっています。

エベレストが危険度100だとすると、ここは70くらいなんだそうです。
雪山にすら登ったことがない自分には無理ですが、でも登ってみたかったなー・・・




雪山との境目。
雪山をこんなに近くで見たのは初めてかもしれません。

喜びのあまりなんか「ウヒョー」とか「ウワー」とか奇声を発しながら雲で見えなくなるまで写真を撮っていました。



よく見ると、今出てきた小屋のすこし上にももう一つ小屋がありますね。




ほら。




あそこまで行ってみればよかったと思いましたが時すでに遅し。
まったく気づいていませんでした。


また戻る気にはなれませんし天気も悪くなってきたので早く降りましょう。



    ↑雪のかぶる斜面。きれい



    ↑ビクーニャの足跡、だと思われる




帰りには雨が降ってきました。
レインジャケットをかぶり、急ぎ気味に下山します。


途中でビクーニャの群れに遭遇しました。




遠くを横切り走り去ってしまいました。


リャマとビクーニャの違いはわかりませんが、今調べたところによりますとリャマは人に懐きやすいのだそう。



そ、それだけ?




無事戻ってこれたので、門の付近で少し休憩。

顔出しパネルがあったので記念撮影。




思いっきり白飛びしてしまいました。


というかなんだこのパネル。



山男?



とビクーニャ?




これは人に慣れているのでリャマなのか、それとも通常逃げていってしまうビクーニャに触れた奇跡的瞬間なのか。

それ以前にリャマとビクーニャの境目は本当に人慣れするかどうかだけで決まるのか。




謎が謎を呼ぶ山、チンボラソ。






近くにあるというPolylepis(ポリレピス)という森も行ってみたかったのですが、時間がなくて断念しました。

チンボラソへ来たかたはぜひ行ってみて下さい。
オススメらしいです。

   ↑ここ




雨の中でバスが通るのを待ち、霧で見渡しの悪い中少しばかり不安だったのですが、バスに向かって手を振るとちゃんと止まってくれて無事に帰ることができました。
もちろん乗り物酔いしながら。



小銭がなかったために$1.25に負けてもらうことに成功。
ラッキー。




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Riobambaの駅前カフェのフラペチーノはおいしいという話

※今回はリオバンバの観光ということで、そんなに観光らしい観光もしてないんですが、ここに来た人向けにリオバンバ情報を載せつつ書きすすめていきたいと思います。

ささっと流し見がオススメ。

そういえば ひとつ前の大きな町、アンバトあたりは日野メーカーのトラックが多い という噂をメールにていただいたのですが、

どうだっけかな?

と思い、ここリオバンバでトラックに注目してみたところ、たしかに時々見かけました。

でもアンバトからここまでトラック自体ほとんど見ていなかった気がします。

走っていた曜日のせいかもしれませんし、そんなに車に目を向けていなかったからかもしれません。

余談ですがこちらでよく見る日本車はHONDA、TOYOTA、DAIHATSUが多いですかね。

ついでYAMAHA、SUBARU、NISSAN、MAZDAが少々といったところでしょうか。

MITSUBISHIも少しだけ見ます。

MAZDAはこれまであまり見かけずこの町で久しぶりに見たものですから、この文字が目に入ったときには「こんなスペルだったっけ?」「なんて読むんだっけ?」と考えてしまいました。

YAMAHAはディーラーや看板ではよく見るけど実際に走ってるかというとあんまりという印象です。

バイクはSUZUKIが多いですね。

日本以外はドイツ車のヴォルクスワーゲンと何とかというメーカー、アメリカ車の何とかというメーカー、それから韓国車のヒュンダイも非常に多いです。

アラスカやカナダではDODGEという車をよく見かけましたが、メキシコに入ってからはあまり見かけなくなりました。

車は詳しくないのでこれくらいしかわかりません。

すみません。

"よく見る"といえば、

このあたりはものすごく中華料理屋が多いんですよ。

そのおかげで

 

スペイン語のPlancha(プランチャ)が鉄板焼きだということがわかりました。

これまでa la planchaと書かれていたりしていたのですが、何のことだかわからずに注文していたのですね。

で、出てきたのが見た目普通に焼いた肉。

なるほど、あれは鉄板焼きだったのか。

じゃあasado(アサード、焼き肉)とかbistec(ビステク、牛ステーキ)などとは微妙に違うのでしょうか。

見た目は一緒なので実際に聞いてみないとわかりませんが、スペイン語が堪能ではないので聞いたところで返答を聞き取れず結局わからないということになりそうです。

そうそう、今いるところはこちら。

 

丸いところがホテルの場所です。

矢印のほうから町に入り、まっすぐ来ました。

hotel Astoriaというところで値段は前回書いたように$10。

近くに$10のB&Bがあるそうだし、来る途中に$8のホテルがあったみたいだったので、そっちのほうが安いかと思います。

自分は朝食の時間までには起きれないし、ここの立地が便利なのでここで満足です。

電車の駅にもバス停にもそこそこ近く、夜は隣の歩道で安めの屋台が2軒出ていて、いいところです。

南に行くほど物が安くなってくるそうなので、もっと奥に行けばもっと安いところがあるかもしれません。

ホテルの前にParque Guayaquil(パルケ・グアジャキル)という公園があると思いますが、ここのサイドにある"ダニエル・レオン・ポルハ(ボルハ?)通り"を南、地図で言うところの右下に行くと、右手にツーリストセンターがあります。

そこで町の地図をもらおうとしたのですが、フリーのものがないらしく代わりにエクアドル全土の地図とチンボラソ山周辺の大まかな地図をもらいました。

世界的に見てもかなり危険度の高い山らしいので自分の経験と能力的に登るのは無理なのですが、

以前からチンボラソのふもとあたりまでなら行ってみようかと考えていたので、そこで働く英語を話せる人にそこまでの行き方を聞いてきました。

大学時代には近くの山林へよく遊びに行ったりしていた自分。

しかし山登りとなるとそこまで高いところは登った経験がありません。

近所の低い山を何度か登ったくらいです。

あとは富士山に登ろうとして雨が降ったのでしかたなくあきらめ、帰りの電車にメガネを置き忘れるという何をしにいったのかわからない苦い経験があるくらい。

しかしそれでもふもとくらいだったらバスでも行けるだろうと思い、せっかくだから行ってみようと考えた次第です。

聞いてみると$1.50で近くの村まで行けるそうで、Guaranda(グアランダ)行きのバスに乗りEl Arenal(エル・アレナル)で降りるということでした。

そのまま乗ってしまうと$4ほどかかってしまうので、ちゃんと行き先を言うようにと念を押されました。

ほかにBosque Polylepisという森かなにかがオススメらしいのですが、英語が聞き取れずよくわかりません。

たぶんチンボラソの近くにあるのでしょう。

それから電車で行くならColta(コルタ)行きに乗ると景色がとてもきれいだという話でした。

自分は乗りませんが、ここに来た人は乗ってみてはいかがでしょうか。

そんな感じで、ほかに安めのホテルやレストランの話を懇切丁寧に教えてくれ、

「なにかわからないことがあったらまたおいで」とまで言ってくれました。

久々にこんなに丁寧なインフォメーションセンターに出会いました。

町はとてもオシャレで明るい雰囲気です。

時々物乞いはいますが、商店街にならぶ店も華やかでガラス張りを使った雰囲気のいい店がとても多いです。

 

    ↑分離帯にヤシの木が並んでいる。おっしゃれー

 

    ↑小さなモールのショーウィンドウにはハロウィンカラーの服が並ぶ。そういえばもうすぐ10/31なのか

 

    ↑ものすごく金ピカな店があったので覗いてみる。この下の段に置いてある鍋とか実際に使うのかな、それとも飾り?

 

    ↑小さな小物も金色

  

    ↑スマホケースもいろんなデザインがあるんですね。いやでも自分スマホもってないんで

 

    ↑ここが駅。町のど真ん中にある

電車の駅の近くに安めのレストランを発見。

そこでもらった地図を眺めます。

 

    ↑なんとここは小さなデザートが出る!この日はイチゴのコンポート。めっちゃうまかった

  

    ↑別日はゼリーエースのイチゴ味という感じの弾力のあるゼリー。肉がニンニクが効いていてこれまたおいしかった

安いといっても$2.25もするのですが、ほかが高すぎるのでどうこう言ってられません。

出費を抑えるために、夜はほとんど毎日安いホットドッグかフライドポテトですませていました。



おいしいフラペチーノがあるカフェをみつけました。
ここも駅のすぐ向かいにあります。

値段は$2.80ととても高いですが、思いきって買いました。






これがめちゃくちゃおいしい!!!


甘い中にちょっとビターなエスプレッソテイストが残っており、苦めが好きな人でもけっこういけると思います。

クリームも牛乳っぽい風味があり、これが混ざるとマイルドになってこれまたおいしい!


これは当たりでした。



    ↑このカフェ

ここはオススメですね〜。
高いけど。

軽食もあるらしく夕方はけっこう人が入っていたので昼ごろの空いているときにいくと待たなくていいと思います。




あとは町をあてもなくブラブラして、それ以外はブログを書いたり動画を作ったり寝たりしていました。


そんな感じでこの町の滞在はのんびりとすぎていったのでした。



    ↑グアジャキル公園の一部。朝と夜はよくこのへんでエアロビクスをしている



    ↑フリークライミングをしている子ども。スタッフっぽい人達が子どもたちと遊びながら運動をしているのが窓から見える



    ↑突然の日本語におどろいて撮った



    ↑近くのガソリンスタンドの店で売っているソフトクリーム。けっこう大きく作ってくれるのが嬉しい
 



次回はチンボラソ山へとりあえず行ってみた話。



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